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不定期更新しますですー

管理大切(/・ω・)/

「……」

「やばい…」

「「ど、どうしよう……」」

 

 ※適当です 息抜きでごぜーます

 

 

 

 

 

 

ビュ「…ん。まあ、これでいいだろ。」

とある日の事。ビュルアは輝くなにかを握りポケットにしまいながら、レックとウレアの3人で街を散策していた。

レック「なにがいいの?」

ビュ「な、なんだっていいだろ」

レック「ええー?なんだよ、怪しいなあ」

ウレア「どうせリヴ」

ビュ「ち、違うわ!!」

レック「ああー、うん、わかったわかった」

ビュ「てめっ、ぶん殴るぞ!!」

レック「なんで僕だけ!?」

ビュ「るせぇっ…!?いでっ」

ドンッと何者かにぶつかった音がした。

?「ああ?ガキか?気を付けろよ!!」

ビュ「え?ああ、すんません…」

何者かは足早に去っていた。

レック「なにあれ!ぶつかってきたのはあっちじゃない!怒ってもいいんだよビュルア!」

ビュ「いや、そんなに気にしてねえし…」

レック「な、なんで!?」

ビュ「うるせーなー。さっさと行くぞ、俺らは街の警護及びパトロール頼まれてんだから。ここでたむろってちゃ意味ねえだろ。」

レック「そりゃあそうだけどさあ…ん?ビュルア、なんか踏んでる」

ビュ「え?あ…ん?なんだこりゃ」

よく見るとそれはお花の形をした木細工だったが、踏みつぶされていて、更には靴跡がびっしり付いていて、原型はもうなくなりかけている。

ウレア「…これは、もう戻せないわね」

ビュ「ど、どうすんだよ、これ絶対誰かの落とし物だろ!?俺のじゃねーし!」

レック「同じの買うしかないんじゃない?」

ビュ「き、金欠なのにかっ…きついわ…絶対高いだろこれ…」

レック「キミが悪い。まあ、足りなかったら少し貸してあげるから。今は仕事仕事ー。」

ビュ「うう…」

ウレア「……」

レック「ん?どうしたの、れいけt…じゃない、ウレアさーん」

ウレア「…F…まさかね」

レック「はあ?」

ウレア「なんでもない。うっとおしい話しかけるな」

レック「アッ、ハイ」

 

 

 

 

 

 


ビュ「…はあ。せっかく今日は……と思っ……!?あれっ」

ビュルアはポケットの中を漁る。ところが、ポケットの中は…空だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レマ「あーあーあ、ねむいーだるーこの世のすべてがだるいーかっこフラウィアをのぞくー」

レマは頭の中で思いついた言葉を適当に呟いていた。

レマ「あーあ、ったく、こんな日に盗賊退治なんてやってらんねー!!しかも根暗と!」

アウォ「悪かったな」

レマ「ハンっ、じょーだんだよー、すねないのー。ま、今日は家に帰ったらーフラウィアに渡したいものがあるからー、頑張りますがね!」

レマとアウォーは盗賊退治をとある街から頼まれており、退治するために山なりなんなり登っています。

山といっても、そこまで高い山ではないので、虚弱なレマ君でも安心です。

レマ「ナレーションに嫌気が刺すんですけど」

まあまあ細かいことは気にしなーい

アウォ「会話するな。…あ、いたぞ盗賊」

レマ「ほんとだ、こっちにはまだきずいてないっぽいね、なら僕がどこか適当に爆発させて気を引くから、アウォー君奇襲よろしく☆」

アウォ「…致し方ない」

 

 


ドォォォォンー

モブA「なんだ、爆発!?」

モブB「どこから…!?おい、あそこにガキが、あいつか!?」

アウォ「○○盗賊団、強盗及び窃盗、その他いろいろの容疑で捕らえさせてもらう」

モブA「ゲッ、捕まえにきやがったのか!だが所詮こどmぐわっ!?」

アウォ「そういうセリフは、負けフラグだからあまり言わない方がいい…らしいぞ。」

アウォーは水を纏った刀でバッサバッサと盗賊を切り倒していきました。

アウォ「…あまり大したことない、な。」

安心したのもつかの間。盗賊団はAとBたち以外にもまだまだぞろぞろおりました。

モブC「はは、残念だなガキンチョ!!そいつらは囮だ!!お目当ての宝はこっちにあるもんねー!!あばよ!」

アウォ「……」

だがアウォーは微動だにせず、むしろ一息つき、まるで余裕でもある素振りを見せていました。

モブC「なんだ…?追いかけてこないのか…?……!?」

レマ「はーい、おにーさん☆げんきぃー?」

余りの盗賊たちの前には、いつの間にかレマ君が現れてました。

レマ「さ、盗んだもの返してくださーい。でないとー、こうなりますー。ブレイクっ!!」

レマが盗賊の1人を二本指で指さすと、その人の体はまるで風船のように膨らみ、バァンッと弾け、赤い血が水しぶきのように飛び散りました。

それと同時に、ガラスのようなものが砕けちる音がしました。

レマ「(あれ?…なんか壊しちゃったかな…!?ま、まあいいや、今は焦りを見せちゃいけない。余裕ぶってなきゃ)」

盗賊の人たちはあまりの光景に目を疑い、戦力喪失したかのとうに腰を地面についていました。

レマ「ボクの魔法、どんなものでも爆発できちゃうんですよね。お宝でも…人でも。ははは。あ、殺人だのなんだの訴えるならお好きにどうぞ?
盗人のあんたらが、信用してもらえるかの話だけれど…ね?」

モブC「わ、わわ、わかった!!返す!!返すから!!命だけは!!!!」

盗賊を代表し、Cがお宝の山を震えながらレマたちに渡しました。

レマ「わあーい、素直でよろしい♪」

 

 

 


ー数分後ー

街に帰ったレマたちは、街の人々に盗まれたものを返していきました。街の人々は喜び、レマたちに感謝の言葉をあげていきました。

レマたちはやっと終わったと一息つき、自分たちの家へ帰ろうとしました。

レマ「あーあ、疲れた。あれだけやっとけば、もうしないでしょ。騎士さんらに捕まるのも時間の問題だねっ。とかなんとか言ってると復活するフラグだからやーめよっと」

アウォ「……」

レマ「およ?どしたの?」

アウォ「幻術とはいえ、あれはやりすぎじゃないのか」

レマ「あー、ばれた?でも、ああいう輩は、お説教しても聞かないじゃん?なら見せしめとしてああいうの見せておいた方がいいじゃない。それに、あれは飽くまで幻。だれも殺してないから
問題なっしんぐ!……まあ、やろうと思えばできるけどね?」

アウォ「…そうか」

街の人「あのー、待ってください!」

レマ「あー?なんですか?今日はもう帰りたいから頼み事は明日にして…」

街の人「いえ、違います!盗まれた品々の中から、誰も心当たりがないものが出てきまして…。あなた方のものではないかと思いまして。」

そういうと、街の人は透明に輝く石をはめた星型のブローチを差しだしました。ただ、ブローチはヒビがはいっていて、今にも崩れてしまいそうです。

アウォ「…心当たりはない」

レマ「僕も…ん?(いや、待てよ…?確かさっき、魔法でなんかうっかりぶっ壊しちゃったような…まさか…)
ねえ、他の品々って、ひび割れとかない?大丈夫?」

街の人「はい、損傷しているのはこれだけです」

レマ「えっ…あ(それボクがやっちゃったやつじゃん…うわあ、どうしよう…幸い街の人たちのじゃないっぽいけど…うう、仕方ない、僕がやっちゃったものは僕で責任とんなきゃ…。
持ち主誰かは知らないけど、直す、あるいは新しいの買ったりして、交番に預けときゃあいいでしょうや。)」

アウォ「?」

レマ「ぼ、僕が届けとくよそれ、心当たりあるんだよねー。それ。」

街の人「本当ですか!では、よろしくお願いします!」

レマ「あ、ああ、うん…(はあ、面倒なことに…だりぃぃぃ!!!!)」

アウォ「……そのブローチ…」

レマ「あ?なに?どした?」

アウォ「R・V…まさかな」

レマ「え、なにその意味深発言。気になるんだけど」

アウォ「気にするな。大したことじゃない。それに、フラウィアに渡したいものがあるのだろう、さっさと行けばいいだろう。」

レマ「そーう!!イシエに彫刻を墨から墨まで教えてもらって昨晩やっとできたオシャレなお花の木細工がここにっ…あれぇ?」

レマはカバンの中から自慢気に手をだすが、その手にはなにも持っていなかった。

 

 

 

レマ「え……なんでないの」

 

 

 


とぅーびぃーこんてにゅー(続く)

 

 

 

おひさしぶりーの

01:お二人のお名前と、年齢、性別をそれぞれ教えてください。

理「理瑠じゃ!お久しゅう!!みなのもの!!」

イ「新キャラのイシエと申します。以後、お見知りおきを。…なんてねっ🌠」


02:身分(役職)をそれぞれ教えてください。また、どちらが『主』で、どちらが『従』ですか?

理「お姫様ー、なーんて身分じゃが、妾はそんなの面倒じゃからぽいぽーいじゃ!あとはどこかの学校の生徒会長やっておる!」

イ「使用人兼居候兼どこかの学校の副会長だよ」


03:お互いのことは、それぞれ何と呼んでいますか?

理「イシェと呼んでおる!」

イ「理瑠さんだったり、理瑠様だったり、時と場合によって変わるかな。」

04:お互いに会話をする時は、敬語ですか?ため口ですか?

理「タメなのじゃ!!」

イ「一応敬語だけれど、この人には敬意の欠片もないかなっ」

理「なんじゃとー!!!」

イ「はは、冗談だよ、理瑠様。ボクはこれでも、貴女の事を一番に尊敬しているんだ」

理「口が軽いのう…」

05:この主従関係が成立してから、今までどのくらい経ちますか?

イ「5年くらいかな。」

理「ふぉっふぉっふぉ!」

06:初めての出会った時の、お互いの第一印象はどうでしたか?

理「チャラい男と勘違いしたが女だということを知った時のあの衝撃は忘れられないぞよ」

イ「そっちこそ、お姫様のくせにくノ一…あー、忍者やってることにびっくりでしたよ。…ねえ、なんでいちいち忍者って言わなきゃいけないんですかー?」

理「忍者の方がかっこいいのじゃ」

07:お互いに、相手の長所と短所を、それぞれ教えてください。

イ「おてんば娘で可愛らしいけど、疑うことをしらないのが、おっかないかな。あと、寝相が悪い。」

理「口が軽い!!チャラい!!男女構わずモテるのじゃ!!毎朝毎朝、ファンレターの嵐じゃぞえ!!」

08:お互いに、相手を理想の『主』、『従』だと思いますか?

理・イ「……うーん。」

理「もうちょっと誠実なのがよかったのじゃ」

イ「失礼だなあ。これでも貴方を敬ってるのに」

理「ハイハイなのじゃ」


09:相手の身に危険が迫ったとき、自分はどういう行動をとると思いますか?

理「守るに決まっておるのじゃ!民を守るのが姫の役目ー!なのじゃ!」

イ「色々と逆じゃないかな」

理「守られるのは嫌いじゃ!ぷんすこ!」

イ「ははは、貴女のそういうところ、ボクは好きですよ」

10:相手との立場が逆転したとき、自分はどういう行動をとると思いますか?
イ「ボクはともかく…理瑠さんは普段と変わらないと思うよ」

理「はっはっはー!!主を脅かす悪め!この妾が成敗してくれるわっ!!」

イ「とか言ってるし」
11:もし、相手がいなくなったとしたら、自分はどうなる(どう思う)と思いますか?

理「ま、まず泣いてしまうのじゃ…!!」

イ「ボクも…ぜつぼうに明け暮れ、泣き崩れてしまうだろうね…」

理「本当かのう」

12:『主』の方に質問です。相手の従者としての仕事っぷりについて、どう思いますか?

理「こんなでもきっちり仕事できるんじゃから、世の中すごいのう」

イ「仕事といっても、事務しかやらせてくれないじゃないか」

13:あなたの命令は、相手にとって『絶対』ですか?

理「聞いても聞かなくてもどちらでもよいぞ!妾は相手を自分の意見で縛るのは好きではないからな」

イ「それ、ボクの存在意義まるごと否定してるようなものじゃないですか、理瑠さん」

理「良い良い!お主は妾の話し相手になってくれれば!」

14:相手の他に、どのくらいの人数の従者の方がいますか?

イ「企業秘密♡」

理「すまんの」

15:相手のことを『いっそ、クビにしてやろうか』と思う瞬間はありますか?あれば教えてください。

理「そんなの…」

イ「お?」

理「普段からそう思ってるに決まっておるではないか!!」

イ「……えー…」

16:『従』の方に質問です。あなたの主君のことをどう思いますか?

イ「そうだね…上記のとおり、使用人らしいことを全くさせてくれなくて、参っちゃうよ。地味な作業しかやらせてくれないし。戦闘時にはいっつも前線にでちゃうから、手の付けようがなくて…。ふふ、でも、そういうところが尊敬するかな。」

17:あなたの仕事(役割)は、主にどんなことですか?

イ「本来は理瑠さまの護衛、世話係なんだけれどね、学校の書類の整理、会計、倉庫の掃除、とか…いや、まあ、掃除はいいんだけどさ。このくらいしかやらせてくれないんだ」

理「じ、自分の事は自分でやるのが当たり前じゃろう。妾を小童扱いするでないわ!」

イ「やれやれ、変に真面目なところとか、本当尊敬に値しますよ、お嬢様」

理「きもちわるっ」(ドン引き

イ「あはは、ひどいなあ」

18:従者として、現在の待遇に満足していますか?

イ「物足りないくらいだけれど…満足している、というしかないか。」

理「どうせアルバイト(と、言うのかや?)のようなもんじゃ、そこまで真面目にやらんでもよいわ」

イ「ふふ、暇なんですよ。スパイシーな出来事がが中々起きなくって。」

19:相手に命令されるのは、あなたにとって当然ですか?それとも嫌ですか?

イ「嫌いじゃないさ。むしろ、暇つぶしに色々と出来るから、いい機会さ。あ、でも、犯罪は勘弁かな。」

理「妾は…人によるのう…」



20:最後に、何かお互いに一言お願いします。

イ「これからもよろしくね、理瑠さん、みなさん。」

理「よろしくの!イシェ!みなのもの!」

 

ダンガンロンパR・D chapte1‐2(非)日常編 求めるもの

≪樹力ルーム≫

『オマエラ、おはようございます! 朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~! さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』

モニターから大きな声のモノクマの声が聞こえる。もう朝か。早いな…さっさとカフェに行こうっと。朝の集合場所はあそこってことになったし。

翌朝。昨日はほぼ何事も起きることなく、一部を除いてみんなと仲良くなれたまま、一日を過ごせた…と思う。少なくとも、私が知ってる範囲では。ただ、気がかりな事が一つある。

『幸運には、気を付けて』

謎に包まれた少年、刻風君が、私にそう言い残したまま、それ以降私に姿を残すことなく一日は終わってしまった。

幸運とは、超高校級の幸運と呼ばれる、一谷 八夂ちゃんの事だろう。彼女が一体なんだというのかわからない。けど、わからないからって、そのまま流しちゃうのは、いけない気がする。

あれから八夂ちゃんとは夜ご飯をとりにいって、そのまま別れてしまったけれど、大丈夫だろうか。不安だ。何も起きていないといいけれど…。

不安ならずっと一緒にいればいいじゃん、と思うかもしれないけれど、今の私の、『疑い』という感情は、なるべくみんなに悟られたくないのだ。みんなには不安な気持ちにさせたくないから。

…集団行動は、1人が勝手な行動をすれば、みんなその1人に惑わされる。私が根も葉もない証拠で勝手に八夂ちゃんを疑えば、疑いや嫌悪といったマイナスな眼差しは一気に八夂ちゃんに向くだろう。

それは嫌だ。でも、こんなこと思ってる私も、あの言葉に惑わされている。だから、はっきりさせるんだ。刻風君のあの言葉がどういう意味なのか。誰かにこの事を話すのは、その後だ。

 

 

 

 

 

 

部屋から出て、何歩か歩いて着くエレベーターに乗って一階に着く。そこにはカフェに行こうとしている、ぶるぶると震えている村田君、入菊君、伊瀬さんを見つけた。

伊「昨日は悪かった」

村「あ、いえ…そんなに気にしてないというか、こっちこそごめんなさいです」

どうやら、昨日の事に関して話しているようだ。うーん、雰囲気が微妙に気まずい。たまたまみかけたものの、私が話に入っていいのかな…?いや、ダメでしょ…さっさと行こう。どのみち後で会えるんだし。

入「あ、樹力さんオハヨーヾ(^∇^)」

樹「あ、ああ、おはようっ!」

ネガティブな事を思っていた矢先、入菊君が顔文字の真似をしながら私に手を振ってきた。それに対して私はおどおどした返事をしてしまった。

村「わわっ!!おはようございます!!」

伊「おはよ」

村田さんは私よりおどおどしていて、伊瀬さんはけだるそうに挨拶をしてくれた。

そういえば、村田さんお茶会どうするんだろうなあ…。昨日、あれからみかけなかったし、とりあえず聞いてみよう。

樹「あの、村田さん!お茶会の事なんですが!」

伊「おめーまだ誘ってなかったの」

うっ…しょうがないじゃない、みかけなかったんだから…なんて、言えないし…。

村「ああ、し、知ってますよ。またお茶会やるんですよね。宝錠さんから聞いてます。」

…!宝錠さん、本当に誘ってってくれたんだ!!なんやかんやで優しいな、とこの時改めて思った。

村「その、はい、行きます。やることないですから時間潰しに…あっ!す、すいません!!わざわざ誘ってくれたのに余計な口を!!」

樹「い、いや、大丈夫ですけど…」

伊「…おめーらって似てるよなー…」

樹「ええ!?似てます!?」

村「えええっ!?そんな!!僕に似てるだなんて!!そんな!!失礼ですよっ!?ぼっ」

伊「…そういう反応が。」

樹・村「うっ…」

確かに、おどおどしちゃうとことかは、似ているかもしれない。しかも今、ハモったし…。でも、なんとなく村田さんに失礼な気がする。だって私、ただの一般モブだもの…

伊「まあいいや。早く行こうぜ」

入「ソダネー(#^.^#)」

樹「…そ、そういえば、村田さん、何か言いかけてた?」

村「!!い、いい、いや、なにも!!!」

村田さんは涙を流しながら、私たちより一足先に向かっていった。女性恐怖症、なんだよね。村田さん。でも、その割には、怖がりながらも伊瀬さんたちとお話ししてる…。もしかしたら、本人なりに克服しようとしているのかな。
すごいなあ。私なんて、パンとか苦手だけど、未だに食べる気にならないや…。喉につまりそうだし。

 

 

 

 

 


≪ルーチェカフェ≫
入口の扉を開ける。すると、がやがやと聞こえる楽しそうなお話し声と、YO、YOとはっちゃけた声をだしながら踊っている少女が私たちを出迎えた。

府「YOYO!!おはYO!!グッモーニング!!」

飛「よう!!村田!」

村「あ、飛丸くん、おはよう…」

蓮「みなさんおはようございます」

一「蓮楼寺さんんん!!」

みんながみんな、それぞれにおはようと挨拶を交わしていた。私も、みんなに挨拶をした。けど、みんなといっても、ズィヅさんと宝錠さん、墨尾さんは、…刻風君はまだここにいないようだ。といっても、
ズィヅさんは人とあまり関わらなさそうな人だから、ぞろぞろと人が集まっているここにはこないという確信がある。

宝錠さんとは、昨日の事でほんの少し、長さで言うなら2kmのロープが1.9kmになったってくらいくらい打ち解けられた…とは思うけど、ここにこないってことは、ただの私の思い込みだったのかな…トホホ…。

墨尾さんは…どうだろう、墨尾さんはもう皆の輪に入りこめている気がす…

墨「寝坊したでござるーーーーー!!!!」

…ああ、ただの寝坊か。

府「さあーーーーって!!ユーアーチェケラ!!みんなはもう知ってるKA!!?ティータイムの事!!!そのことで重大発表DA!!!」

蓮「ええ、知ってます」

府「ふっふっふっ、みんなと交流を深めるためミーが思いついた!!楽しそうな企画だRO!Ohイェア!!」

あれ、音々ちゃんが考えたんだっけ…?まあいいや。追及するの面倒だし…。

飛「でもよー、もうここに全員集まってんなら、さっさとお茶会とやらをやればいいじゃねーか。」

伊「アホ。朝っぱらからワイワイはしゃげるかよ。だりぃし」

板「伊瀬さんはいつもだるそうだよね」

伊「よく言われる。」

府「SO!SO!それに、お茶会はたいてい15時からと決まってるだRO!!」

飛「いやしらねーけど」

入「そこで( *´艸`)重大発表っていうのは15時まで時間があるからみんな( `ー´)ノ好きな食べ物とか料理とか('ω')ノあとはなんでもいいから盛り上げられる芸とか用意してほしいんだ一発ギャグとか」

樹「ええっ、そんな話聞いてないよ!?」

府「当たり前田のクラッカー!!樹力がどっか行ってから思いついた案だしNA!!」

ええええ…食べ物や料理はわかるけど…一発ギャグってなに!?なにをすればいいの!?ふとんがふっとんだ!?

府「ふっふっふ…それでは、楽しみに待ってるZE!!15時まで自由時間DA----!!」

ううう、なんか色々と勝手に進んでるけど…じゃあ、15時までぶらぶらと適当に回ってよう…。

伊「あ、一応わかってると思うが、モノクマにはこのこと言うなよ。なにされるかわかったもんじゃねえ。」

針「ご承知ですです!」

村「わかりきってることをいちいち言わなくても…あ!!ごめんなさっ!?」

府「それではー、各自自由時間DA!!レディゴー!!」

一「あはは、なんかもう、色々と無理やりだね、まあ、いいか。せっかくだし楽しもう!ね!樹力ちゃん!」

樹「!?ああ、うん!」

いきなりポンと背後から肩を叩かれた。その正体はあの八夂ちゃんだ。その子の顔を見た瞬間、私は早くやらなければならないことを思い出す。忘れていたわけじゃないけど、音々ちゃんのハイテンションムードで、すっぽり頭から抜けていた。

樹「じゃ、じゃあ、また15時に!さよーならー!!!」

一「…あ、うん、またねー」

 

 

 

≪ノルンシティ 街路地≫
はー、はー、つい逃げ出してしまった…。

勢いよく走ったわけじゃないけれど、大分焦って逃げたせいか、喉が痛く、息切れしている。

樹「げほっげほっ、普段からあまり運動しないせいだよねー…」

過剰に運動しなくても、普段からあまり運動していなければ、もんの少し走っただけでも疲れちゃうものだ。

樹「…さて、まずどうしようか。」

…八夂ちゃんのこともあるけど、此処のことももっと調べた方がいいよね。あ、カフェに本、いっぱいあった!もしやそこになにかヒントが…!でも、今さっき言ったばかりだし、まだ人がたくさんいるから後回し。

と、なると…今カフェにいない人たちから情報収集だ!よし!頑張ろう!

カフェにいなかった人物は、宝錠さん、ズィヅさん、刻風君…。どれも近寄り難い人物だ。

…刻風君を探そうか。また屋上にいるかな。いるといいけれど。

輝「待ちたまえ、樹力」

樹「ぎゃあああああ!?!?」

輝「ふむ、驚いたぞ。いきなり大きな声をあげだして。」

こっちのセリフだよお!!!!って叫びたいとこだけど、落ち着け私。こういう時は冷静に対処するんだ。うん。と自分に言い聞かせる。

樹「輝烈統さん、いったいなんの用時でしょうか!?」

輝「ふむ…敬語など使わず、もっと軽い口調でよいのだがな。まあいい。用件を言わせてもらおうか。実は、わかったことがあってだな。貴様に話しておくべきかと思うてな。」

わかったこと?なんだろう。ここについてのことかな?それとも、私が今探している答え、このどちらかか、あるいは別の…?

輝「ひとつ言っておく。手がかりかどうかはわからん。」

樹「わ、わからないの?」

輝「ああ。…必要かどうかは聞いて判断するがいい。…今から話す話は、わかった、というより思い出した話だ。」

樹「思い出した…?まさか、モノクマさんの言ってた記憶が!?あれってやっぱり、本当だったの!?」

輝「いや、残念ながら違う。そもそも関連性があるかどうかもわからない、怪しい話だ。だが聞いてくれ。ノルンシティの『ノルン』という単語についてだ。…貴様は、神話は好きか?」

樹「え、うーん、あまり興味はないかな…でも、ある程度は知ってるよ!」

輝「ふむ、そうか。さて、話に戻るが、ノルンというのは、北欧神話に登場する運命の女神と言われている。」

樹「運命の…女神…?」

うむむ、うまく想像できないけれど、でもなんとなくすごい存在だってのは理解できる。…こういうのを小並感っていうんだろうね…。トホホ…。

輝「もっと説明すると、ノルンは北欧神話においてさまざまな血統の人々の運命を支配する多数の女性的存在、ディースの1種である。ちなみに、ディースというのは北欧女神における女神の総称であり、豊穣・運命や戦いを司る霊的存在の一種。
黒いベールを着た乙女戦士の姿が特徴。破滅と不吉の予言が迫っている事を警告し、恐ろしい姿で現れるとされており、運命に介入する者が役割で…」

輝烈統さんは、いつの間にかベラベラと説明を続けていた。なんとか頭に入れようとはするものの、早すぎるし長いからぼんやりとしか頭に残らない。

輝「…っと、失礼。つい長く語ってしまってな。なにか参考になったか?」

樹「え?えと…」

どうだろう。『ノルン』の意味はわかったけど、でも、今探してるもののヒントには、なってない…と、思う。

輝「ふむ、すまないな。力になれず」

樹「う、ううん!ありがとう!でも、その、なんで私に話してくれたの?こういうことは、蓮楼寺さんや入菊君とか、頭のいい人に話した方が…」

輝「頭のいい奴はあまり信用できん。なにを企んでるかわかったもんじゃない」

う、うーん、まあ、気持ちはわかるけど…。ていうか、輝烈統さんも頭いい人…に見えるから、あまり人の事言えないんじゃ?というのは置いておこう。

輝「それに、何かを探しているようだったからな。貴様はすぐ顔にでるからわかる。」

あ…ばれてた?でも、なにを探しているかは、まだ勘繰られていないようだ。

樹「あはは…ここからでる方法ないかなーって。」

とっさに嘘をついた。でもこんな嘘、輝烈統さんならすぐにわかっちゃうだろうなあ。

輝「そうか。脱出に専念するのなら、私も協力を惜しまん。だが、今の私は楽しむ事を専念させてもらおうか!!」

輝烈統さんは、スチャッと眼鏡をかけなおし、今より更に高い声で、笑いながら言い始めた。

樹「楽しむ…?お茶会を?」

輝「ああ。実はお茶会で、刻風と漫才をすることになったのだ!!!」

…ん?漫才?誰と?

輝「ではな!樹力。また会おう。応援しているぞ。さて、ネタ作りで忙しくなるぞ…。」

…あ、ポカーンとしてる間に行っちゃった。

私の耳がおかしかったのだろうか。いや、でも…漫才…刻風君って言ってたような…。でも、漫才できるのかな…いや、そもそもくるのかな?あの刻風君が…。全く想像できない。

…輝烈統さんの話が本当ならば、あとで会えるんだろうけど…。でも、来てくれるようだったら、その時また改めて聞こう。

さあ、次へ行こう。次は…んー。ここ、施設が多そうで、あまりないんだよなー。建物のほとんどが飾り物だって言ってたし…。はあ、全く、もうちょっと設備整えてくれたっていいのになあ、もう!!

…時計の音がうるさいな。苛立っている時に時計の針の音を聞くと、イライラが増しちゃうよ…もしや、この周りにある時計はモノクマさんの嫌がらせ?…あり得ない話じゃないな…!

 

 

 

≪ノルンホテル 1階≫
適当にぶらつくって言ったものの、いったいなにをしよう…自分の部屋にいても暇だしなぁ…。

お茶会ねえ…みんなとの交流を深められるいい機会だけど…なにをしようか全く思いつかない!!八夂ちゃんの事を調べようにも、手がかりみたいなものはないし。

…お茶会にきてなかった人たちの様子を見に行こうかな。あ、丁度、自動販売機の近くにズィヅさんがいる。…んー、声かけてみようかな…でも怖いなあ…

ズ「おい、何ジロジロ見てんだよ。気持ち悪い」

樹「すっ!!すいません!!」

気が付かぬうちに、ジロジロ見てしまったようだ。うう、失礼極まりない…。…そして、昨日か一昨日に似たようなことが別の人物だけどあった気がする。

ズ「…何か用でもあるのか?ないなら、俺はこれで失礼するぞ」

用か…そういえば、お茶会は結局参加するんだろうか。昨日、ルーチェカフェにズィヅさんはいたものの、参加するかどうかはわからなかったしなあ…。

ズ「…お茶会?参加するわけないだろう。じゃーな。」

…だ、だよね。みんなでワイワイはしゃぐタイプに見えないもの。ズィヅさん…。

ズィヅさんは、スタスタと歩くと、エレベーターに乗って行ってしまった。それにしても、やっぱり睨んでるときの視線怖かったなあ。石にされるかと思ったぁ…。

一「樹力ちゃーん!やっほー!!」

蓮「おやまあ、また会いましたね」

声がする方を向くと、入り口から蓮楼寺さんと………八夂ちゃんだ。あからさまなリア充オーラを放っている。もう付き合ってるのかな?なんて呑気な事を考えながら2人のところに行く。

一「なにしてたの?」

樹「えーと、ズィヅさんをお茶会に誘ったのですけど、断られちゃって…」

一「ええ、あの人に声かけたの!?自己紹介の時あんな思いしたのに、勇気あるねえ樹力ちゃん

樹「い、いや、私から声かけたわけじゃないけど…」

蓮「いい度胸してますよね」

樹「れ、蓮楼寺さんまで!?」

蓮「あはは、冗談ですよ。ていうか僕、自己紹介の時の彼の様子なんて知りませんし。どんな感じだったんですか?」

樹「え、えーとぉ…」


ーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、あのお…」

「…なんだよ、目障りだから早くどっかいけよ」

「わわっ、ごめんなさい!」

彼と目を合わせようと足をかがむと、うっとおしそうに返事された。彼の眼は左目が前髪で隠れていて見えず、右目の朱い目しか見えない。その目は鋭く細くて、睨まれただけで石になってしまいそうだ。

「……」

彼は、お前と話すことはない、とでも言いたげに目を瞑った。多分、寝ちゃったのかな…?
「や、八夂ちゃんんんん…」

「あらら、いきなりハードル高い人に話しかけるなんて、やるねえ、樹力ちゃん。」

や、やっぱり見た目どおり気難しい人なんだ…。うう、一番近くにいたっていう理由で話しかけたのが仇になったか…。
ーーーーーーーーーーーーーーーー

樹「…って、感じです」

蓮「ふふふ、貴方らしい反応ですね。」

樹「え!?」

蓮「ふふ、失礼失礼。あまりに面白くて。」

え、ええ、蓮楼寺さんにとってそこまで面白かったのかな…?今の…。うーん、嬉しいような……いや、全く嬉しくないけど。笑う要素どこにもないよね!これは馬鹿にされたのかな(´・ω・`)…って、入菊君みたいになっちゃった!!

一「あーもう!!私を置いてけぼりにしないでください!」

蓮「ふふ、ごめんなさい、一谷さん」

一「はぅあっ!!イケメンスマイル…!!」

八夂ちゃんの心臓あたりに、ピンクの矢がズッキューンという効果音と共に突き刺さった。

蓮「ところで、樹力さんは、お茶会どうするのですか?僕は紅茶でも淹れようかなと思っております。あと、お茶菓子も作ろうかと。こう見えて、紅茶を淹れるのは得意なんですよ。自分で言うのもなんですけどね」

一「さすがですっ!!!」

樹「うおあぁ…お料理上手なところとか、イケメンオーラがでまくってます、眩しいです…」

一「うおあああ!!」

樹「八夂ちゃん、ちょっとうるさい」

一「あはは、ごめんなさいっ」

蓮「ふふ、仲が良くていいですね。お二人とも。羨ましい限りです。」

一「えへへ、それほどでも!」

樹「…」

八夂ちゃんと仲がいい、か。うん。それは嬉しい。嬉しいけれど、でも、私は刻風君のあの言葉を聞いてしまったせいで、あまり素直に喜べないでいる。

『幸運には気を付けて』…いったい何を気をつけろっていうの?あの言葉を思い出すたびに、胸がざわざわして、落ち着かない。不安なんだ。だって今は、いつどこでなにが起こってもおかしくない状況だもの。

一「樹力ちゃん?どしたの?ボーッとしちゃって」

樹「…!え、いや、なんでもないよ!!」

うう、また考えすぎちゃってた…はあ。考えるのはいいけど、顔に出ちゃうからなあ、私。

蓮「ふむ…一谷さん、樹力さんの面倒を、少し見ていてはどうですか?顔色が悪いようですし。」

樹「えっ」

一「わかりました!」

蓮「かしこまりました。それでは、一旦私物を取りに行くので、失礼します」

蓮楼寺さんは、執事さんのように、にっこりとお辞儀をした後、エレベーターに乗ってどこかへ行った。多分自分の部屋に戻ったのだろう。

うう、困ったな…2人きりだと気まずいよ…。蓮楼寺さんがいた方が、まだ気が楽だったのに。リア充オーラを浴びようとも。

 

 

一「ああー、行っちゃった。もっと一緒にいたかったなー。」

樹「ご、ごめんね、私なんかのせいで…」

一「あ、謝らないでよ!確かに蓮楼寺さんと一緒にいれるのは嬉しいけども、樹力ちゃんのことも心配なんだよ!それに…」

樹「それに?」

一「樹力ちゃん、昨日から様子変だし。…私だけに対して。…私、なにかした?」

樹「っ!?」

一「気付いてないとでも思った?ルーチェカフェではいつも通りだったのに、今じゃなんだか挙動不審なんだもの、蓮楼寺さんがいなくなった直後から。樹力ちゃん、考えてることすぐに顔にでるんだもん。」

表情はいつも通りにこにこしている。けど、声のトーンが怒りを表している。どうしよう。話す…べきなのかな。

一「…」

八夂ちゃんは表情を真顔に変え、私をじっと見始めた。私の言葉を、待っているのだろう。

樹「う、うぐぐぐ、ええと…」

…ダメだ。言えない。言うのが怖い。もし言ったとして、どうなるんだろう。わからないや。でも…嫌な気持ちにはなるよね。『幸運には気を付けろ』だなんて。

…まだ、言わないようにしよう。やっぱり、何回も言うけど、刻風君の言葉の意味をしっかりと確かめてからでないと。

けれど、もうごまかせないだろう。なら、正直に……

樹「…ごめんっ!八夂ちゃん…その、今は、言えない。」

一「え?」

樹「でも、その、嫌ってるだとか、そんなんじゃないんだよ!…八夂ちゃんは、初めて会った時!」

一「ど、どうしたの、いきなり叫んで」

樹「からかってはきたけども、私と一緒に行動してくれた時、色々と親切にしてくれたし!」

一「あ、ああ、わかったわかった、もういいっ」

樹「それに!!八夂ちゃんとはなんだか親近感を感じるんだっ!」

一「…へ?親近感?」

…はっ、勢いのあまり、八夂ちゃんを遮ってまで言わなくてもいいことまで言ってしまった…。ま、まあいいや。もう言ってしまおう。

樹「そ、その、八夂ちゃんと会った時、親近感感じてたんだよ。ほら、これからも仲良くできそうだなあ、気が合いそうだなあ、だとか。」

個性ありすぎる人たちの中で唯一気軽に会話できていたし…。…いや、今は、みんなの中で会話するのが一番気が重い人物になってしまったけれど。

一「…それって、私に?」

樹「え?う、うん。そうだけど。」

あれ、私、なにかおかしいこと言ったかな……?

八夂ちゃんは、少し顔を俯かせていた。…ん?よく見ると、ほんの少し頬が赤い。あと、口元がにやけている。…あ、もしかして

樹「照れてる?」

一「ふぉあっ!?ちち、違うよー!?」

八夂ちゃんは小さい力で私にポカポカとグーで叩いてきた。どうやら図星らしい。うう、痛くなってきた…。でも、照れてるのか。なんだか嬉しいなあ。

一「…そ、その。」

樹「ん?」

八夂ちゃんは、叩くのをやめると、また私をじっと見てきた。けど、今は晴れやかな笑顔だ。

一「私も、親近感ってやつじゃないけどさ…樹力ちゃんとは、仲良くしたいなって思ってたんだ。おどおどしてるのが面白くてからかうの楽しいし!だから、ああ言って貰えたのは、嬉しかったよ。」

樹「…八夂ちゃん…」

ちょっと一言、余計かな…。

一「…だから、樹力ちゃんがちゃんと言ってくれるまで待つよ。友達だし!無理に言わせても後味悪いし。…でも、話せる時がきたら、ちゃんと言ってよ?約束ね!えへへっ」

樹「…うん!わかった。ありがとう!」

子どもの頃によくやっていたであろう、『ゆーびきりげんまん、うーそついたらはりせんぼんのーますっ!』という約束の呪文を、小指を重ね、笑いながら、か細い声で2人で唱えた。

一「えへへ、樹力ちゃんにだけ針千本飲ましちゃうのは可哀想だし、じゃあ私も、なにかしようかな」

樹「なにかって?」

一「…うーん…あ、そうだ!はい、これ。」

八夂ちゃんは耳にある、星が流れているように見える綺麗な虹色のイヤリングをとり、ハンカチで一通り吹いた後、私の手を強引に掴み、手のひらに置いた。

一「友達の証ってやつ!あげるよ。」

樹「ええっ!?いいの?これ、大切なんじゃ…?」

一「いいのいいの。あ、いらなかったら捨ててもいいからね。どこにでも売ってるから、それ。」

樹「捨てないよ!?だって…」

あの時遠く見えたイヤリングが、今ではこんなに近くにある。白銀に包まれた虹色の石の中は、流星群のように星が流れている。廻り廻って。止まることなく、ずっと。ずっと。

何分見ても飽きない不思議な魅力が、何故かこのイヤリングにはあった。そんなものを捨てるはずがないし…

樹「…友達の証、なんでしょ?なら、尚更捨てないよ!」

一「あはは、そっか。樹力ちゃんならそう言ってくれると思ったよ!」

また、私たちはお互い笑いあった。まだ話せてないことはいっぱいあるけれど、八夂ちゃんとは、本当の友達になれそうな気がする。そのためにもまず、私のやるべきことをしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

風が吹かない、太陽の光もないはずなのにどこか明るい場所で、影は1人佇んでいた。孤独に、1人で。

誰をも近寄らせないその影は、独り言でなく、誰かに対して、こう言った。そこには誰もいないのに。でも、誰かに聞いてほしくて。

「…Time wouldn’t stop」


…時は、止まることを知らない。

チクタクと、針はずっと動いている。止まることなく、永遠に。

「…止められるものなら止めてみせてよ」

影が喋った言葉は、なにかに対して挑戦を求めた、いわば挑戦状だった。

スッと影は消えた。消えてしまった。足跡も、なにもかも。

お知らせー(/・ω・)/

はい!マイです!今回は重要かどうかはわからないけどお知らせです!

 

とある理由で、はてなブログに出没する頻度が極度に減ります。

 

理由は、進路について色々忙しくなることと

あと個人的な理由をだすと、利用されるのがもう嫌になってきて、我慢できなくなってしまったんです。楽しいと思えてたことが楽しいと思えなくなってきてるし…

本当はこういう場でこういう事言っちゃダメなんですけどせめてこれだけ。

 

 

それで、小説の話になるんですが、小説とかは息抜きに投稿できればなと思っております。けどもうここにはださないでどこか違うところで活動するかもしれません。そこらへんはまだわかりませんが、今書いてる二次創作のやつだけはせめて完結させてみなさんに見てもらいたいなと思ってます。

 

今後どうなるかわかりませんが、もしかしたらはてなブログをやめてしまうかもしれません。あ、でも、やめたとしてもID(?)だけは残しておきます!

 

さて、深刻な文章になっちゃいましたけど、伝えたいことはこれだけです!

 

それでは!マイでしたー!!

ダンガンロンパR・D chapte1(非)日常編 尊きヒンメル

樹「はーあ…」

何故に用意された部屋、用意されたベットに腰をつき、横になる。シャワールームも設置されてたから、怪しみながらもとりあえず入った。一応害はなく、水もちゃんと綺麗だったから、ひととおりシャワーを浴びて、今出たところだ。

…個室は、防音完備、隣がどんなに爆音を出そうが、こっちに聞こえることはないという。寝やすいだろうけど、音が聞こえないというのは、こんな状況だと、ほんの少し不安に感じてしまう。しかも監視カメラも個室にまでついてるし…落ち着いて寝れやしない。

樹「…にしても、今日は疲れたし、色々とわけわかんないよ…」

モノクマという謎の生命体にここで一生を過ごせだなんて言われて。入学早々とんでもないことに…いや、記憶を失っちゃってるんだっけか。私たち。

樹「…はあ。もう、夜なのかなあ。」

此処は白いドームに囲まれていて大空が見えない。そのせいで時間の把握が難しい。だけど、探索した結果、ホテルの外には、未来都市のような風景には似合わなそうなアンティーク時計が数えきれないくらいどこにもそこにも設置されていた。カメラやモニターと同じくらいに。チクタク、チクタクといくつもの音が重なった針の音がうるさかったけど、それはホテルの外だけの話。ホテルの中は全く時計の音が聞こえない。まあ、そりゃあ部屋の中まで聞こえたら耳障りでうんざりだよね。あ、時間の把握が難しいというのは、その時計が本当に本来の時間を示しているかどうか、怪しいということ。未知の場所に連れてこられたわけだから、全てを信用するのは危ういと、輝烈統さんはそう言っていた。


…あれから、ほんの数時間前、私たちは様々な場所を探索した。…そうだな、もう寝るし、色々と情報を整理しておこう。


数時間前 ーノルンホテル 3階 ー
樹「ぎゃー!!」

蓮楼寺さんに言われた通り、電子生徒手帳を自分の名前がカタカナで表示されているカードキーにかざすと、カードキーがピッと鳴り、淡く青く光った。機械に疎い私は、なにが起きたかさっぱり、微塵もわからない。

針「お、落ち着いてくださいですみかちゃん、入れるようになっただけですから」

樹「え…?あ、本当だ、入れる…」

すごい、さっきまでいくらドアノブをいじっても開かなかったのに!最近のドアってすごいんだなあ…!こんなのをかざすだけで鍵の開け閉めできちゃうなんて!!

針「ふふ、みかちゃん、すごく目がキラキラしてますねっ」

樹「うん!!すごいね!!最近の文明って!!私金属の鍵しか知らなかったもん!」

針「ふふふっ」

宝「…うるさ、あんたは過去タイムスリップしてきた貧乏人かなにか?このくらい、駅とかにあるでしょ。ないところもあるでしょうけど、見たことはあるはずよ。まあ、なかったらなかったで、それほど田舎なところに住んでるんでしょうけどね」

樹「なっ…!?」

宝錠さんの毒舌が身体に突き刺さる。…ぐぬぬ、みんなでここを過ごすということはこの人にも慣れないといけないわけでえ…ああ…私の精神メンタルが長く持ちますように…。宝錠さんと会うといつもこういう考えが頭をよぎるなあ。失礼ってわかってるけど、素晴らしいほど毒舌なんだもんこの人…

針「ふふ、そういえば、3階は私と宝錠さん、みかちゃん、輝烈統さんの部屋があるのですのね」

樹「各階には4つの部屋があって、1階は八夂ちゃん、音々ちゃん、伊瀬さん、密美津ちゃん、2階は蓮楼寺さん、入菊君、板是君、刻風…君、4階はズィヅさん、村田さん、墨尾さん、飛丸さん…だったよね、入菊君のメモを見た通りだと」

針「わわ、ざっと見ただけでよく全員覚えてましたね、すごいです!」

樹「え、そ、そそ、そうかな?」

うわああ、嬉しいな…超高校級のお方に褒められるだなんて…照れるなあ…まあ、そんなこと言ったら、「その程度で調子にのるなー」とか、宝錠さんに言われるんだろうけどね…。

宝「その程度で自惚れるなんてある意味可哀想な人ね」

わ、顔に出てた!?ていうか想像してたよりもっとキツいお言葉来たよ!?うう、もうちょっと優しい言葉かけてくれてもいいのになあ…どうしてこの人はこんな…ああ、やめやめ、また失礼な事考えちゃう。一般モブの私がすごい才能を持ってる人たちの中にいられるだけでもありがたいことなんだから、声をかけてもらえるだけでも感謝しないと…優しくて接しやすい、音々ちゃんのような人たちもいたから、その気持ちを忘れるところだった…
危ない危ない。

宝「何?めそめそ泣き始めて。その泣き声耳障りなのよ、うざい」

樹「さすがに酷いよおおおおおおお!!!」

宝「…あら」

逃げるように私は、部屋に入り勢いよく扉を閉めた。言葉の棘がまだ心臓に突き刺さっている。ううう、やっぱりこの人とやっていける自信ないってえええ…!

 

針「…言い過ぎじゃないですかっ、影羅ちゃんっ」

宝「出会ったばかりなのに気安く呼び捨てで呼ばないでよ、馴れ馴れしい…。」

針「うううっ」

宝「…で、言いたいことはそれだけ?ないのなら私も部屋に入って休みたいのだけど」

針「…い、いえ…」

宝「そ。じゃあね」

ガチャンッ。

針「……泣きませんよ、私っ。…あ、涙ってでるのでしょうか、私の場合…」

 


≪ノルンホテル前 ≫
あれから多分30分くらい経った後、私はなんとか精神メンタルを持ち直し、探索に復帰した。そうそう、私は落ち込みやすい性格だから、一度凹むと数十分は誰も近寄れないくらいくらーい顔をしていると、昔知り合いによく言われた覚えがある。

樹「うわ、ホテルの外、時計多いなー、しかも古っぽいアンティーク調の。にしても、飾るならこういう都会な場所ってデジタル時計の方が似合うと思うんだけど…」

『うるさいなー!クマのセンスにケチつけないでよもう!』

樹「ぎゃあああ!?でたああああ!?」

い、いつの間に背後に!?え!?え!?いつから!?

『もー、ボクを幽霊みたいにー…ひどいやあ、最近の若もんはー』

モノクマはお年寄りみたいなことを言い出して拗ねた顔をして地面を蹴っている。はあ、なにしにきたんだろう…あ、そうだ、聞けることは聞いてみるか。せっかく会ったんだし。

樹「ねえ、モノクマ…さん?」

こんなでも一応学園長らしいから、とりあえず『さん』付けで呼ぶことにした。

『ん?なあにー?ていうか、キミ、誰だっけー?』

もはや存在自体忘れられてたよ、あの時、屋上に集まってた時、いたじゃんか。あれ、そういやモノクマに無視されるのって2回目だよね。やっぱり印象というか特徴的なものがないから忘れられやすいってこと…?うう、自分で考えててなんだか虚しくなってきた。

樹「…樹力です」

もはや自己紹介する気力もない。脱力溢れるたった4文字の自己紹介だ。

『あー、そうそう、樹力サンね、いやあー、学園ゲームとかでどこにでもいそうな普通ー、のモブ顔してるから、特徴無さ過ぎて忘れてたよー』

サラッと言ったよ!!私が今悩んでることサラッと言ったよ!!もう!!もうちょっとオブラートに包んでくれてもいいのになあ!!…なんてことは言えず、歯ぎしりをたてながら、モノクマの嫌味たらしい言葉を、しばらく聞いていた。

『で、そんなモブ顔の樹力サンがボクに何の用?』

樹「あ…うん、もう突っ込まないよ…で、モノクマさん」

ここはいったいどこか、どうして私たちがコロシアイをしなければならないのか、そんなことを聞いても、どうせはぐらかされるのだろう。なら、それらとは関係ないことを聞いて、そこからボロを吐かせれば…!

樹「わ、私たちって、ずっとここにいなきゃいけないんだよね。」

『はぁー、そうだよー?何回言ったらわかるのー?ていうか、そういう質問、もう聞き飽きたんですけど。』

樹「す、すいません、聞きたいことはそこじゃなくて…その、食べ物とか、飲み物とか、そういうのはちゃんとあるんですか?」

『うぷぷぷぷ、あるに決まってるじゃん!最初っから全員揃いも揃って餓死になっちゃあ面白くないしね。ただし、ホテル内にはないけどねー。』

樹「…さ、最初から?…まさか飢え死にさせるようなこと、する気じゃ…!?」

『さあー、どうだろうねえ?うぷぷぷぷ!』

樹「ちょっ…!?」

は、早めに食料確保しておこう…!!

樹「…で、ホテル内にはないって、どういうことですか」

『あのねー、ホテル内に食べ物を置いちゃってたら、ホテルから出ようとしない引きこもりがでてきちゃうでしょ!学園長のそれなりの配慮です!』

樹「は、はぁ…引きこもり…んで、その食べ物はどこに?」

『うぷぷぷぷ!さあねー!自分で探してねー!』

樹「えっ…ちょっ、まっ!…うう、またどこか行っちゃった…」

…神出鬼没な人(じゃないけど)だなぁ……ん?待てよ、早く食料がある場所探さないと、本当に飢え死にするんじゃ…やば!急ごう!…あ、でも、走ったりすると体力使うから、歩いて探そう…。

…っていうか!結局聞きたい事聞けなかったしボロ吐かせられなかった!うう、まあ、わかってたよ…こんな一般モブが、そんな探偵じみたこと出来るはずないよねえ…。

ミステリー、推理ゲームとかよくやっていたけど、やっぱり人はゲームのように思い通りにいかないんだなあ…。かっこよく謎を暴く探偵さん、数々の難解の嘘を生み出す犯人さんには憧れるけれど、そういうストーリー性のあるゲームの登場人物は、ほとんどが架空の人物であって、現実にはいない、現実世界の人間のこうなったらいい、こうでありたかった、という理想空想からできるものであって、それらになるなんて、無理に近い程、遠くて儚いものなんだ。…って、なにを難しいこと考えてるんだろ。らしくないなあ。

 

 

 

≪ノルンシティ街路地 1番街 ≫

飛「待ちやがれ!!この虫女!!」

密「ねー、ママー、なにこの猿。うるさいからどっかいこーよー」

板「け、喧嘩しないで!二人とも落ち着いて!」

輝「ふっ…蝶と猿の喧嘩か…実に面白い。」

板「いや面白がってないで止めるのに協力してよ」

…道端でなにやら青いなにかで汚れた飛丸君と密美津ちゃんが揉めているようだ。どうしよう、声かけようかな…?

板「…!あ!」

声をかける前に、助けを求める視線を送っている板是君と目が合ってしまった。どうしよう、うまく仲裁?できるかな私…

板「樹力さん助けて!」

樹「え、いや、なにがあったの?」

板「じ、実は…」

飛「こいつが!こいつが!ゼリー食ってたんだっ!!」

密「なあにー?それくらいで。ぼくがなにを食べようと自由じゃん。別に、食べるものを規制されてるわけじゃないんだしさあー。」

樹「え、食べ物見つかったの…?」

輝「いや?密美津の場合、希望ヶ峰学園に来る前から、ずっと持っていたようだ。」

密「賞味期限はなんか知らないけど消されてたー。あのモノクマがいじったんだろうね。はーあ。ママを返してもらったからいいけどさーあ。あのクマ好きになれないやー。ぼくの荷物ちょこちょこいじっちゃってさーあ。ま、味は食べれる味になってるから問題ないけど。」

樹「え…元から密美津ちゃんのだったら、確かに、何を食べようと自由なんじゃ…。」

もしや、よっぽどお腹が空いていて、あまりに空腹で食べ物を見せつけられてることに腹を立てちゃったとか?飛丸さんならそういうことで怒りそ…

飛「はあ!?おめーなに言ってんだ!!こいつ昆虫ゼリー食ってたんだぞ!?!?」

樹「ええっ!?」

板「…ほら、密美津さんの手元、見てみて」

板是君の言う通り見てみると、『こんちゅうぜりー』と、ひらがなで書かれている、カブトムシの写真が描かれた袋にたくさんのカラフルな小さなゼリーが入っている。…ほ、本当に食べてたんだ。冗談かと思ってた。

飛「おかしいだろ!昆虫ゼリーって体に悪いんだぞ!!俺様のにいちゃんが言ってたんだからな!!」

密「それは人間さんが食べるとでしょー、ぼくは虫だからおねーちゃんおにーちゃんと違って、体に害はないもーん。あ、もしかして欲しいの?」

飛「いらねーよ!!」

密「じゃあもういいでしょ。」

飛「んだよこいつ生意気な!!」

な、生意気なのはどっちもどっちじゃ…いや、言わないでおこう。もっと険悪な雰囲気になる。

板「飛丸君は密美津さんを心配して、怒鳴っちゃったんだよね?」

なるほど…飛丸君、口は悪いけど優しいところあるんだなあ…。

飛「ああ!?だあれがこんなクソ生意気で汚くてブスな虫女なんか!!気持ち悪い!!」

…口の悪さの度合が高い気がするけど。…あれ、じゃあ、飛丸クンについてる青いよごれはなんだろう。さっき、屋上にいた時は、身体は汚れてなかったと思うんだけど…。

板「ちょ、そんな過剰に反応しなくてもいいじゃんか…さすがの僕も凹むよ…」

飛「フン、男なのにメソメソ泣いてだっせーの!!シャキッとしろよ!あーあー、なんかムカつく!村田んとこ行って遊んでこよーっと!」

密「…ぼくもかーえろっと。ねむいし」

樹「…あ」

2人はそれぞれ背中を向け、密美津ちゃんはホテルへ、飛丸君はホテルがない方向へ走り出し、ちょっとコケたけどすぐ起き上がり、私たちの前から姿を消した。

 

 

輝「…痴話喧嘩とはこういうものか!」

板・樹「いえ違います」

輝「おや、違ったか」

板「だいたい、痴話喧嘩っていうのは…あ、樹力さん、ごめんね、いきなり助け求めたあげく…」

樹「あ、ううん、大丈夫だよ!ていうか、私なにもできなかったから!」

輝「全くだ。」

樹「そ、そんなドストレートに言わなくてもよくない…!?」

輝「おっと、失礼。そういえば樹力、貴様はなにか見つかったか?」

板「僕と飛丸君、密美津さん、輝烈統さんは、このあたりを詳しく調べたんだけど、特にめぼしいものはなかったよ。そうそう、僕たちの周りにあるビルのほとんどは、飾り物みたいなんだ。」

樹「飾り物?」

板「うん。あそこに窓があるでしょ?」

板是君は首を上げ、窓を指さす。

板「あれ、絵なんだって。モノクマが言ってた」

樹「絵ーーーー!?」

輝「ふむ、少し寒くなってきたな。」

板「うん、僕も…」

樹「え…?あっ!いや、ちが、上手い事言ったつもりはっ!!」

板「あはは、樹力さんって面白いね。で、僕らも最初は鵜呑みにしたわけじゃないんだ。…飛丸君に頼んで調べてもらったんだけど…」


ーーーーーーーーーーーーーーー
輝「これが、絵だというのか?確かに、騙し絵という絵は存在するが…本物の窓に見えるぞ。」

板「でも、すごーーーく上にあるから、間近でみないとなんとも…」

『うぷぷぷぷ、あれはただの鉄の塊を本物のビルに見せてるだけだよー。なんなら、飛丸クンが調べてくればいいんじゃない?キミ、超高校級の登り屋なんでしょー?』

飛「はあ!?んで俺様が!やだぞ!ただでさえ腹減ってるってのに!やだね!たかがビルの窓ごときで!どうして俺様が動かなきゃいけないんだ!!」

輝「頼む飛丸。協力してくれないか。私はそういわれるとどうしても気になる体質でな…!!」

飛「はんっ!やーだねっ。絶対やだね!」

密「…あー、ぼくはどうでもいいからどうでもいいよー」

飛「どうしてもと言われても絶対やだね!!」

密「いや言ってないけど。お耳大丈夫?」

飛「あ!?」

輝「ふむ、参ったな…っ、気になる、どうしても気になる!!」

板「うわ、輝烈統さんが興奮しだした!」

『あれあれ?飛丸クンもしかして…落ちるのが怖いの?』

飛「は、はあ!?んなわけねーだろ!!こんくらい!いや、もっと高いところを、俺様は何度も登ってきたんだからな!!この程度朝飯前だ!!」

『もー、じゃあさっさと登っちゃえばいいじゃない。どんくさいなあ。朝飯前、なんでしょ?朝ごはん食べなくてもちょちょいっと登れるんだよねえ?』

飛「ぐっ…ぐぬう…!!」

『うぷぷ、無理はしなくていいよ?無理強いは好きじゃないからねえ。まあ、いいんだよ?たかがビルごときに体力使わなくてもさ!たかが!』

飛「~~~~ッ!!わーったよ!!いけばいいんだろ!!うっぜーな!!」

ー十分後ー

輝「…どうだったか、飛丸」

飛「…ん。ここらいったいのビル、全部じーーーっくり調べたんだからな、文句言うなよ!」

板「え、たった十分の間で!?すごいね!」

飛「だろ!おかげでこんなだぜ…」

板「うわ、体中ペンキまみれっ、絵っていうのは本当みたいだね」

輝「乾燥しているペンキや絵具も、ずっと触っていると身体に色がつくからな。」

飛「あーあ、疲れたぜー。ペンキまみれでムカつくけどよっ」

『どうおー?ちゃんと調べられたみたいだねー。』

輝「ああ。おかげさまでな」

飛「ふん!今日は素直に聞いてやったんだ!感謝しやがれ!!」

板「はいはい…」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

板「っていうことがありまして。」

樹「な、なるほど…」

じゃあ、さっきの飛丸君についてた青い汚れは、騙し絵をたくさん調べたからか…

よし、私も、さっきモノクマに聞いたことを、二人に話そう。


・・・・・・・・・・・・・・・

 

板「なるほどね、にしても、餓死かあ…怖いな…そうならないように、早めに確保した方がいいね。よし、探そうか!」

輝「…大方検討はついているがな。」

樹「ほ、本当に!?」

輝「ああ。実は、ルーチェカフェというものをつい先ほど通り過ぎたんだ。まだ私たちは入っていないがな。…まあ、それもお飾りかもしれんがな」

ルーチェカフェ…カフェ…喫茶店…ってことは、食料はある確率が高いかも。とりあえず、行ってみよう。お飾りだろうとなんだろうと、なにも行動しないよりマシだ。

樹「ありがとう!行ってみる!」

輝「了解した。ちなみに、場所は飛丸が向かった方向をそのまま真っすぐ行けばいい。看板があるからすぐわかるだろう。ではな。私たちは念のためまだここを調べる。では、頼んだぞ」

樹「わかった!ありがとう!」

 

 

 

 

 


≪ルーチェカフェ≫
輝烈統さんに言われた通り、飛丸さんの跡をつけ、なんとか辿り着けた。飛丸さんとは合流はしなかったけど。

このカフェ、外見は頑丈そうにできており、壁は黒く光沢がある。そして、屋根はレモン色で花のつぼみのような見た目で出来ている。

樹「よし、入ろうっ!」

扉を開ける。すると、チリリン、という小さい鈴の音が耳に入った。おお、なんともオシャレなカフェらしい…いや、待てよ。カフェって必ず鈴がついてあるんだろうか。どうだろう。そもそも、喫茶店とかよく行かないからな。私。

…まあいいや。ちゃんと扉は開けられたから、ここはお飾りではないようだ。

床は薄紫色の薔薇の柄が描かれており、中はオレンジ色のライトがついており、明るい。観葉植物が2,3個、端っこに置かれている。テーブルは4個、椅子は16個設置されている。きちんと全員分あるようだ。

あと、どうしてだか、ラップ調の音楽が聞こえる…何故だろう、と、あたりを確認すると、ジュークボックスまで設置されてあった。誰が音楽をつけたんだろう…いや、考えるまでもないな。

府「YO!YO!あいつもこいつもYO!YO!ライトで揚揚!明るいYO!!」

…音々ちゃんは、相も変わらず、ジュークボックス付近でラップを歌いながら楽しそうに踊っていた。踊りに夢中なせいか、こちらには気づいていないようだ。

村「あ、樹力さん…ここ、こんにちは…あれ、こんにちはでいいんだよね…時計は今15時を差してるから…」

入「Ok!(-ω-)/」

村「あ…よかった」

伊「時間なんざもうどうでもいいだろ。ここからでられないし。空も見えねーから関係ねえよ。」

村「そ、そんなこと言わずに!ここから出よ…うう、ずみません…」

伊「や、なんも言ってねえだろ…ったく、お前面倒くさいな」

村「す、すいませっ」

伊「あー、もういいよ。…ウジウジ野郎を相手にするの苦手だな…はあ。」

村「うう、やっぱり女の人って会話が難しい…」

音々ちゃんの他には、村田君、入菊君、伊瀬さんが席に座りながらお喋りしていた。あとズィヅさんもいるっちゃいるけれど、あの3人とは別のテーブルに、本を読みながら座っている。あ、ズィヅさんの隣に、色んな本が入ってる本棚がある。しかも、きちんとジャンル分けされている。

樹「あの、みんなはここでなにをしてるの?」

府「YO樹力!ティータイム!お茶会なうだZE!」

入「お茶会!('ω')」

伊「俺は成り行きで参加してる」

お茶会…確かに、3人が座っているテーブルには、美味しそうなクッキー、サイダーや麦茶等の飲み物が並べられている。密美津ちゃんみたいに最初から持ってきていたのだろうか。あるいは…

府「そういや樹力!大発見だYO!食料やキッチンが、このカフェに設置されていることがわかっTA!!イェア!!」

樹「おおお!!!大発見だよ!!!」

これで餓死にならなくて済むね!!今のところは!!

伊「わー、声でけえ。」

樹「あ、ご、ごめんなさいっ!!」

伊「…いや、謝らなくていいっての。ただ、あっちが舌打ちしてたから。」

伊瀬さんは、親指でズィヅさんを指さした。チラッと顔を見ると、あからさまに不機嫌そうな顔をしている。近くに行って謝る勇気は毛頭ないので、その場でペコペコと頭を下げながら小声で謝った。ズィヅさんは眼中になさそうに再び本を読み始めた。

府「しかも、食料は1週間ごとにドンドン追加されるらしいZE!モノクマが言ってTA!」

樹「モノクマさんが?あのクマさん、どれだけ色んな人に色んな情報を伝えてるんだろう。行動が早いなあ…」

村「え、ど、どういうことです?」

樹「実は…」

みんなに、今までの事を話した。ズィヅさんにも伝わるように、支障がないほど大きな声で。

府「ほうほう、聞いたことをまとめるTO、コンクリートの塊NEに食料KA!食料ってのHA、ここのことを言ってるに間違いはないZE!」

村「今まで通ってきた道にあった建物のほとんどが、かざりものですか…でも、僕はそんなに出歩かないし用があるとしたらここくらいしかないからあまり気にするようなことじゃな…あ、すいませっ、余計な事をっ!!」

樹「あ、いや、大丈夫ですっ!」

確かに、外にあまり出歩かない人にとってはあまり関係ない事だったかな…。それにしても、村田さん、ウジウジしている割にはズバズバ言うなぁ…。すぐ謝るけど。人は見かけによらないってこういうことを言うんだろう。

伊「…謝るくらいなら言わなきゃいいだろ。」

村「す、すいません、悪気があって言っていた訳じゃなくて、その、えっと、あの…」

伊「あ?」

村「うっ、うわぁぁぁぁぁ!!!」

伊「…あ…」

村田さんは、涙を流しながらカフェの外に出て行ってしまっていた。そういや、女性恐怖症なんだっけ…。あれ、じゃあ、なんで伊瀬さんと音々ちゃんがいるのに、お茶会を皆でしていたんだろう?

伊「…やっちゃったなー…」

入「次があるチャレンジチャレンジ('ω')ノ」

府「Yes!!」

樹「チャレンジ?」

府「ああ、ミーと伊瀬で、村田と仲良くなろうとこのカフェでお茶会を試みたのDA。もちろん、最初は頑なに嫌がっていたが、入菊が協力してくれTE、なんっとか、お茶会を開催できたんだGA…この通りDA。うーむ、今のは伊瀬が悪いNA」

伊「…悪かったって…」

府「謝るならちゃんと本人に謝らねBA!」

伊「…わかったって」

府「本当KA-?まあ、いいYA!樹力!ユーもお茶会、参加するかい?」

樹「うーん、私は…」

お茶会か…楽しそうだし、参加しようかな。あ、でも、どうせなら…

樹「ど、どうせなら、みんなでやった方がいいと思うんだ!」

こんな私が意見していいのかわからないけれど、とりあえず言ってみた。どうかな、余計なお世話だったかな…?

府「…!忘れてたZE!!みんなを誘うの!!」

樹「いや忘れてたんかい!!!」

伊「おー、キレのあるツッコミ」

入「さすが(^_-)-☆」

府「というわけで樹力、行ってこいYO☆」

樹「いや私が行くの!?しかも一人で!?」

府「だってー、このクッキー4人分しか用意してないSI。準備も大変なんだZO-?」

樹「ああ、そう…そういうことなら、まあ、仕方ない、かな?」

上手く丸め込まれた気がするけど、まあいいや…。言っても「そんなことないYO」とか言ってまたあしらわれるのが目に見えてるし…。

伊「でもいきなりあいつらに言うのもなんだしお茶会は明日にしねえ?」

入「そうだね('ω')村田君の事もあるからね('ω')」

府「っーわけで樹力!みんなに連絡YOROSIKU!!あ、ミーたちも見かけたら誘っとくから安心しろYO!」

樹「…りょうかーい…」

 

 

≪ノルンシティ街路地 1番街 ≫

適当にそこらへんをぶらついていると、なにやら巨大な白いシャッターが私の前にそびえたっていた。どうやらここから先は行き止まりらしい。

シャッターは頑丈で、トントンと叩いても微動だにしなかった。力強いパンチをしても逆にこっちの手が壊れてしまいそうなくらいだ。そして、周りにはシャッターを見上げている蓮楼寺さんと蓮楼寺さんを見ている八夂ちゃん、そして墨尾さんがいた。

墨「樹力殿!」

樹「あ…墨尾さん」

無邪気な笑顔で声をかけられる。どうしよう、八夂ちゃんみたいに墨をぶっかけられないか、不安だ。予備の服とかあったかな…!?

墨「な、何故怯えた目で拙者を見るのでござるか!?」

樹「いや、だって!墨ぶっかけられたら困るから…!!」

墨「うああああ!!その説は誠に申し訳ないでござるううううう!!!」

樹「ちょ、ちょっと待って!私に土下座されても困るんだけど…!」

墨「踏みつけてでも罵倒してもなにされてもいいから許して欲しいでござる!!なんでもするでござる!!」

樹「えええええ!!??そ、そんな!私ドSじゃないから人を傷つけて楽しむ性癖とか持ってないよ!?だいたい、謝る相手が違うんじゃないかな…。本人、そこにいるんだし、そっちに謝った方が…。」

一「ああ、私にはちゃんと謝ってくれたよ?でも、樹力ちゃんにも若干かかっちゃったからじゃないかなあ?」

そ、そういや少しかかったな…いや、でも、それに関しては怒ってはいないけど…ううん、どう答えたらいいんだろ…。と、困っていると、蓮楼寺さんが私の前にスッと遮った。

蓮「では、さっそくですがそこにあるシャッターを破壊していただけないでしょうか?」

墨「なぬっ!?」

蓮「なんでもするって言いましたよね?では、通行の邪魔になっているこのシャッターを破壊してください。お願いします。」

墨「ぶぇっ…!?む、無理でござるよ!!蓮楼寺殿の武器でも破壊できなかったのでござろう!?大して力もない拙者が…」

蓮「…なんでもしてくれるんじゃないんですか?」

墨「ぐっ、ぐぅぅ…!!…む、無理でござる…こればかりは…」

蓮「ふふ、『なんでもする』という言葉は、むやみに使わない方がよろしいですよ。今みたいに無茶なお願いをされたら、どうしようもないでしょう?」

墨「…そう、で、ござ、る、な…」

墨尾さんはだんだんと声が小さくなって、最後あたりは聞こえないくらいボソボソ声になっていた。対して、蓮楼寺さんは、キラキラと輝いている紳士的スマイルを微塵も崩さなかった。

一「はわわぁぁ…かっこいい…さすが蓮楼寺さん…」

樹「あ、あはは…ところで、3人は、その、なにをしていたの?」

蓮「見ての通り探索中です…が、このシャッターが僕たちを通行止めしていまして。こんなに力を入れて封鎖しているということは出口かなと思い、護身用の武器で破壊を試みたのですが。傷一つつかなくて。」

樹「…護身用の…武器…それって…まさか…!?」

蓮「ああ、ご安心を、確かに本物の拳銃やらナイフやら、僕は持っていますが、飽くまで護身用です。殺しには使いませんよ」

樹「!!っわ、わかってますわかってます!!」

危ない危ない、つい凶器になるものを持ってるんじゃと聞くところだった…もしこんなことを言ったら「疑われている」っていう気分になっちゃうし…あ、でも、私の今の反応も、「疑われている」と思わせてしまったかもしれない。

一「蓮楼寺さんは人殺しなんてそんなことしないよ!!私、信じてる!!」

樹「…八夂ちゃん…」

八夂ちゃんは、本当に蓮楼寺さんを信じてるんだな…。恋の力がそうさせているのだろうか。

蓮「はは、だからと言って凶器を持っている一番危ない僕を簡単に信じるのは、どうかと思いますがね、ふふ」

一「蓮楼寺さんー!!私のセリフを台無しにしないでください!!」

樹「あはは…」

そういえば、最初は八夂ちゃん、蓮楼寺さんとは顔真っ赤になりすぎていてまともに会話ができてなかったのに、今ではもうちゃんと顔を見て会話出来ている。そういえば、吊り橋効果というのを聞いたことがある。男女2人が互いに危機的状態に陥るとどういうわけかラブラブになるっていう。まあ、今はある意味危機的状態だから、もしかしたらその吊り橋効果がでたのかもしれない。

墨「樹力殿は?」

樹「ああ、えーっと」

私は、これまでのことを話した。ついでに、カフェのことやお茶会のことを。

一「お茶会かー!!楽しそう!!蓮楼寺さん、行きましょう!!?」

蓮「…うーん16人、全員ですか…そうですね、皆さんと交流を深めるのも悪くないですし構いませんよ。」

墨「勿論行かせてもらうでござる!!」

樹「おお、よかった!あとは板是君たちと、村田さん、それと…あ、刻風君だ」

一「…刻風君…」

樹「ん?どうしたの?」

一「いやね、私、入学する前から、軽くみんなのことは調べてるんだけどさ…刻風君って名前、聞いたことなくって。なんの肩書きを持ってるのかも、詳細もわからないし、謎だらけだなって」

墨「ミステリアスでござるな…」

蓮「……」

樹「そうなの!?八夂ちゃんや入菊君は詳しい事知ってるんだと思ってたよ」

一「うーん、入菊君は知ってるかもよ?生憎、私はごく普通の一般人だからさ、公になってる情報しか知らないし。」

樹「んー、じゃあ、また会った時に聞いてみようかな、刻風君本人は、声かけても反応してくれなさそうだし。じゃあ、そういうことで、ありがとう!」

一「うん!こっちこそお誘いありがとー!!」

こうして私は、お茶会のために、蓮楼寺さんたちがいるこの場を後にした。…今さっき、蓮楼寺さんが私をじっとみつめてたけどなにか話あったのかな…?でも、もう背中向けちゃったし…まあいいか、用があったら向こうから話しかけてきてくれるだろうし。

 

 

 

 

≪ノルンホテル 3階≫
樹「はー…」

深い深い、重苦しいため息をつく。断られようがなんだろうが、とりあえず全員に連絡しなきゃいけないんだよね…ってことは…うん。

ホウジョウ シャラというカタカタ表記された彼女のカードキーを見る。早くインターホン押さなきゃでも…

「は?そんなの行くわけないでしょ?」

ってセリフは必ず言うとして、更には毒を重ねに重ね、グサグサと心臓に突き刺さるセリフを言ってくるんだろうなと思うと…

宝「なに人の部屋の前で突っ立ってんのよ、ほんっと、あなた人の邪魔しかしないわね」

樹「ぎゃあああああ!?いたああああ!?!」

宝「…失礼ね。で、なによ」

樹「あ、あああ、ああ、あの、お茶会来ませんか!!」

宝「は?お茶会?」

樹「そう!!お茶会!!明日!!みんなで!!」

そう。伝えるだけ。伝えるだけだ。断られようがなんだろうが、伝えられたらそれでいいんだ!!!はーっはっはっは!!片言になっちゃってるけどやけくそじゃい!!!!

宝「いいけど。」

樹「へっ!?」

宝「…なに?その間抜けな声は」

樹「い、いや、断ると思ってたから、つい…」

宝「別に断る理由ないし。で、用はそれだけ?」

樹「…あ、はい。」

宝「あっそ、じゃあさっさとどいて。さっさとジュース飲んでゴロゴロしたいし」

樹「…あ」

手にスポーツドリンクが入ってるペットボトルを持っている。

樹「それ、どうしたの?喫茶店に行ったの?」

宝「自販機。1階にあったから」

樹「自販機なんてあったっけ…は、ああ!!うん!!あったね!!」

この子の前では知らないことも知ってるフリをしよう、そんなことも知らないの?なんて言われるし!

宝「…説明しておくと、自販機、小銭使わないから。ボタンを押すだけで飲み物手に入るから」

樹「そ、そこは喫茶店と同じような感じなんだねー!!」

うう、棒読みになってるよねこれ!!ううう、苦手なんだよ、表情を作って苦手な人と接するのは!!

宝「じゃ、私も一応、情報提供はしといたから。…そうそう、お茶会の件、他に誰かまだ誘ってない人、いるの?」

樹「ええと、ソウちゃんと、板是君と輝烈統さん、飛丸君…うーん、まだまだいるけど…」

宝「ロクに誘えてないじゃない。トロいわね」

樹「ぐっ」

宝「ま、いいわ。私だけなにもしてないのは癪だし、手伝ってあげる」

樹「…えっ?い、いいの?」

宝「聞こえなかったの?手伝ってあげるって言ってんのよ」

樹「…!!あ、ありがとう!!影羅ちゃん!!」

宝「気安く呼ぶな。」

樹「ご、ごめんなさい調子にのりました」

あまりに嬉しくて、つい名前で呼んじゃった…たはは…

宝「…はあ。そうそう、誘ったかどうかは知らないけれど、刻風なら、屋上へ行ったのを見たわよ。行ってみれば」

樹「…!う、うん!丁度探してたんだ!行ってみる!ありがとう!宝錠さん!」

宝「…さっさと消えなさい」

あんなに優しい宝錠さん、珍しいし外では大嵐でも起きそうとか思っちゃうけれど、、やっぱり、普段怖いと思っている人の優しい一面を見れるのは、不思議と嬉しさを感じる。少しは、仲良くなれたのかな。だとしたら、嬉しいな。

 


≪ノルンホテル 屋上≫


ここは、みんなと出会った場所。そして私の始まりの場所。そこには、言っていたとおり刻風君が一人、ただ一人ボーっと突っ立っていた。顔は痩せ細っているし、顔色もあまりよくは見えない。目も、生気を感じられない。まるで死体、ゾンビのようだ。

けれど、刻風君も同じ仲間…なんだし。大丈夫、宝錠さんまで誘えたんだ。怖くない怖くない!!

樹「と、刻風君!!」

刻「……?」

こちらに振り向いてくれた。けれど、返事はなかった。

樹「あ、あの、明日みんなでお茶会開くんだけども、くる、かな~?」

声が震えてしまっている。ああ、もう、ダメだ!相手に失礼なのはわかっているけれど、私コミュ障だしぃ…

刻「…」

刻風君はうなずきもせず、スッと私の横を通り過ぎていった。これって、お断りしますってことだよね。あはは…ま、まあ、ですよねー…わかってたよ…たはは…

刻「…誰」

樹「え」

…あれ、言ってなかったっけ、いや、もうさすがにみんな知ってるでしょって思ってたんだけど。あれれ…ま、まあいいか。

樹「…樹力 みかです。あ、樹力って呼んでください」

刻「…樹力さん?」

樹「う、うん」

刻「…わかった。そう呼ぶ…」

刻風君はエレベーターに乗る…と思いきや、エレベーターの横に寄りかかってまたボーッとし始めた。うっかり寝ないといいけど…ほら、校則に個室以外で寝ちゃダメーっていうのがあったし…

ううん、とりあえず、この場を去ろう。これ以上話しかけても、何も答えてくれなさそうだしね。そう思いながら、私は、エレベーターのスイッチを押した。その瞬間…

刻「…気を付けて」

樹「…え?」

刻「幸運には、気を付けて」

幸運…?それって、まさか、八夂ちゃんのこと!?

樹「それって、いったいどういうこと!?八夂ちゃんがいったい!?」

ガタンッ!

しまった、エレベーターの扉が閉まっちゃった。どうしよう、すぐに開け…!いや、八夂ちゃんに会いに、彼の言葉がどういうことか、確かめよう…。

……胸の奥がざわつく。なにか、そう、嫌な予感がしたんだ。あの言葉のせいで。気になるけど、向こうは答える気がないようだ…。仕方ない。早く、八夂ちゃんを探そう!!

≪1階デス≫

エレベータの電子ボイスが鳴り響く。そして扉が開く。そして私は、駆け出しながら出る。すると、ゴツン、という頭と頭がぶつかるような音がした。

一「いたたたたた、なな、なに!?」

樹「…!!八夂ちゃん!!」

一「き、樹力ちゃん…どうしたの?そんなに焦って…」

樹「…実は、その」

……いや、待てよ、いきなり刻風君が幸運には気を付けろ八夂ちゃんには気を付けろ…って言ってた、なんて言ったら、どんな反応をする?少なくとも、疑われてるって嫌な思いをするはず…いやだからといって、ここで嘘つくのも…。

一「…ねえ」

樹「はっ!!」

一「…どうしたの?一体全体」

樹「…う、ううんっ!!いや、なんでもないよ!!」

一「…そ、そう。」

…誤魔化してしまった。仕方ない。こうしちゃった以上、しばらくは八夂に人一倍気を回していよう。刻風君の言葉を真に受けたわけではないけれど、やっぱり不安だし。

一「そういえば、樹力ちゃんもさっさと喫茶店寄って夜ご飯とってくれば?時計をみるかぎり、夜は近いし」

樹「…あ、そうだね」

空は見えないけど、時間見える。時計はは5時あたりを差している。

樹「あ、あのー、八夂ちゃんも一緒に来てくれないかな?そのー、一緒に行く方が楽しいし!!」

一「えー、また行くハメになるのか…まあ、いいよー、友達と一緒に行くのは確かに楽しいしー、まだ蓮楼寺さんたちはそこにいるしっ!!」

樹「だ、だよだよ!ほら!行こう!」

一「わ、樹力ちゃん腕引っ張らないで!!って、もう!なんなのー!?」

私は八夂ちゃんの腕を強引に引っ張り、そそくさにホテルから出た。少し強引になってしまったけれど、あの言葉を鵜呑みにしたわけじゃないけど、放っておいたら、大変なことになるかもしれないというという胸騒ぎが私の中で起こっているのだ。

 

チク、タク、私の足より遅いリズムで、時計が進む音が聞こえる。まるで、カウントダウンをしているようだ。私の中の、嫌な予感が的中するための。…なんてね。でも、この時計の音は、針が進むたびに不安や焦りを増長させるようだ。特に、今みたいな時は。

 

ダンガンロンパR Despair city  番外編

息抜きに作った番外編です!ショートストーリー数話作ったのでよければみてください!心理テストが多いのでよければ皆さまも是非やってくださいね!本編と深い関りはそんなにないかと思われます!

 

 

 


≪府楽 音々の延々語り≫

YO!YO!全国のガール&ボーイ元気にしてるかい?ミーの名前は府楽音々!どうとでも呼んでくれたまえYO!ラップとダンシングをこよなく愛するハイテンションガールだZEっ☆!!

どうでもいいけど、ミーはこうみえて読書好きでNA…。嘘DA!漫画と音楽雑誌しか読まないYO!音楽に関係ないながーい文章とか、読んでいるだけで頭が痛くなるNA!そんなことよりミーは踊ったりはっちゃけたりしてるZE!!

そうそう、ダンスはたくさんのカロリー消費するから、太ってることにお悩みのガールズたちにはうってつけだYO!ん?動くのが面倒くさい?疲れる?NO!NO!そんなんじゃスリムになるには程遠いZE!

いいKA?簡単に、あっという間に痩せられる、モデルみたくなれるサプリなんていうのがあるがNA、それは詐欺か、あるいは効果がでてMO、いずれ体に非常無常の害を及ぼすのだYO!それを考えると、しっかり運動して筋肉つけて痩せる方が、パーフェクトでクールだとミーは思う!

まあ、こんな文章を書いてる作者も、面倒くさがりで運動嫌いだかRA、「お前が言うな」になるんだけどNA…。あ!NO、NO!ミーはちゃあーーーんと、毎日ダンシングしてるZE?誤解しないでくれYO?実はこうやってペラペラと喋ってる間も、ミーはダンスを欠かしてないんだZE!ふっふふー♪

ん?ずっと踊っていて疲れないかだって?NO!NO!ミーは超高校級のラッパーYO!そんなことで疲れていたら肩書だけの噛ませ犬だYO!あ、でも、安心しろYO!ご飯を食べてるときはちゃーんと、座って、おとなーしく食べてるからNA!へ?それが当たり前だっTE?oh…sorry…

そういや、みんなは食べ物、なにが好きKA?ミーはな、パチパチキャンディが好きでNA、あの踊ってるように弾けるキャンディがcoolに見えてミーは好きだ!けど、あれってなんで弾けるんだろうNA?わからんNA…。輝烈統に聞いたら、

輝「飴が踊ってなにが悪い?貴様も常に踊っているだろう。貴様がそれを問うということは、飴が踊ってはいけないという意見を述べているのと同じ」

っていう意味不明な回答されてNA-、よくわからなかったからモンキーと墨尾に聞いたんだYO、したらNA?

門「わ○パチ食いたい!!」

墨「わ○パチ?なんだそれは?拙者、食うたことがないぞ」

門「はあ!?あのお菓子を知らないなんて人生損してるぜ!よし!ここ(ノルンシティ)にあるかどうか、探しに行くから着いてこい!墨!」

墨「ああ!待つでござる!!拙者は墨尾克己でござるうう!」

という、なんだか楽しそうに会話して、ミーを無視して去っていったzo…うう、ミーもわ○パチ食べたいのに!!一緒に誘ってくれてもいいじゃないKA!!!

続けて、頭が良さそうな蓮楼寺に聞いてみたんだYO、したらNA?

蓮「ああ、パチパチキャンディは、キャンディに高圧の炭酸ガスを封入したものでして、唾液中の水分に反応して弾ける音がなるんですよ。あはは、手作りで作るとなるとめんどくさそうなキャンディですよね。そもそも作る人いるんでしょうかね?」

という微妙なフラグを建てていったZE…。つうか、最初から蓮楼寺に聞けばよかった…。

そういうわけで、今からミーはパチキャンの手作りに挑戦するんだZE!!みんな、応援してくれよNA!!

樹「今から作るの!?てか今までのながったらしいくだりはなんだったの!?」

府「YO!樹力!いきなり今からパチキャン作るZEなんつったら、すぐこの話終わっちまうだRO?そんなのつまんないだRO!ミーは話の構成より面白さを追求する!!」

樹「どっちも大切なことだからね!?」

府「まあまあ、見ててくれYO、パチキャンは作るのが非常に難しいとされているGA、そんなの関係NO!NO!ミーが簡単に作ることができた第一者になる!!!」

樹「その簡単に作れる自信はどこからでてくるの…!?」

府「はーっはっはっはっ!!ミーは不可能を可能にするトレンジャーガールさ!!」

樹「それを言うならチャレンジャーじゃ?」

府「いいNOいいNO!トレンジャーの方がなんかかっこいい!!さ、早く作るからどっかいってくれYO!」

樹「わ、わかったけど、料理できるの?音々ちゃん…」

府「単刀直入に言おう!無理!!」

樹「できないんかあああああいっ!!」

宝「…なに漫才やってるのよ、大して面白くもないしうるさいんだけど。そんなことより、そこにいるなら上の棚にある紅茶の葉とってくれない?」

樹「え、あ、紅茶…?わかった。ぐぬぬぬぬ…届かない…。あ、とれt…いてっ!うう、頭になんか落ちてきた…」

宝「そうそう、これよ。これが飲みたかったの。じゃあね、礼は言っておくわ」

樹「う、うう、やっぱあの人こわぁ…」

府「…ははっ」

樹「へ?どしたの?」

府「なんでもないZE!さて!今からミーはビーフストロガノフを作るZE!」

樹「あれ!?パチパチキャンディは!?」

 

 

≪心理テスト1≫

板「今からここにいるみんなで、心理テストをしよう!直感で答えてね!」

入「('ω')ノハーイ」

門「キキッ!」

蓮「なにやら楽しそうですね」

ズ「…んで俺まで」

密「わー!たのしそー!人間のおにいちゃん、はーやく!」

輝「ふふふふ…心理テストか、初めてだが、まあ、悪くない。ふふふふ…」

板「まず、あなたは、友達3人とカラオケに行きました。まず、あなたがとる行動はどれになりそうですか?カラオケに行ったことがないという人も、想像で答えてください。
A 真っ先に歌う
B 友達と相談してデュエット
C ほかの友達にリクエストをする
D 飲み物、食べ物をオーダーする
E じっくり歌いたい曲を選ぶ
F 「カラオケ苦手だから」と言って、みんなの曲を聴く

ちなみに、僕はCかなー、真っ先に歌っちゃうのは気が引けるというか。」

門「おめーは答えしってんの?」

板「ううん、僕も一緒にやりたいからね。まだ見てないよ。」

蓮「うーん、僕、行ったことないからなあ…そうだな…まず、Dですかね。歌を歌うのって体力使いますから、飲み物等があったほうがいいでしょう。脱水症状対策です!」

輝「ふむ、そういう考えはさすが自衛隊というべきか。ふむ、そうだな、私は…Eだな。基本、私はなにかを選ぶ時には、じっくりと考える性分でな。先月あたり、私はコンビニの揚げ物で唐揚げ棒を買うかチキンスティックを買うかで、2時間くらいそこで留まっていた。」

板「ず、随分と長い間いたんだね…」

輝「ああ、カロリーや料金をふまえた上で、どれにするか本当に迷っていてな。ちなみに、チキンスティックは150円、カロリーは242kcal、唐揚げ棒は153円、カロリーは239kcal…くっ、この微妙な差が迷いを生むのだ…!!」

密「あー、はいはい。おねーちゃんの話にきょーみないからこれ以上は割愛ねー。か、つ、あ、い」

輝「ふっ…すまんな。ところで、密美津はどうだ?」

密「へー?ぼく?カラオケってなんだか知らないけど、じゃあ適当にAで。」

板「て、適当って…」

密「全く知らないものをどうやって想像しろっていうのー?ぼくわかんなーい!ぼくはママとパパとオトモダチがいればそれでいーんだもーん!」

板「は、はあ…」

門「はいはーい!!俺様もA!!先手必勝だぜ!!」

入「先手必勝?('ω')?」

門「一番真っ先に歌ったやつのほうがいい得点とりやすい気がする!!」

ズ「…んなわけねーだろ。歌唱力の問題だろうが」

門「う、うるせえ!!そういうてめーは!!」

ズ「歌うのだるいからFで」

門「ズバッと言いやがった…!!」

入「俺もFかなこんな口調だから歌うの本当に苦手でさ」

板「なるほど…」

輝「板是、結果は?」

板「ちょっと待ってねー、…ふむふむ、こんな感じだよ!このテストで、あなたの協調度がわかります。

A.無意識に周囲の容認を求める自己解放型。
協調度は低めですが周囲をグイグイ引っ張っていくリーダーとしての素質アリ。
ただ、少し独りよがりの判断に傾きがち。周囲を確認しないと浮いた存在に陥る事も。

B.協調度が豊かなつきあいのいいタイプ。
自分から積極的に集団の活動を盛り上げます。リーダー的な素質も十分アリ。
ただ、周囲に自分の都合を押し付けたり
責任を誰かに押し付けたりといった独善的行動に陥る場面もありそう。

C.Bと同様に協調度に富み、周囲をよく観察して他人の才能を
引き出そうとするリーダーの素質アリ。自分の判断に自信を持ちすぎて
押し付けがましい印象を周囲に与えたりしないように。

D.みんなにサービスする立場を真っ先に選ぶ、世話人型、苦労人のタイプ。
協調度は中くらい。周囲からは一目置かれる存在ですが、
自分から周囲に心を開くことが苦手で、孤独感に悩む事もあるかも。

E.人とつきあうことが嫌いという訳ではないけど、自分から
友達の輪の中に飛び込むことには消極的なマイペース人間。協調度は低いほう。

F.自分の殻に閉じこもりがちで、協調度が低い引っ込み思案タイプ。
不平不満ばかりを周囲にぶつけ、場の空気をシラけさせがちな事も。

周囲をよく観察して他人の才能を引き出そうとするリーダーの素質アリ、かあ。なんだか嬉しいなあ、えへへ」

門「こーんなヘナヘナしたやつがリーダー?ないないwww」

入「でも実際向いてるんじゃないかな中学で板是君卓球部の部長だったんでしょ?」

板「うーん、そうだけど、部長といっても特に変わったことはしてないからね。みんなをまとめたり引っ張ったり、そんな大層なこと、僕に向いてないって思ってたから…あ、過去形になってるけど、今もそう思ってるから」

蓮「では何故、そんなあなたが部長を?」

板「…3年生の人数不足。」

輝「…そうか、それは仕方がないな」

板「あはは…」

蓮「…『みんなにサービスする立場を真っ先に選ぶ、世話人型、苦労人のタイプ。 協調度は中くらい。周囲からは一目置かれる存在ですが、 自分から周囲に心を開くことが苦手で、孤独感に悩む事もあるかも。 』か。あってるのでしょうか?自分の事はよくわかりません。」

板「これは本当にそうだと思うよ、一谷さんにも初対面なのに世話焼いてたし、Dを選んだ理由も、みんなをサービスするっていう点では、あってると思う。」

蓮「あはは、それはやっぱり職業柄でしょうかね。でも、 協調度は中くらい、か…自分では高い方だと思ってたのにな。」

門「へへーん!!やーっぱ、リーダーは俺様が向いてるってことだ!!みんなをグイグイ引っ張ってるんだろ!!Aって!!」

密「こんな猿と一緒だなんて…サイアク」

門「ああ!?」

密「はー、リーダーねえ。ぼくは虫のリーダーになら向いてると思うよー、ねー、ゴロンちゃん!」

門「こいつうううううっ!!無視しやがって!」

密「あははははー!!」

板「…う、うーん、門起君はともかく、密美津ちゃんは協調性あまりないよね…こんなだし。」

輝「だな。協調性がないというえば、そこの男子2人もそうだな。」

入「Σ(´;ω;`)引っ込み思案…不平不満…?」

ズ「…どうでもいい。そもそもお前たちとつるむ気は毛頭ないから。」

蓮「やれやれ…番外編だからいいものの、本編ではほんの少しでも協調性を持ってくれないと僕たちが困りますから、そこを何とかしていただけないでしょうか?」

ズ「知るかよ」

蓮「おやまあ…心理テストのとおり、不平不満ばかりを周囲にぶつけ、場の空気をシラけさせがち。まさにあなたに相応しいと思います」

ズ「…はいはい」

入「(´;ω;`)…」

板「い、入菊君泣かないで!これは飽くまで心理テストで、その通りってわけじゃないから!ね?」

入「(´;ω;`)ウン…」

輝「…私は、『人とつきあうことが嫌いという訳ではないけど、自分から 友達の輪の中に飛び込むことには消極的なマイペース人間。協調度は低いほう』ふむ、私はこれでも自分を積極的な人間だと思っていたのだがな。」

門「どうでもいい質問を躊躇せずいきなり聞いてくるからなお前」

輝「どうでもいいとはなんだ?」

門「え」

板「あ、始まりそう…輝烈統さんの哲学タイム」

輝「なにが、なにに対してどうでもいいと考える?そもそもどうでもいいとはどうなってもいいの略語であるとすると興味ない、無関心となりでは無関心とはなんだ興味がないという意味なら」

ズ「…なにを言っているんだこいつは」

蓮「まあ、あまり気にしない方がいいかと。では、ここでお開きにしましょうか。次は違うメンバーで心理テストを行うのでよければそちらもご覧くださいねー。それではー」

板「あ!!ちょ!ボクが閉めようと思ってたのに!!」

 

 

≪心理テスト2
一「はい!というわけで!やっていこー!司会は私、一谷だよ!!」

針「わー!!」

墨「わーー!!」

村「わ、わぁーーー!!(なんでこのメンバーなんだろう、僕に対するいじめ…?)」

一「あー、蓮楼寺さんいないのかー。残念だああ。まあ、ちゃっちゃとやってこ!」

針「恋に忠実な八夂ちゃん、素敵ですっ」

一「え、えへへ~///」

墨「なら、拙者が呼んでくるか?」

一「うー、いーよいーよ、さすがに何度もワイワイやってちゃ疲れちゃうだろうからさ。さあ、だすよ!!」

針「わくてかっです!」

一「【問題】
ある日あなたが縁日に行くと、目の前に100円玉を握りしめた男の子がいました。
その子は、そのお金で何をしようか迷っていましたが、ようやく心を決めたようです。

さて、その子がそのお金でしたこととは何だったでしょう?
次の中から選んで下さい。

■射的

■くじ引き

金魚すくい

墨「男は黙って、射的でござるよ!!」

村「く、くじ引きじゃ、ないかな…なんとなく、だけど。」

針「金魚さん可愛いです!だから金魚で!」

一「なるほどねえ。」

針「八夂ちゃんは?」

一「うーん、くじ引きかな!私の能力的に!」

村「あ、あの、一谷さんが100円玉使うわけじゃな…あ、いえ、なんでもないですごめんなさい」

一「ではでは結果発表!なんだかあっさり終わっちゃいそうだね」

墨「先ほどの心理テスト1のあの長さは人数が多かったせいでござるよ」

一「4人だもんねー、で、結果はこちら!

【回答】

「射的」を選んだ人の隠れた本性は「感情的」
ここでの子どもは実はあなた自身の素直な気持ちの象徴で
その子が何を選んだかで、日頃あなたが隠している本来のあなたの姿がわかります。
「射的」のように鉄砲で的を撃つという行為には、非日常的なスリルと快感が秘められていて
日頃のうっぷんやストレスを発散する場を求めているようです。
本来のあなたは感性が豊かだったり、喜怒哀楽がある方だったりするのに
普段はそれをあまり表に出さず、感情的なところを抑えているのではないでしょうか?

 

「くじ引き」を選んだ人の隠れた本性は「理性的」
ここでの子どもは実はあなた自身の素直な気持ちの象徴で
その子が何を選んだかで、日頃あなたが隠している本来のあなたの姿がわかります。
「くじ引き」のように「当たれば大きいけれど、はずれてもそれ程痛くはないモノ」を選んだ人は
一見派手なことや大きな話が好きなようですが、意外と冷静だったり、手堅いところがあったりしそう。
夢や理想を語るのは好きだけど、実際にはあまり危険な賭けや冒険に手を出すことがないといったタイプです。


金魚すくい」を選んだ人の本性は「動物的」
ここでの子どもは実はあなた自身の素直な気持ちの象徴で、その子が何を選んだかで
日頃あなたが隠している本来のあなたの姿がわかります。
金魚すくい」で金魚を追いかける男の子の姿は
実はあなたが異性に興味津々なことを表しています。
知らない人の前ではおとなしそうにしているけど、実はエッチな話が好きだったり
恋人とふたりきりの時は結構大胆になったりしそうです。」

針「ええええええええええっ」

一「ソウちゃん!!そうなの!?!?!?」

墨「寒いでござる」

針「違いますっ、そんな、えええええっ、ご、誤解ですですっ!私は、そんな」

一「あははは、わかってるわかってる!ソウちゃんそんなタイプじゃなさそうだもん!誰かが言ってたけど、これは飽くまで心理テストだから、気にしない気にしない!」

針「…ボソボソ」

一「ん?なんか言った?」

針「い、いえっ!!」

一「…?ま、いっか。んーと、私と村田君は…「理性的」ね。んー、私は一応幸運だけど、危ない賭けにでるなんてことはしないよー、ギャンブルとかさ。」

村「ぼ、僕も…そこらへんにあるくじ引きなら、はずれても、ショックはそんなにないかなあ。あたったら、そりゃあ嬉しいけれどさ」

一「だよね!私も私も!」

村「は、はいい…あの、あまり近寄らないでくださ…」

一「ん?何か言った?」

村「あう…なんでもないです…」

墨「なるほど…そなたたちは俗にいう、慎重派なのでござるな!!」

一「慎重派っていうのかなー、これ。墨尾さんは「感情的」。『日頃のうっぷんやストレスを発散する場を求めているようです。本来のあなたは感性が豊かだったり、喜怒哀楽がある方だったりするのに普段はそれをあまり表に出さず、感情的なところを抑えている』
だよね。でも、墨尾さん喜怒哀楽、表にでまくってる気がするけど。」

針「初対面の時、すごく笑ってました!」

墨「ふふふふ、拙者は忍者と侍の末裔よ…あの程度の笑顔、いつでもできるでござる!ポーカースライスというやつだのう!!」

村「ポーカーフェイス…です。あと忍者は必要時以外に自分で自分を忍者と名乗ってはいけないかと思われ…あ、いえ、なんでもないですごめんなさい…」

 


≪心理テスト3≫
府「チャケラ!!心理テスト!!やってくZEベイベー!!!」

樹「や、やってこう!」

伊「…ふぁぁ」

宝「さっさとやって」

刻「…」

府「いえあ!じゃあいくZO!あ、長文注意だZE!

大富豪の金田万太郎氏(68歳)が自宅で何者かに殺されました。
貴方は刑事として早速現場に急行しました。
この大富豪はものすごいケチで女グセも悪く 家族からも憎まれていたようです。
捜査の結果五人の容疑者が浮かびました。
それぞれの証言を聞いて一番怪しいのは誰ですか?

直感で答えて下さい。

(1)万太郎氏の妻(62歳)
「私はあの人の妻ですよ。あの人を愛していたんです。殺す理由がありません。」
(2)万太郎氏の婿養子(48歳)
「私じゃありませんよ!そ、そりゃ私が借金で困ってるのは事実ですが」
(3)万太郎氏のおめかけさんの娘であり同時に金田家の家政婦(24歳)
「確かに私の母は父を恨みながら死んでいきました。でも犯人は私じゃありません。」
(4)万太郎氏の次男(30歳)
「父は皆さんもおわかりの通り、殺されても仕方ない男です。でもおあいにくさま。私はその時間、隣町にいましてね。証人もいますよ!」
(5)金田家の座敷牢にいた男
「この家は狂ってる!みんな死ねばいいんだ!ウヒヒ、ワハハハハハ」 」

樹「みんな怪しいよ!?」

宝「…」

府「ふふふ、だがしかし!この中から1人、選ばないといけない、それが定め!デスティニー!!」

樹「ええぇー、うーん…2じゃないかなあ…借金っていう動機があるし。」

宝「…馬鹿ね、あからさまな動機をあえて表にだすやつは、決まって犯人じゃないのがお決まりなのよ」

樹「そうなの?じゃあ、宝錠さんはどう思うの?」

宝「4と1が怪しいと思うわ。けど、どちらか一つとするならば…4かしらね。」

樹「ええ!?なんで!?4は証人いるんだよ!?」

宝「偽造のアリバイを作ることは、頭を使えば誰にだってできることよ。それに、その証人というのは共犯者か、あるいは偽造アリバイ作りに利用された可哀想な人間という場合がある。そういう事を考えると、やっぱり4が怪しいわ。1も怪しいけどね。浮気や不倫関係で旦那を恨みに恨んでもう耐えられなくて殺害したという恐れも…」

樹「う、うう、頭がパンクしそう…」

宝「こんなことで頭パンクするなんて、脳みそないのねあんた」

樹「ううううっ!」

府「そんなに深く考えてるなんTE、宝錠、もしかして楽しんでRU?」

宝「…ま、そうね。ミステリーはよく読む方だから。」

府「おおっ!意外DA!『べ、別にそんなんじゃないんだからね!』とか言うのかと思ったZE!」

宝「それ、典型的なツンデレがよく言う言葉でしょ。馬鹿ね、私はそもそもツンデレじゃないわ。思ったことは素直に正直に言うもの。ツンデレっていうのは素直になれないから自分の本音を隠してあんなセリフを言って誤魔化すんでしょ、私はそんなまどろっこしいことしないわよ。…もし、この発言自体をツンデレと捉えるというのなら、勘違い乙と嘲笑してあげるわ。心の中で。」

府「…毒舌もほどほどにNAー」

樹「あ、あはは…さすが宝錠さん…」

伊「…んーと、じゃあ、1で。宝錠がああいう風に言ってると、なんだか怪しく見えてきた。」

府「女の嫉妬と執念は恐ろしいものだからNA…まあ、ここにいるみんな、1人除いて女子だがNA!!」

刻「…」

樹「伊瀬さんと音々ちゃんは嫉妬とかしなさそうだよね」

府「ふふふ、どうだかNA、ミーは恋をしたことがないからNA…もしかしたら…?」

樹「えっ!?」

府「HAHAHA!ジョークさ!そんな驚くなっTE!!」

樹「音々ちゃん時々怖いって…」

伊「俺も知らないけど嫉妬はしねーかも。」

府「そうそう、後先の未来なんてわからないもんYO!ちなみに、ミーは5だと思う!見るからに怪しいZE!!チェケラ!」

宝「…犯人の確立低いと思うけど。そもそも5の人間は閉じ込められていて、殺人はほぼ不可能よ。そして狂ったようなあの言葉は犯人を訴えているメッセージだと私は思ったのだけれど。」

府「ミステリー小説の見過ぎだZE宝錠!深く考えすぎかもしれないZE?閉じ込められていたとするならBA、それに対する怒りが抑えられず、うっかり殺したという場合もなくはない!おっと!閉じ込められていたという言い訳はナッシング!『金田家の座敷牢にいた男』、よく注目してみRO!過去形になってるだRO!突然現れた刑事に無理やり出された場合もあるかもしれんGA、一度は座敷牢から出たことは確定している!!」

宝「…ふうん。驚いたわ。頭空っぽそうに見えて、ちゃんと考えてるのね。どこかの脳みそなしとは大違いね」

府「NO、NO!宝錠が言いそうなことを真似しただけSA!それに、この程度の考察、ユーはもう考えてあっただろう?」

宝「…さあ?どうかしらね。」

樹「…あのー、これ飽くまで心理テストだから、議論しなくていいんだけど…ていうか、本編でやってほしいかな、それ」

府「あはは、sorry!さて、最後は刻風か!どうDA?」

刻「…3。」

府「Oh!見事にみんな別れたNA!!」

樹「り、理由とかある?」

刻「……」

樹「ス、スルーかあ…」

宝「ま、いいわ。さっさと答えをだしなさい」

府「了解!!じゃん!

1)万太郎氏の妻(62歳)
の方は人間関係に疲れていそうです。
長く連れ添った夫婦は人間関係を表してます。
それも未だに愛してるという妻の言葉は異常なほどネットリした愛情です。
貴方はそんなベタベタした人間関係に疲れているようですね。
それとも今の彼氏、彼女や夫、妻などにウンザリしてそうです。

(2)万太郎氏の婿養子(48歳)
の方は我慢に耐えられないようですね
養子縁組は義務が付きまといます。 それは学校の勉強であり会社での仕事など 我慢をすることに疲れたようです。
これを選んだ貴方はもう少し我慢が必要かも・・・

(3)万太郎氏のおめかけさんの娘であり同時に金田家の家政婦(24歳)
の方は愛情に疲れているようです。
めかけの子は立場上愛に飢えることが多いのですが 貴方はそんな愛を負担に感じているようです。
考え方によっては幸せなんだと考えるのも得策ですよ

(4)万太郎氏の次男(30歳)
の方はぶっちゃけてネジが飛んでいる人が多いようです。
正統な子供であり理路整然と筋道の通る話をしていることは 世間の道徳や倫理観の暗示です。
貴方はそんな社会的道徳、倫理観が重荷だと思ってるようです。

(5)金田家の座敷牢にいた男
の方は自分自身に疲れているようです。
とても奇異で異常な存在そんな存在を感じそれを鬱陶しく思っているようです。
その為か冷静沈着な人間になりたいと願っているようです。」

伊「…まじ?」

府「…!?ミーが冷静沈着に!?ありえない!NONO!!ミーははっちゃけぶっちゃけハイテンションガールYO!?」

樹「つ、疲れるほどの事をしてないけども…私…。」

宝「頭空っぽだものね」

樹「ううっ」

刻「…愛情…」

樹「ん?どうしたの?」

刻「…」(そっぽむく

樹「あ、あうう…」

伊「…へこむな。…俺は、そうだな。あんまりあってないな。そもそも、昔からそんなに人と関わってないから。仕事で忙しいし」

府「どっちかっつーと、2番のほうが、伊瀬にはあってる気がするZE」

伊「…かもな」

宝「…ところで、ネジが飛んでるってなによ。屈辱的なんだけど」

樹「そ、そりゃあ、ただの心理テストにガチめに議論始めちゃうところとか…」

宝「なにか、言ったかしら?」

樹「なんでもないですごめんなさいorz」

府「まあまあ、楽しかったしいいではないKA!ではでは!ここまでみてくださった皆様!Thank you!」

樹「ありがとうございました!」

 

 

ダンガンロンパR Despair city  ≪序章-3≫

※※これからはわかりやすいようにセリフに生徒には名前つけておきます!(例 樹力→樹「」)

『うぷぷぷぷぷ!』

煙が晴れて笑いながら、ぽよよーん、と間抜けな効果音と共に現れたのは、二足歩行の白と黒の可愛いデザインのクマだった。

『ぶひゃひゃひゃ!オマエラ!おはようございます!』

入「ヾ(^∇^)オハヨー♪」

樹「なに普通に挨拶してるの入菊君!?」

何も驚きもせずに平然と挨拶している入菊君にツッコミを入れる。それと同時に板是君までノリに乗ったかのように挨拶する。

密「ママ、なにあの変な生き物…人間でもないし、動物図鑑にも載ってないし…。」

『コラー!変な生き物とはなんだ!ボクはモノクマ!オマエラのだーいすきな希望ヶ峰学園の、学園長なのだーっ!!』

密「わっ、びっくりした。ねえ、怖いよう、ママー。」

『もー!!ママママうるさいな!そんなにうだうだ言う子は、取り上げるぞー!!』

密「ちょっと…!?ママとパパを返して!!」

モノクマと名乗るクマらしきものは、密美津さんと一緒に話していた虫かごをあっという間に奪う。密美津さんはわんわんと泣き出していた。

『もー、最近の子供はしょうがないなあ。話が終わったら返してあげるからー。』

密「ぐっ…ひっく」

密美津さんは泣き出したまま泣くのを辞めない。ど、どうしよう…

宝「で?話ってなに。さっさと終わらせなさい。ここはどこ?あんたは一体何者?あんたみたいなのが学園長だなんてありえないわ。さっさと答えなさいこのノロマ」

空気を変えるように冷たい口調で宝錠さんが言葉の棘を刺す。の、ノロマって…初めて会った人に…いや、人ではないな。クマらしきものにためらいもなく悪口言うなんて、やっぱり、ある意味さすがだなあと思う。

 

 

 

『うぷぷ、罵倒された上に質問多いなあ。そう急かさないでよね、せっかちだなあ。えー、希望ヶ峰学園の入学生の皆さん、ようこそ!ノルンシティへ!!オマエラにはここで永久的にここで暮らしてもらいまーす!!』

樹「…えっ?」

ちょ、ちょっと待って。最初からツッコミ所がありすぎるよ!?ノルンシティってなに!?しかも、永久的にって!?どういうこと…?話についていけないのは私だけ、かな?一般人でモブ存在の私が突拍子のない話についていけないのは当たり前なわけで…み、みんなはどうなんだろう。周りの人たちの表情を確認しようと目だけを動かす。すると、中には私のように驚いて唖然としている人や、口をポカーンと大きく開いている人や、ぐすぐすと泣いている子や、興味なさそうにボーッと突っ立っていたりする人、他、様々な表情をしていた。ただ1つ、喜んだ顔をしたものは、誰もいなかった。
私は、すぐにでも冗談だと確認したかったが、私より先に青い髪の自衛隊さんが、静かにゆっくりと口を開いた。

蓮「…すみません、永久的にとは、つまり、いつまで…でしょうか?」

ここでやっと、にこやかに笑う者が現れた。しかし、この笑顔は喜びによるものではないと、鈍感な私にもすぐ理解できた。

『ちょっとちょっと、蓮楼寺クン、話聞いてなかったの?永久的にって死ぬまでずーっと!てことだよ!もう!小学生から勉強やり直してきたらー?』

蓮「…すいませんね、何分、国語は苦手なんですよねー。ちなみに、中学時代、国語の成績はずーっと2でした!」

府「Oh!意外だNA!ユーはテストとかバリバリ得意なんだと思ってたZE!低いんだNA!」

蓮「ええ、本当に苦手なんですよ…情けないです。2位なんて…」

府「What!?」

ズ「…自慢か?」

蓮「え?自慢?一体なんのことですか?こんなの自慢にならないですよ?2位なんて情けない順位じゃないですか…1番になり損ねた出来損ない…ですよ?」

ズ「…」

その言葉、1位にも2位にもなれない私に深く深く、グサグサッと突き刺さった。例えるならまるで心臓を包丁で2、3回以上刺されたように。…私にはいいから、全国の2位以下の学生さんたちに謝った方がいいんじゃないかな、蓮楼寺さん…。

宝「…話を戻すわよ」

キッ、と宝錠さんが目を細め、威圧を放つ。すると、仲良く会話していた板是君や蓮楼寺さんはあわあわしたりしながら黙り込んでしまった。

宝「あんたの話が本当なら、どうして私、いや、私たちがこんな場所で…永遠に過ごさなければならないの?理由を教えてもらえるかしら。」

『うぷぷぷぷぷ!ざんねーん!それは教えられません!でも、どうしてもここから出たいと言う人のために、いい方法があるよー?』

いい方法…?……なんだろう、すんごく嫌な予感がする。聞いてはいけないような、けど、聞かなきゃいけないような。でも、聞く事を迷っていても、どうせ聞かなければならないんだろう。私は唾を飲み込み、ぐっと体中に力を入れながら耳を立てた。どうか物騒な事じゃありませんように。

『実は、どうしてもこの大都市から出たい人の為に、『卒業』という特別ルールが存在するのです!では、この特別ルールについて、説明していきましょーう。オマエラには、学園内での゛秩序゛を守った共同生活が義務付けられた訳ですが…もし、その秩序を破った者が現れた場合…その人物だけは、ここから出て行く事になるのです。それが『卒業』のルールなのでーすっ!』

輝「…その秩序とは、いったいなんなのだ?」

『うぷぷ、それはねー?』

モノクマはもったいぶって中々それを言おうとしない。言うなら言うで早くしてほしいけれど、それが言った言葉は私のほんのちょっぴり抱いていた希望を見事に打ち砕いてくれた。フラグを立ててしまったと言うべきだろう。

『それはー、人が人を殺すことでーす!』

樹「っ!?殺す!?ちょっと待ってよ!どうしてそんな!?」

『殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺…殺し方は問いません。『誰かを殺した生徒だけがここから出られる…』それだけの簡単なルールだよ。最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください。』

無視!?ひ、ひどくない!?ううう…

宝「…だから、どうして私たちが…」

『殺せとは言ってないよー?やるかやらないかはオマエラ自身が決めることだからね。』

飛「け、けど誰かを殺さないと…その、出られないんだろ!?」

『さっきからそう言ってるじゃーん、何度言ったらわかるの?』

飛「な、なんだよそれっ…!!ふざけんな!!」

『失礼な!ボクはいたって真面目だよ!』

墨「っ…!出来る訳ないでござろう!…ぜぇ、出会ったばかりのクラスメイトたちを殺すだなんて!ぜぇ、せっかくこれから仲良くやろうとしているのだぞ!!」

一「そうだよ!」

村「あ、あの、僕も人、殺したくない、です…」

『あれあれ、みんな乗り気じゃないねー?』

一「当たり前でしょ!殺人だなんて!出来るわけがない!!誰かを殺すくらいなら、ここで一生暮らした方が大分マシだよ!」

樹「や、八夂ちゃん!?」

一「だ、だって!殺人だなんて!私嫌だよ!?樹力ちゃんだって嫌でしょ!?」

樹「た、確かに嫌だけど、でも…」

ここで一生を暮らすなんて…ずっと此処に縛られて生きていくなんて…此処以外もうどこにも行けないなんて…、それも、嫌だ。

『本当に無理なの?』

一「無理だよ!!」

『あれあれー?いいのかなあ。』

ズ「…図々しいんだよ、もったいぶってないで、言いたいことははっきり言え。耳障りだ」

『しょぼーん…さすがのボクもそんなに悪口言われちゃ凹みますってー。』

宝・ズ「早くしなさい/しろ。」

2人揃って、同時に鋭い声で言う。怖い人の威圧、しかも2人同時にはやっぱりビビってしまう。

『えー、実はというと、オマエラは入学生だけど入学生じゃありません!!』

樹「…こ、今度は何?」

…もう、これ以上きても何が驚かないよ。ここで一生を暮らせ、とか、ここから出たければ殺し合いをしろ、とか、これ以上どんなことで驚けと言うのか。いや、ないだろう…

『オマエラは希望ヶ峰学園で過ごした記憶を失ってるんだー!』

「「…!?」」

…驚いてしまった。、驚いたのはやっぱり私だけではない。先ほど永久的に暮らせと言われた時のように、みんな焦った顔をしている。けれど『冗談』だと苦笑いしている人も多々いる。記憶を失っている?私たちが?希望ヶ峰学園での生活を?揃いもそろって?

伊「…夢でも見てんの?俺」

輝「残念だな、伊瀬。生憎これは夢ではない。明晰夢という意識も感覚もはっきりしている夢は存在するが、たった今頬をつねっても目は覚めなかった。古典的な手法だが、これで目が覚めなかったとは恐ら…いや、そもそも何故頬をつねるだけで夢から目が覚めると思うのだ?痛みを感じるからか?なら手のひらを叩くでもなんでも良いだろうに……」

伊「し、知るかよ。」

『うぷぷぷぷ!信じるかどうかは、オマエラ次第だよ!んじゃ、オマエラに電子生徒手帳を配っておくね。』

モノクマに配られた、もとい、押し付けられたのは、電子生徒手帳と呼ばれるカードのように薄いなにかだった。八夂ちゃんのスマートフォンに若干似てるな…。色々いじると、私の名前や個人情報が表示された。うーん、参ったな、私、こういう機械っぽいもの苦手なんだけどな…。

『これに校則とか色々のってるから、詳しくはこれ見てちょーだいな!んじゃ、バイバーイ!!あ、そうそう、この建物にはオマエラ全員の個室があるから、ちゃんと使ってちょうだいな!じゃあねー!』

樹「あ…」

モノクマは再び、間抜けな効果音と共に、姿を消していった。

…屋上に沈黙が流れる。ボソボソという小言も聞こえる。

府「…なんか、とんでもないことになったNA…」

輝「…全くだ。」

針「…あの、本当なのですかね?殺さないと…って。」

門「…!お前、まさか殺す気じゃないだろうなあ!?」

針「な、なんでそうなるのですかね!?私は、そんなつもりはないのででしてね!?」

門「ふん!おめーらだって!!ここからでようとなんか企んでるんだろ!!俺様にはわかるんだからな!!」

府「モンキー!だいたい、そういうユーはどうなんDAチェケラ!!」

門「誰がモンキーだ!!」

板「飛丸くん、ちょっと落ち着いて…」

門「るっせー!!」

板「うわっ!?」

樹「ちょ、ちょっと!!」

ああ、もう!あのクマがあんなこと言うから、みんな疑心暗鬼になって、更には飛丸さんがまた喧嘩腰になってる…!どうしよう!私なんかが仲裁したら、板是君みたいに『黙れ』とか『うるさい』とか言われて即アウトだろう。一体、どうすれば…?あ

一「喧嘩はダメ!!ストォォォォップ!!」

八夂ちゃんが、門起さんたちの間に大声で構えながら仲裁に入った。飛丸さんは一瞬怯えたが、すぐにまた喧嘩を売ってしまっている。

門「…っ!んだよ、お前!確か…やちたに!!」

一「あってるけどあってないよ!一谷!もしくは八夂!門起君、今はそうやって、誰にでもあたればいいってわけじゃないよ、わかってるでしょ?誰かを殺せ、なんて言われて怖い
気持ちはわかるけどさ。」

門「べ、別に怖くなんてねーよ!!俺様は無敵だからな!!人を殺すなんて、簡単だってーの!!」

針「っ…!?」

一「…ほら、そうやって、怖いという気持ちをみんなに見せるのが怖くて、ソウちゃんに当たって、見栄を張って、自分の気持ちを誤魔化してるんでしょ?…本当は人なんて殺せないくせにさ」

針「あ…そうなのでしたのね」

門「う…うぐっ!?」

門起さんは銃で胸を貫かれたように顔を歪ませ、ほんの少し涙目になっていた。図星のようだ。こうして見るとお母さんと息子のお説教の場面を見ているかのようだ。

一「怖いのはみんな同じなんだ。だから、いっこくも早くなんとかして、ここからでようよ!ここでごちゃごちゃ考えてちゃしょうもない!それに、もしこんなとこでうだうだして何もせず踏みとどまっていたら、あのモノクマってやつの思惑どおりじゃない?そんなのムカつくでしょ?ね?」

八夂ちゃんは飛丸さんに一喝を入れた後、私を含めみんなに向かって、一斉に声を挙げた。その八夂ちゃんの言葉は、どうしよう、どうしようと頭がぐちゃぐちゃになっていた私に、ほんの少しだけれど光を与えてくれた。

伊「…なんとかって、なんだよ」

一「そ、それは、まあ、後々考えるとして…」

先ほどまでのすごい気迫はどこにいったのか、伊瀬さんに睨まれると、八夂ちゃんの目線は魚のように泳いでいた。

蓮「…とりあえず、その『なんとか』をしてみましょう?」

一「…!蓮楼寺さん!!」

わあ…すごい嬉しそうな顔してる…。わかりやすいなあ…。

蓮「先ほどモノクマに配られた電子生徒手帳。色々書いてあるから見ろ、と言われましたし、そしてノルンシティと呼ばれるこの場所のことも、探索していけばなにかわかるかもしれません。一谷さんが言っているとおり、このまま何もしないよりは大分マシでしょう。」

蓮楼寺さん、みんなのまとめ役、指揮をする人に向いていると、この時思った。そりゃあ自衛隊だもの、生きてきた経験が違うというかなんというか…うん、言いたいことを簡単にまとめると、一般人の私にとっては恐れ多い人だなと言うことだ。

輝「…まあ、その通りだな。では、まず…入菊」

入「(・∀・)?」

輝「今まででてきた情報をまとめてくれないか。読者にもわかりやすいように。貴様は新聞記者だから、情報整理は得意だろう?」

入「('◇')ゞラジャ」

樹「真ん中あたりにメタい発言でてきたよ!!?」

入「……できましたどうぞ」

樹「そして早いね!?さすがは記者さん!!」

府「樹力、ツッコミおつかれだYO…」

入菊君は、ポケットからだしたメモ帳をビリっと破ると、それをみんなに見せた。

『モノクマという希望ヶ峰学園学園長を名乗る謎の生き物が現れる。そのモノクマは自分たちにここ(ノルンシティ)で一生を過ごせ、と言う。けれど、ここから出る方法ならあるとも言う。それは人を殺すこと。記述者である自分は殺人など絶対にしたくないが、モノクマは更に、自分たちは希望ヶ峰学園で過ごした記憶を忘れているという意味深な言葉を告げて、去っていった。』

入「今わかっている情報はこちらのとおりです他になにかわかったことがあったら随時追加していくのでご了承くださいどうでしょうか自分なりに簡潔にまとめたのですがわかりましたかね」

板「うーん、僕はちゃんとわかったけど、読者さんたちには伝わったかなあ?」

樹「だからメタいって!!」

板「あはは、ごめん。ごめん。」

墨「むむむ、にしても、本当なのでござろうか?我らが希望ヶ峰学園で過ごした記憶を失っているとは。」

確かに、信じがたいよね、私や、恐らく音々ちゃんや八夂ちゃんも、入学式のために学校に入る記憶はあるけど、それ以降の記憶はないし…。心当たりというものも、今のところないし。うーん、頭の引き出しを探っても探ってもなにもでてこない…。やっぱりあれはモノクマの嘘だったり?

村「…そ、その、記憶っていう曖昧なものから調べるよりも、今は確実にわかることから調べた方がいいと思うんだ。ほら、電子生徒手帳とかさ。」

伊「…ああ、これか。これ、俺の名前と校則(ルール)ってのが書いてあったぞ」

村「ひぐっ!あ、そ、そうなんですか!!!ぼ、僕まだちゃんと見てなかったです!!!ひぃぃ!!」

…?まただ、また村田さん、尋常じゃないほど慌ててる…。いったいどうしたんだろう。伊瀬さんが怖いのはちょっとわかるけどさ。

村「う、ううう…」

入「公太君女性恐怖症なんだってあと背の高い人も」

村「わー!!わー!!わー!!入菊君言わなくていいですから!!!」

入「…<m(_ _)m>ゴメンネ」

村「あ、謝らなくても、いい、からっ!!」

村田さんは涙目になって入菊君の口を塞ぐと、屋上の隅っこに移動してOrzのポーズをしてがっくりしていた。

…女性恐怖症だったんだ。どおりで、あの時あんな反応したわけだ…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
白い髪の人は私たちに目をそらしながら、逃げるようにさよならー!!と言って門起さんと同じようにどこかへ行ってしまった。けど、

「ちょっと待ってよ、せめて自己紹介してよ。あなたも同級生なんでしょ?」

「な、なななななななな!!?」

八夂ちゃんは、ガシッと白い髪の人の服の襟を掴み、逃げるのをとめた。すると、白い髪の人は手や足をバタバタさせて、首を縦に何回も振っていた。八夂ちゃんは申し訳なさそうに服の襟をはなしてあげていた。

「む、村田 公太…です。よよ、よろしくお願いします…」

名前からして男の人か…髪の長い人って初対面じゃ男性か女性かわからなかったからな…それにしても、この人、今にも泣きそうだ。なにがそんなに怖いんだろう?もしやコミュ障だったり…?でも、それにしては怯えすぎているような…?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

入「…説明しておいた方が公太君のためにもなると思って言ったのが逆に悪かったみたいだ申し訳ない本当に」

村「…いや、いいんだよ、ぐすっ、うん…。」

…だ、大丈夫かな、あの2人、仲悪くならないといいんだけど…。

府「んで?校則ってなんDAなんDA?」

樹「えーと…あ、でてきた」

『1 生徒達はこのノルンシティだけで共同生活を行いましょう。
 共同生活の期限はありません。

 2 夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
 夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

 3 就寝はノルンホテルに設けられた個室でのみ可能です。
 他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

 4 希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。
 特に行動に制限は課せられません。

 5 学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
 監視カメラの破壊を禁じます。

 6 仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、
 自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

 - なお、校則は順次増えていく場合があります。 』

宝「…ふーん、殺人をしてもいいようなこの空間にも、ちゃんとルールってやつはあるのね。」

墨「そういうところはキッチリしてるのでござるな…。はあ。」

府「ふむふむ…んむ?ノルンホテルって、どこDA?」

蓮「それなら、この建物だと思われます。先ほど、モノクマがここに僕らの個室があると。…あと、実はここに来る前、僕と板是君、入菊君で屋上に来る前に途中にあった1、2、3、4階を調べたのです。」

一「おお!さっすが蓮楼寺さん!!」

板「ええ、ぼ、僕は!?」

蓮「それで、」

板「スルー…!?」

あはは…ドンマイ、板是君…

蓮「各階には、4つづつ、僕たちの名前が表記されている個室がありました。けど、僕の名前が書いてあった部屋は、鍵が閉まっていて開きませんでしたが、代わりにカードキーのようなものがドアに設置されていました。未だに、その鍵は見つかっておりませんが。」

伊「…この電子生徒手帳とやらじゃねえの?ほれ、カードっぽいじゃん、これさ」

輝「ふむ、あり得るな。これは部屋の鍵としても使えるかもしれない、ということか。」

入「部屋を調べた時の部屋順は覚えておりますのでどうぞこちらをごらんください」

入菊君は再びメモ帳をビリッと破り私たちに見せた。そこには私たちの名前とこの建物のようなものが書かれていた。ざっと見ると、どうやら私は3階にある部屋らしい。隣の部屋は…げっ!?

宝「…」

ほ、宝錠さんがお隣…!?うわぁぁ…この人苦手なんだよなー…でも、隣ってだけで、特に何も話すことないだろうし……大丈夫だよね?…大丈夫だといいけど。

宝「…なに?チラチラこっち見てきて。気持ち悪いのよ。変態?」

樹「す、すいません!!」

ほら!!すぐそういう悪口言う!鑑定家っていうか毒舌家だよ!この人!!超高校級の毒舌家なんじゃないのこの人!!

蓮「では、皆さん、とりあえず自分の名前が書いてある部屋へ行ってみてください。そして、何か報告があれば、誰かが誰かにお伝えください。では、後程。」

そうして、みんなはそれぞれ足速に探索へ向かっていった。私も、早く行こう。3階…確かソウちゃんも同じ階だったし、早く追いつこうっと。

樹「…あれ?」

…そういや、何かを忘れてるような気がする。…なんだっけ?……まあ、いいか。今は調べる事に集中しよう。