Hope possess
※前回よりは長くないです
コケコッコー!!
朝、学校で飼っているニワトリさんが、けたたましく鳴いている。
昨日の放課後、私はメカメカ同好会、いや、メカメカ部に入ってさっそく部活動をした。といっても最初は見ているだけだったので、特に何もしなかった。
そして今日、私は朝早く学校に着いて、メカメカ部の部室に行ってみたが、白川さんしかいなかった。
翼「この部活に朝練というものはないわ。だから由乃と雷田先輩はいないわよ。・・・私は退屈だからここにいるだけだけど。」
と言っていたけれど、予鈴がなるギリギリの時間まで、部室にいることにした。白川さんと仲良くなりたいし・・・。
翼「・・・」
といっても、白川さんは、私に一切見向きもせず、機械しか見ていない。話しかけようとするも、話しかけてはいけない・・・ようなオーラがピリピリとたっているので、話しかけられなかった。
キーンコーンカーンコーン
樹「あっ」
予鈴が鳴った。早く教室に戻らなければ。
座っていた椅子から、さっそうと立ち上がり、急いで部室からでた。
私が出たあと、白川さんも急いで教室からでていた。
翼「・・・HR(ホームルーム)まで、あと5分ね。まあ、早歩きすれば余裕でしょう、2年の教室は丁度3階だもの。」
樹「そ、そうですね・・・」
翼「・・・ところで樹理華、あんた、朝練ないって言ったわよね、何で部室にいたの?」
樹「えっあっ、それはっ・・・」
仲良くなりたいから・・・なんて恥ずかしくて言えない・・・。
翼「・・・ま、何でもいいわ。じゃあ、私2組だから。」
樹「は、はい!ではまたっ!!」
翼さんは2組の教室に入っていった。そして私も、すぐとなりの3組の教室に入る。教室に入ると、由乃ちゃんが元気よく挨拶してくれた。そしてそれと同時に担任の先生が入ってきた。
先生「はい、みなさんおはようございまーす!」
元気な先生のあいさつをかえしたのはほんの数人だけ。私はもちろん返した。けど由乃ちゃんはひっそりとゲームをやっていたので勿論返さなかった。
先生「さ、さ、皆静かにして、あと席に座って。ほら早く、あと10秒以内に座らないと宿題増やすよ!」
樹「え」
私は元から座っていたけど、お喋りしていた皆は、すぐ自分の席に座って、静まった。
由「この先生の特技、『宿題増やす宣言』。先生のいう事を聞かなかった場合、マジで宿題が2倍ほど増やされるから、皆これには弱いのよね。」
樹「そ、そうなんだ。」
由「あの先生1年の時から一緒でさー、・・・あ、ちなみに宿題サボったらさらに4倍増やされるから注意しなさいよ」
樹「う・・・うん。」
怖いなぁ・・・あの先生。でもちゃんと言う事聞いていれば、大丈夫だよね!
先生「はい!園澤さん!蒼野さん!お喋りしたから宿題2倍ね!」
由「げっ!」
樹「ひぃっ!?」
アハハハハ、と教室中に笑い声が響いた。
・・・さっそくやっちゃった、私・・・。
放課後。
初めてのこの学校での授業、なんとか6時間乗り切れた。でも授業の内容は、ほとんど私が独自で勉強していたものがほとんどだったから、それほど難しくはなかった。
さてと。
私は再びメカメカ部の教室へ向かう。由乃ちゃんと一緒に。
由「あー、それはご苦労様ね」
今朝のことを由乃ちゃんに話したら、火奈美ちゃんと同じような、憐れむような目で見られた。
由「あれは話しかけなくて正解ね、機械に集中している翼に話しかけたら、あんた殺されるわよ」
樹「こ、ころっ・・・!?」
由「あ、いや、本当に殺されるんじゃなくって・・・なんて言ったらいいかしら。・・・要するに、殺されるほど痛い目に遭うってことよ。」
樹「ひぃっ・・・」
白川さん、仲良くなりたいとは思ったけど、もしかしたら私が出会った人たちの中で2、3番目に怖いかもしれない。・・・大丈夫だろうか。
ちなみに一番怖いは前の学校の生徒会長さん。
由「・・・ま、機械オタクってところを除けば普通にいい子だから、怖がらなくても大丈夫よ。」
樹「そ、そっか!」
・・・あれ?由乃ちゃんが言った言葉、どこかで聞いたような・・・?デジャヴというやつかな?(1話参照)
由「とはいえ、あいつは空いてる時間はずっと機械に集中してるから、仲良くなるのは難しいかもしれないわね」
樹「や、やっぱり・・・。ねえ、由乃ちゃんはどうやって白川さんと?」
由「んー?そうね、あれは確か1年のころ・・・あ、部室に着いたわ、ごめん、後で話すわね、それ!」
樹「わ、わかった!」
翼「・・・あら、2人とも、元気そうなことで」
部室に入ると、もちろん翼ちゃんがいた。
運よく翼ちゃんは機械を造っておらず、床でぐったりと座っていた。
由「珍しいわねー。あんたが機械造ってないなんて。」
珍しい・・・んだ。白川さんは、時間が空いている時は常に機械を造っているのだろうか。・・・造っているんだな、きっと。
翼「使ってた道具が壊れたの。買いにいきたいところだけど、動きたくないし・・・先輩は宿題サボリで居残りだし・・・」
由「ちょっ、めんどくさがらないでよ」
翼「えー・・・あ、そうだ、あんたたち、買ってきて」
由「はあ?嫌よ、私は今日ここでゲームやりながら宿題するという義務があるのっ。」
ああ、そういえば増やされたんだっけ・・・。
宿題・・・宿題の内容は数学と国語プリント(裏表あり&問題びっしり)6枚ずつ。本来は1教科ごとに3枚ずつだったみたいだけど・・・。
樹「あ、じゃあ私が1人で買ってきましょうか?」
翼「え、いいの?」
由「え、樹理華、宿題は?」
樹「あ・・・宿題は家でやるから。」
由「ええ・・・こんなにあるのに、夜だけで終わらせられるの?すごっ」
翼「ゲームやりながらじゃなければ終わると思うけどね」
由「うるっさい」
樹「あはは・・・」
確かに白川さんの言うとおり・・・とは言わないでおこう、きっと怒られるし。
白川さんからお金をいくつか貰い、私は近所の雑貨屋に行って、ドライバーとネジ数本程度を買った。
そして今、学校に戻るところだ。
樹「・・・ん?」
何かが飛ぶような音がしたので、ふと空を見上げた。すると、とんでもないものが空を飛んでいた。
樹「ええええ!?と、と、飛んでる!?」
人が、空を飛んでいた。
?「っ!?」
飛んでいた男の人は声にびっくりしたのか、電柱のてっぺんに止まって、私と目を合わせた。
その男の人は、まるで由乃ちゃんが昨日やっていたゲームに登場した、魔王様・・・の、ような服装だった。角とかは生えていないけど。
?「・・・」
樹「・・・」
私は何がなんだかわからず、硬直してしまっていた。そして男の人は電柱のてっぺんから飛び降りた。
樹「あっ、あぶなっ・・・!」
と、声をかけたが、なんと、男の人は、身軽に、さっと、地面に降り立った。
樹「えええええ!?」
?「・・・俺が見えるのか?」
樹「え、あ、は、はい、見えますっ!!」
男の人は私に少し近づいて、睨みながら質問してきた。
?「・・・チッ、なんで・・・普通は見えないはずなのに。」
樹「え・・・?」
?「・・・これは、まさか・・・」
男の人はブツブツと何かを呟いた。
樹「あ、あの」
?「おい、人間」
樹「ひゃ、ひゃいっ!!」
し、しまった。あまりにも怒っていそうな声だから、怖くてまた変な声をあげてしまった。
?「名前は?」
樹「あ、あ、樹理華です!」
本当は苗字も言おうとしたが、簡潔に済ませたかったため、名前しか言わなかった。いや、言えなかった。
?「・・・ふぅん、樹理華な。・・・樹理華、お前とは、もう一度会うかもな。」
樹「え!?」
?「じゃあ、またな」
樹「・・・!?え!?え!?」
男の人は私を睨みながら言うと、あっというまに闇に隠れて消えてしまった。
・・・あの人は、なんなの?人間じゃないの?空飛ぶし、消えるし・・・しかも、『またな』って。
私は夢でもみているのだろうか。じゃあ、いつから寝ているのだろう?授業中・・・かな?
・・・いててっ!
頬をつねってみたが、とても痛い。夢ではないようだ。・・・夢じゃないってことは、あの人は、本当に・・・。
樹「・・・・・・あ!」
いけない、買い出し頼まれてたんだった!急いで学校に戻らないと!
夕方。
買い出しに行ってきた私は、白川さんに頼まれたものを差し出した。が、私が遅かったせいか、もう部活終了時間だった。
でも白川さんは、最終下校時間まで残るそうだから、問題ない、と由乃ちゃんは言っていた。
現在、私は1人で帰り道(由乃ちゃんは家の方向が違うため一緒に帰れない)を歩いているが、今日は少し不安な事がある。先程会った男の人・・・私と同じくらいの年の子だった。そして、『またな』と言っていた。
これは、もしかしたらこの先何かが起こるかもしれない。
もしかしたら・・・最近見ているあの夢に何か関係があったり・・・いやいや、考えすぎかな?考えすぎるのは私の悪い癖だ。いけないいけない。
けれど、その予感が的中するなんて、今この時は、思ってなかった。
「うぁぁぁー!!」
樹「えっ」
私がたった今通り過ぎた公園で、子供達が泣き叫ぶ声が聞こえた。
?「あはは!人間の子供をいじめるのって楽しいなぁ!」
またもや、現実ではありえないような事が、現実で起こっていた。
朱色の髪をした女の子が、小学3、4年くらいの子供達を苛めていた。しかもその女の子には背中にトンボのような羽が生えていて、頭に熊の耳が生えていて、手が猫の形をしていて、まるで怪物のような姿をしていた。
また非現実なことが起きた。空飛ぶ男の人の次はUMA・・・?
?「ほらほら、もっと泣き叫びなさいよ!!」
「ひっく、ひっく・・・」
樹「・・・」
私はとめに入ろうとした。けど、あんな子、力がない私がとめられるとは思えない。
でも、ふと思い出した。私がいじめられていたときの事を。あの時は、誰も助けてくれなくて、とても辛かった。苦しかった。
あの子たちも、私と同じように助けられないまま、苦しみ続けるなんて、そんなの駄目だ。
?「あー!楽しかった!じゃあ人間!死ね。」
「いやぁぁぁぁ!」
「助けてぇぇぇぇ!!」
女の子が、手を構えて攻撃しようとするところを、私は急いで駆け寄り、庇った。
?「んなっ、人間が、もう1匹!?」
樹「逃げて!」
「わかった!」
「ありがとうお姉ちゃん!」
子供たちは、急いで公園から逃げ、どこかへ行った。
樹「・・・虐めは、駄目ですよ」
?「けっ、ミレーナが何しようと自由じゃないの。」
樹「だ、駄目、です」
ミ「・・・なあによ、強そうだと思ったけど、声とか足とか震えてるしー、弱そう。」
・・・弱そう、じゃなくて、実際に弱いんだけど・・・。ってそんなこと言ってる場合じゃない。
この子、もしかしたら、あの男の人の仲間かもしれない。
樹「わ、わた、わたしは、弱く、ない、です!」
ミ「・・・あなた、そう言ってるけど、涙目じゃない。」
樹「ううっ」
気が付いたら、目に涙が浮かんでいた。そりゃそうだ。だってこの子・・・怖いし。
ミ「まあいいやっ、殺す人間なんて誰だっていいわっ。じゃあ死ね、人間」
樹「っ!!」
女の子はさっき子供たちに襲ったように、手を構えて攻撃しかけてきた。
樹「いだっ・・・!?」
攻撃は見事に命中してしまい、爪で引っ掻かれてしまった。
攻撃を喰らう前にみたあの爪・・・あれは本物の猫のものより大きかった。
何で猫の爪の大きさを知っているかというと、小学生のころ猫を飼っていたことがあるからだ。
ミ「あー、血がでてる!わー、気持ち悪い!あはははは!!」
樹「・・・」
あの子は、私を傷つけて、楽しんでいる。他人の苦しんだ顔を見て、楽しんでいる。
許せない。どうして苦しんでいるのを、楽しめるの。わからない、わからないよ・・・。
樹「・・・っ」
ミ「ん?」
引っかかれた痛みを我慢して、私も利き手の右腕で反撃する。
ミ「なっ!」
残念なことに、素手で受け止められたが、相手は私が反撃してくるなんて思いもしなかったようだ。
ミ「・・・うぐっ、あんた弱そうなのに力強っ・・・」
樹「・・・ええ、そうです。確かに私は弱いです、が、私は・・・あなたのように他人の苦しみを笑う人は、どうしても許せないんです!」
ミ「ふふっ、だってぇ、人間が苦しんでるところなんて面白いじゃあない?何で面白いと感じるかはミレーナにもわからないけどぉ」
樹「・・・どんな理由があろうとも、他人の不幸を笑うなんて駄目です!絶対に!!」
ミ「うにゃあっ!?」
攻撃していた手に、怒りのパワーを込めて、ついに押し返すことができた。
ミレーナさん・・・だろうか。ミレーナさんは、勢いよく飛ばされていった。
ミ「ぐぎぎぃ・・・人間のくせにミレーナを傷つけるなんて許さない!精神がズタボロになるまでぶっ潰してあげる!!」
樹「な、何をする気です!?」
ゴオオォォォ・・・
ミレーナさんの周りには、血のように真っ赤な炎が出現した。
ミ「死ねぇぇぇ!!」
そしてその炎は、私の方へ向かって来た。
ミ「あははは!弱い人間なんて、このあつーーーい炎で焼かれ死んじゃえ!」
樹「あ・・・」
やっぱり、私なんかが、人(?)1人何とかできるなんて、そんなのできっこなかったんだ。
ああ、さよなら私の人生、私はここで死ぬんだ・・・。
お兄ちゃん、今までありがとう、これからも、医者になるためのお勉強、頑張ってね。火奈美ちゃん、由乃ちゃん、短い間だったけど友達になれて嬉しかったよ。鹿島さん、鹿島さんはちょっと怖い人だったけど、メカメカ部の事を教えてくれてありがとう。白川さん、雷田先輩、短い間でしたが、部活動、楽しかったです、買い出ししかしてませんが・・・
ああ、もう炎が近くまできている。ここで私は・・・・・・
?「諦めちゃ駄目だよっ!!」
樹「えっ」
謎の女の子の声と同時に、私の目の前には光のシールドのようなものが張られていた。
その光はとても暖かくて、心地よかった。
ミ「・・・チッ、セーレーの仕業ねえ・・・!?どこ!どこにいるの!?」
?「ここよ!」
樹「わあっ!?」
ミ「うげっ」
セーレーと呼ばれた声の主は、シールドのようなものから聞こえた。
?「ふう・・・あー、熱かった!もう!ミレーナ!やりすぎよ!」
樹「あ、あの、あの、」
命の危機から免れたはいいものの、またまた状況が把握できない。
?「あ!ごめんね人間さん、この姿だとヘンよねえ!ちょっと待ってて!」
樹「・・・?・・・!?」
シールドのようなものが光ると、今度はその光から、ふわふわ浮いた、身長20cmくらいの小さい、いや、小さすぎる女の子が現れた。
もう、次から次へと・・・何なのだろうか。非現実的すぎる。
?「人間さん、名前は!?」
樹「・・・樹理華です」
ええい、もう慣れるしかない。もう何が起こっても絶対に驚かない。私はそう決めた。
ア「樹理華ちゃんね!私はアラル!この怪物・・・ミレーナをやっつける者・・・だったんだけど、訳あって戦えなくなっちゃって。だからお願い、樹理華ちゃん、力を貸して!」
樹「力を貸すって・・・?」
ア「強くなりたいって念じながら、私の名前を叫ぶだけでいいの。お願い!」
樹「ええ・・・?」
い、いきなりそんな事言われても困る・・・けど。
ミ「もう一回!死ねぇぇぇ!!」
樹「ひっ!」
ミレーナさんが再びこちらに向かって炎を放ってきた。
ア「早く!」
樹「ひいっ」
アラルさんは真剣で、剣幕な表情で言ってきた。・・・仕方ない、私だって死にたくはない。さっき遺言みたいなことを言ったけども。
樹「ア・・・アラル・・・さん!」
最後に『さん』つけたけど、大丈夫だったかな?
ピカーーーン・・・・・・
樹「・・・えっ?」
私がアラルさんの名前を唱えると、今度は私の体が光った。
樹「!?!?!?!?」
光は、目が潰れてしまうほど光りだした。そして私は目を瞑ってしまった。
目を瞑った瞬間、あの夢の映像が流れた。私が小さいハープを持った私が、謎の怪物と戦う夢。
でも不思議だ。夢ではぼやーっとした映像だったのに、今度ははっきりと見える。
私は、ハープと、綺麗な星模様のロッドを持っていた。私はハープを怪物から守りながらロッドで戦っていた。そして私を庇いながら戦っている6人は・・・見覚えのある人たちの顔だった。
私の前には、火奈美ちゃん、由乃ちゃん、白川さん、鹿島さん、雷田先輩、そしてお兄ちゃんまでもがいた。
・・・どういう、こと?なんで皆が?
ア「起きてー!!樹理華ちゃーーーん!!」
樹「はっ!」
目を開けると、さっきまでの光景が広がっていた。
ミ「なに寝てるのー?馬鹿にしてるのー?」
樹「い、いえ!眩しかったから、目を瞑ってただけで!・・・うん?」
なんか、全身に違和感が・・・?え!?
樹「ど、どういうこと、な、な、な、なあにこれーーーーーっ!?」
驚かないとは誓ったが、こればかりはさすがに驚く。
なんと、私は、あの夢でみたフリフリなドレスを着ていて、たった今夢(?)で見た、星模様のロッドを持っていた。
ア「やっぱり!樹理華ちゃんは戦える資格があるってことだね!」
樹「え・・・戦う資格?ど、どういう」
ア「説明はあと!樹理華ちゃん、今はこの星ロッドに念じて唱えて!『シャイニングスター!』って!」
樹「ちょ、ちょっと待ってください!そんな恥ずかしいセリフ言えないです!だ、大体この格好も、誰かに見られてたらどうしよう!?」
ア「大丈夫!今の樹理華ちゃんの姿は普通の人間には見えないから!」
樹「えっ・・・!どういう・・・」
と、聞こうとしたが、どうせ説明は後って言われるだろう。
樹「・・・仕方ない!」
誰にも見られていないのなら、大丈夫だろう、と思い、私はアラルさんの言われたとおりの言葉を放った。
すると、ロッドから無数の星がでてきて、それがミレーナさんに直撃した。
ミ「いぎゃあああああ!!」
樹「わっ・・・」
ミ「うぐっ、あぁああぁぁぁ!!」
ロッドからでた星は、ミレーナさんにとっては、非常に苦しいようだ。ミレーナさんのあげている悲鳴で、それがヒシヒシと伝わってくる。
でも、さっきまであの子供たちを苦しめて、楽しんでいたのだから、由乃ちゃんがやっていたアールピージーというゲームの言葉からとると、これは天罰というものだと思う。
・・・けど・・・・・・みていられない。
樹「ミレーナさん!大丈夫ですか!?」
ア「え、ああ、ちょっと、樹理華ちゃん!?」
私は急いでミレーナさんの元に駆け寄った。
ア「な、何してるの樹理華ちゃん、そいつは怪物で、危険な子で・・・!」
樹「そうだとしても!苦しんでいるのにほっとくなんて出来ないです!」
ミ「ち・・・チカヅクナァ!!!!」
樹「ひっ!?」
ついさっきまで顔を下げていたミレーナさんの顔を見ると、それはまるで人間とは思えなかった。いや、彼女からは元々人間らしさを感じなかったが、先程まで戦っていた時にはなかったはずの、火傷の跡やアザが顔や手に、目立つほどあった。
樹「な、何でこんな傷っ・・・もしかして、これ、私がやったの?」
そうだとしたら、私はミレーナさんに取り返しのつかないことをしてしまったことになる。いくら向こうが襲ってきたとはいえ、やりすぎだ・・・。
ア「違うよ樹理華ちゃん、あの傷は樹理華ちゃんのせいじゃないよ。」
樹「え!」
?「黙れ」
ア「うぐっ!?」
樹「!?」
後ろを見ると、アラルさんが何者かに攻撃されていた。
アラルさんは、その場で倒れてしまった。
?「・・・ミレーナ、帰れ」
ミ「・・・う、うぅ・・・ありがと」
謎の人がミレーナさんに魔法のようなものをかけると、ミレーナさんは闇に消えていった。
樹「な、何をするんですか・・・!ミレーナさん、消えちゃって・・・って、あなたは!?」
さっき出会った飛んでた男の人!!
?「・・・ミレーナは死んではいない。家・・・というか、まあ、そこらへんに帰しただけだ。・・・それにしても、やっぱりまた会ったな・・・しかし、思ったより早かった。」
樹「・・・」
男の人はまた睨みながら私に目を合わせた。けど、今度は私も負けじと睨み返した。けど、やっぱり怖かったので私が睨んだのは、ほんの0、1秒間だけだった。
樹「・・・さっきから状況が把握できていなくて参ってるんですが、まず、あなたやミレーナさんは仲間・・・なんでしょう?あなたたちは何者なんですか?」
怖かった。怖かったけど、何とか質問した。多分私の声はガチガチに震えているだろう。
?「・・・確かに、仲間だけど、な。俺やミレーナは、何者でもない。ただの怪物、化け物だ。」
樹「・・・・・・」
ミレーナさんはともかく、この男の人は、とても人間に近いようにみえる。けど、不思議な魔法みたいなものを使っていたので、この人も人間じゃないんだろう。
?「さて・・・ミレーナ帰したし俺も帰るか」
樹「待ってください!」
?「・・・なんだよ」
樹「ひっ、あ、あ、その」
男の人はまた睨んできた。けど、私だって、いつまでも弱気なままじゃない!ちゃんと言わなきゃ・・・!
樹「あ、あなたの名前はっ!!?」
?「聞いてどうする」
樹「そ、そっちだって聞いてきたじゃないですかっ!」
?「・・・チッ」
男の人は、参ったという表情をしながら溜め息をついた。やった、生まれて初めて口喧嘩で勝てた!しかもその初めての相手は男性だ!
ヒ「・・・ヒロだ。」
樹「・・・え」
ヒ「これでいいだろ。じゃあな」
樹「あ、ちょっと・・・」
ヒロと名乗った男の人は、ミレーナさんと同じように闇へと消えていった。
樹「・・・」
公園には、倒れたアラルさんしか残っていなかった。そしてミレーナさんと私が戦ったことは最初から何もなかったように、戦った跡も何も残っていなかった。
数分くらい経つと、子供たちが公園へ遊びにやってきた。子供たちはこんな格好の私には見向きもせず、ワイワイと遊んでいた。本当に見えてないんだろう。よかった。
・・・とりあえず、私は倒れたアラルさんを拾って、家に帰ることにした。
大「・・・なにアレ、なにあの不思議出来事、スクープってやつじゃない?」
ー続く。(多分ね)((
はい、終わりです!前回の黒歴史小説リメイクの続きですw
あ、そうそう、タイトル決めました。「Hope possess」です。
タイトル名は元の小説のままのタイトルでもよかったんですが、すごく中二病なタイトルだったためやめました。(このタイトルも中二病みたいかもしれないけど)はい、そうです。私は小学4年生から中二病なんです。中二病になったのは兄のせi((
今回は皆様、樹理華ちゃんと同じように、状況が把握できていないんじゃないかと思われますw樹理華ちゃんに何が起きたか、アラルは何者なのかなどという具体的な説明は次回したいと思います。
今回新しくでてきたキャラはほとんど皆さんに公開してないキャラが多いですが、3人のうちの1人は皆が知っているであろうあの子ですので、あててみてくださいっ!・・・といっても、すぐわかるかもしれませんが(笑)((
※あ、書き忘れましたが、この小説にカーネはでてこないんです。カーネはじゅりか達がファンタジーキャラになった後に生まれた子ですので・・・。
ヒロ 男
一見普通の人間だが、自分の事を怪物と名乗る少年。目つきが鋭く、色んな面々から怖がられている。
容姿・・・黒い髪で、目の色は紫色でつり目。いかにも悪役っぽい服装をしている。大きさはは樹理華たちと同じくらいの身長。
ミレーナ 女
かませ犬な女の子。人の苦しんでいる顔が好きで、何故それが好きなのか、自分でもわからないらしい。
容姿・・・朱色の髪でポニーテール、目の色は赤。背中にトンボのような羽が生えていて、頭には熊の耳が生えていて、手は猫の形をしている。大きさは小学5、6年くらいの身長。
アラル 女
セーレーと呼ばれた謎の小さい浮遊生物。感情豊かな子で、しっかり者だけど、間抜けでもある。
容姿・・・水色髪で長髪。目の色は青。身長20cm。頭にティアラをつけていて、水色のワンピース(ドレスに近い)を着ている。
ストーリーの都合上細かくキャラ紹介できませんでしたが、許してください(汗)
ではでは!最後までみてくださった方ありがとうございました!