Hope possess
樹「ふぁぁあ…」
朝5時半。いつもより大分早く起きた…。
今日はとある事情により学校は休み。そして今日は、
樹「…お兄ちゃんは…やっぱりまだ寝てるよね」
ていうか、休みだから8時起きだろうな…
パンをトースターで焼き、
『○×市第二中学校で、謎の化け物が出現。その化け物は、
ああ、やっぱり昨日のことは大問題になっているんだ。
『現在、怪我人達は入院しているが、回復の見込みはなく、
…大丈夫かな、火奈美ちゃん。
ニュースの内容からして、不安しか残らない…
でも、今は火奈美ちゃんの回復を祈るのみだ。
樹「…ふぅ、ニュースは確認できたし、
『次のニュースです。1年前に行方不明になった、日野 美怜(ひの みれい)ちゃん(小学5年生)が、未だに見つかっておらず、
樹「…?」
テレビを消そうとした瞬間、次のニュースが流れた。
なんでも、小学5年生の女の子が行方不明になっているらしい。
そして、ニュースで出たその女の子の写真は、
樹「…んー」
だがどこで見たのかは、ぱっと思い出せず、
6時頃、○×公園。
待ち合わせの場所、待ち合わせの時間にやってきた。
…この公園は、私とミレーナさんが初めて戦った場所、
そして私が怪物と戦うことになってしまったきっかけの場所である
由「お待たせ!樹理華ちゃん!」
翼「ふぁぁ…だるいわ…おはよ」
樹「皆おはよう!」
ア「やっほほい!」
ソ「…」
由「さあ、さっそく精霊を探すわよ‼︎」
今日の由乃ちゃんは、一段とやる気に満ち溢れている…。
翼「はりきってるところ悪いけれど、
由「ない‼︎」
翼「…どうやって探す気だったの…」
由「え?いやぁ、ほら、精霊なら、
ア「んんー、まぁ、気配で感じとれるっちゃとれるけど、
ソ「同じく。」
由「う、うむぅ…」
翼「…ま、この町にいることを願って、
由「そーね!じゃあまずは学校から!」
学校にて。
今日は、やっぱり臨休なので、誰もいなかった。…すごく静かだ。
樹「アラルちゃん、精霊の気配は?」
ア「うむむ…ダメだね、0だよー」
樹「そっか…じゃあ、他をさがそ!」
大「あんれれー?そこの女子さんらなにしてんのー?」
樹「か、鹿島さん!」
声のする方へ向くと、私服姿の鹿島さんがいた。
由「鹿島…あんたこそなんでこんなところに」
大「聞いてんのこっちなんだけどねぇ。ま、いいや、
翼「…臨休なのに散歩って…」
大「そういう君らは何してんのさ?
由「…私達は、精霊を探してんの」
大「ん?」
かくかくしかじか…
大「…ふーん、なるほど?つまり昨日の怪物に仕返し…
樹「…はい。…あの、鹿島さん、ありがとうございました。」
大「…は?一体なんのこと?」
樹「あの時、鹿島さんがはっきりと言ってくれなかったら、私、
大「…嫌味を言って感謝されるなんて…」
鹿島さんは、ブツブツと何かを呟いた。
樹「え?今なんて?」
大「いーや?何も?で、話戻すけど、仇討ちするんでしょ?」
…き、気になる、なんて言ったか…
由「ええ!それに、樹理華ちゃんたちの役にも立ちたいし!」
大「…相変わらず友達思いというかなんというか。」
鹿島さんは、また呆れた表情をしながら言ったが、今回は、
大「…ま、いーや。それ、僕も協力してあげるよ」
樹「え、いいんですか?」
大「うん。僕も精霊見えるみたいだし、暇だし」
ア「ちょっ、そんな軽い理由で!」
大「あ、じゃあ協力しなーい。バイバイ〜」
由「あ、待って‼︎協力してよ大地‼︎」
翼「え?呼び捨て?」
樹「え?」
大「…」
鹿島さんと由乃ちゃんは、どういうわけか、「しまった」
大「…あー、まぁ、うん、超お嬢様の園澤さんのたのみだし、
由「そ、そそ、そーう?まぁ、感謝しておくわねー、鹿島君?」
翼「…なんなの?あれ。」
樹「…さ、さぁ?」
よくわからないけど、由乃ちゃんと鹿島さんは…
○×病院にて。
この病院は、現在火奈美ちゃんが入院しているところだ。
翼「まさかとは思うけど、精霊が病院にいるとでも言うつもり?」
由「いやー、いるかもしれないじゃない?それに、
由乃ちゃんは、近くを通りかかった看護婦さんに、
樹「…あ」
そういえば、今朝のニュース…
『次のニュースです。1年前に行方不明になった、日野 美怜(ひの みれい)ちゃん(小学5年生)が、未だに見つかっておらず、
行方不明の子と、火奈美ちゃんの苗字…どちらとも『日野』だ。…
偶然同じ苗字ってだけ…かな?
あ、でも待って、ニュースで出た女の子の写真、
もしかすると、ニュースで言っていた美怜ちゃんというのは、
由「むー、そうですか。」
翼「看護婦さんはなんて?」
由「火奈美はいるけど、面会謝絶だそうよ。
翼「うわ…本当、派手にやってくれたわね、あの怪物」
大「…怪物って、あのミレーナってやつ?」
由「違うわ。
大「…ふーん?」
ア「樹理華ちゃーん‼︎」
樹「ん?どうしたの?アラルちゃん」
ア「精霊の気配がしたよ!」
樹「ほ、本当に?」
ア「うん!この建物の、1番上!」
翼「…とすると、屋上ね。行きましょ」
ア「おー!」
由「行くわよー‼︎」
翼「病院内なんだから静かにしなさい」
ア「…」
由「…」
大「あ、石になった」
屋上にて。
屋上にたどり着くと、そこは誰もいな…くはなかった。
そこには黒い髪で、目つきの鋭い男の人…ヒロさんが、いた。
ア「あー‼︎この前の怪物の1人ー‼︎」
ヒ「…遅えよ、お前ら」
樹「…え?」
まるで、
ヒ「…精霊はこの屋上に隠れてるみたいだからな。
ア「…!ど、どこに隠れてるの⁉︎」
ヒ「知るか、んなの俺の知ったこっちゃねぇ」
ア「う、うぐぐ!こんの怪物がぁぁ‼︎」
ヒ「…怪物…」
樹「…?」
ヒロさんは、少し俯いた…けど、再び顔を上げ、言った。
ヒ「…なぁ、怪物と人間って、紙一重だと思うんだよ、俺。」
樹「…どういう、ことです?」
ヒ「…お前ら人間の世界には、
翼「…なにがいいたいのよ」
ヒ「いや?言いたいことはこれだけだ。じゃあな」
ア「…って待たんかい‼︎
ヒ「そうだけど?」
ア「は、はぁ⁉︎なんなのー⁉︎あんた⁉︎」
ヒ「じゃあな」
ア「はぁー⁉︎ちょっとー‼︎」
ヒ「…そうそう、ユウの爪の毒は、そう簡単に消えないからよ。…
ア「ムキー‼︎またんかい‼︎」
翼「…今まで会ったやつらより、随分と落ち着いてるわね…
樹「…」
ヒロさんは、アラルちゃんの言葉を無視して、
ア「もーっ‼︎なんなのあいつー‼︎」
由「…アラル、何であの怪物に対してそんなに怒ってんの?」
大「んー、2話見ればわか…おっと口が滑った」
由「え…今何て?」
大「いやいや、なにも言ってないですよー」
…ヒロさんのあの言葉、あれは…なにか裏がある気がする。
ソ「…由乃、精霊いた」
由「…‼︎⁉︎え、マジで⁉︎」
ソ「…マンホールの中から、気配する。」
マ、マンホール…何でその中に…
ソ「…翼、開けて」
翼「任せなさい、こんなこともあろうかと、
由「…どんなことがあると思ったの?あんた…」
数分後。
翼ちゃんは、マンホールを開け、中にいた精霊さんを外に出して、
マンホールの中にいた精霊さんは、
?「ふにゃふにゃぁ〜あれれれ〜?僕はレーロに閉じ込められて〜
この精霊さんも、やっぱり小さくなっている。
マ「あ〜人間さん一杯いる〜。精霊も〜。あのね〜ボクはマッド〜
樹「…は、はい」
マッド…さんの口調、ほんわかで、
由「マッド!お願い、力貸して!」
マ「ふにゃぁ〜。結果張ってあるはずなのに〜君、僕見えるの〜?
由「見える見える!だから‼︎」
マ「…い〜よ〜じゃあボクの名前…言って〜ふにゃぁ〜」
由「わかったわ!マッド!」
マ「いくよ〜」
…しーーん。
由「…あれ?何も起こらないんだけど?」
マ「…あ〜えっと〜ボクの力は〜君には合わないみたいだね〜」
由「はぁあぁあぁ⁉︎合うとか合わないとかあるの⁉︎」
マ「そりゃあ、あるよ〜。」
…あるんだ…。
あ、じゃあ、アラルちゃんの力は、私に合ってる…のかな。
由「そ、そんなっ…‼︎せっかく見つけのに!」
マ「ごめんね〜、人間さん〜」
ア「マッド、じゃああなたの力を貸すにふさわしい人間って、
マ「…う〜ん、起きたばかりだからなぁ、わからない〜」
大「ちょっとちょっと、早く目ぇ覚ましてよね?寝坊助精霊」
マ「……」
大「…な、何?」
マッドさんは、じーーっと、鹿島さんを見つめていた。
マ「…じぃー」
大「効果音を言わんでいーからっ!で、なんなのさ」
マ「…ボクの名前〜言って〜」
大「は、はぁ?」
樹「…翼ちゃん、これはまさか」
翼「そのまさかで間違いないでしょうね」
由「んん?」
大「…しょうがないなぁ。」
鹿島さんは、すごくだるそうにマッドさんの名前を言った。
大「…ねえ、なあに?この格好」
マ「えっとね〜変身だよ〜」
大「それはわかるよ。蒼野さんが変身してたとこ、僕見たし。
樹「あ、あはは…」
鹿島さんは、いつも呆れた表情なのに、
マ「だって〜キミ〜ボクの力使いこなせそうだったんだもん〜
大「っ……ま、いーや、僕も精霊見えてたんだし、
が、立ち直りは早く、
由「⁉︎な、何で鹿島が先に…あぁあぁ」
逆に、由乃ちゃんは、頭を抱えながら嘆いていた。
マ「えへへ〜よろしく〜……ふにゃぁ」
大「…な、なに?今度は?」
マ「…ボク〜考えてみれば〜キミの名前知らないや〜」
大「」(ズサーッ‼︎
ア「あ!ずっこけた!」
大「…大地だよ、鹿島大地!」
マ「あはは〜、そっか、ダイチ君よろしくねぇ〜」
大「……ったく、調子狂うなぁ、こいつ」
…案外、鹿島さんとマッドさんは、いいコンビかもしれない…
由「うぅ…鹿島が戦えても、私が戦わなきゃ意味ないってのに…」
樹「ゆ、由乃ちゃん!大丈夫だよ!
ア「えっ、あ、うん…」
ソ「緑の精霊リーナ、水の精霊ウォルダ、炎の精霊ファルラ、
ア「………」
マ「ボクもいるよ〜?」
ソ「わかってる。ここにいる精霊は
、星の精霊アラル、地の精霊マッド、そして風の精霊ソーナが私。
ア「…」
由「じゃ、じゃああと4人精霊いるのね!よし!探すわよ!」
翼「…だから、どうやって?」
由「う、それは…」
マ「任せて〜えへへ〜ボクは察知能力…かなぁ?
由「じゃ、じゃあ!精霊の居場所わかる⁉︎」
マ「うん〜。大地君〜。精霊の居場所察知して〜。」
大「は?何で僕⁉︎」
マ「まぁまぁ〜、他の人間さんにも教えとこうと思って〜。
樹「…へ、へぇ」
翼「ソーナの力は…確か音に敏感になって、
ソ「…」
樹「なるほど…アラルちゃん、アラルちゃんは何か使えるの?」
ア「ギクッ…」
樹「ん?アラルちゃん?どうしたの?」
ア「あー、あー、えっとー」
アラルちゃんは、突然焦り出した。ど、どうしたんだろう…
ア「ご、ごめんねー、樹理華ちゃん、私だけ、
樹「え…そうなの?」
ソ「それはあり得ない…アラルは精霊の中で一番…うぐっ」
ア「ソーナは黙ってて!」
アラルちゃんの様子が変だ…なんだろう、
ア「あ!大地!精霊の場所わかった⁉︎」
大「んー?まぁね。緑の精霊だっけ?そいつの場所がわかったよ。
ソ「……さっき、そこにいたけど精霊の気配はなかった。」
大「えー?でも緑の精霊はそこにいるよ。
樹「…そうですね、他に手がかりはありませんし、行きましょう!
……由乃ちゃんと鹿島さんの事、火奈美ちゃんと日野 美怜ちゃんの事、ヒロさんの言葉の意味、
大「…アラルー」
ア「な、なに⁉︎」
大「とりあえずフォローしてあげたからよかったものの、
ア「うっ‼︎」
大「…ま、何を隠しているかは知らないし興味ないけど、
ア「だ、大地…」
由「鹿島ー⁉︎アラルー⁉︎早く来なさいよ!」
大「はいはーい、今行きますよーっと…じゃ、そういうことで、
ア「…わかった。
……バレる覚悟…」
ー続く。
はい、終わりました!
今回は伏線だらけのお話でしたね、うん((
毎回毎回意味不明な部分がないか不安ですが、大丈夫ですかね…
キャラ紹介です!
マッド 男
地を司る精霊。のほほんとした性格で、のんびりとした口調で、
容姿・・・目の色は茶色で、黒に近い茶髪。
ではでは!最後まで見てくださってありがとうございました!