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名無しのバットエンド 虹色ペンギン編

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この物語はフィクションです。実際の人物、団体名とは関係……ので、ご了承ください。
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とあるところに、1人の透明人間がいました。

透明人間はいつもいつも誰にも気付かれずに、お気に入りのペンでひとりで絵を描いていました。

でもそんなある日、透明人間は友達が欲しくなりました。

だけれど透明人間は誰にも見えません。誰にも気付かれません。ひとりぼっちなのです。ですが透明人間は考えました。

透明人間はお気に入りのペンで自分に色を塗ることにしました。すると、透明人間はたくさんの人たちに注目されました。

色を得た透明人間は皆のアイドルになりました。

アイドルになった透明人間はさらに人気になるべく、明るい色、大人しい色、強気な色、他にも、皆に好かれるような様々な色を演じました。

けれど、人気者の日々はそう長くは続きませんでした。

透明人間の色は日に日にごちゃまぜになっていきました。

ごちゃまぜになった色はだんだん汚くなり、ドス黒く淀んでいきました。

周りの人たちは透明人間を気味悪がるようになり、透明人間から離れていきました。

透明人間は再びひとりぼっちになりました。

透明人間はドス黒く淀んだ色を綺麗に落とそうとしました。けれどどんなに洗っても汚い色は落ちません。

透明人間は自分の色がわからなくなりました。

だけど気付きました。自分は元から透明。色無し人間だと。

元から無いものを無理矢理創りだした結果、結局なにも変わらなかった。

その事に気付いた透明人間は、もう生きてる意味がない、と悲しみ、ただただ、誰にも気付かれない場所で餓死するのを待っていったのでした。めでたしめでたし。』