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マイ ネーム イズ マイ

不定期更新しますですー

探偵ピエロは今日もおかしく

「あははははハハ‼︎」

僕の妹、ドリピスは、今日も面白可笑しく笑っている。

「…あはははは。」

僕も妹と一緒におかしく笑う。

…自覚はあるんだ。妹に操られているって。僕には常に10本の糸が絡まっている。

だけどその糸は案外簡単にほどけたりするんだ。何故ほどかないか。簡単な話だ。

ドリピスは異常な程に僕に依存している。…少し前、色々あって。そのせいで。

ドリピスは僕がいなくなるとすぐに無関係の人たちを『自分と同じ』ようにする。僕はそれを防ぐためにドリピスと常に一緒にいる。

言い方が悪いけど、ドリピスは別に嫌いじゃない。昔から一緒にいるし、むしろ好きな方だ。兄妹として。



…僕たち兄妹は物心ついた時から荒れた高原で暮らしていた。

どこで生まれたのか、どこから来たのか、僕たちにはなにもわからなかった。

でもそんな僕たちにはちょっと不思議な力があった。

僕には心をバラす力。…心をバラすって言い方はちょっとわかりにくいから、簡単に説明すると、人の心を無理矢理こじ開けて、本音を言わせる力。

妹は心を操る力。自由自在に人の心を操る事が出来る。ただし25m以内に誰かがいないと効果がないけど。

後は、僕たちは動物の姿に変幻できるということ。僕は黒ウサギ、妹は白ウサギに変幻することができる。変幻という言い方はおかしいかもしれない。だって僕たちは元から黒ウサギ、白ウサギだったかもしれないから。

「アハハハハハハハハ‼︎ドルピスー‼︎タマノリシテアソボーヨー‼︎アハハハハハハハ‼︎」

ああ、またドリピスが呼んでいる。アソバナキャ、アソバナキャ。

ドリピスカラハナレチャイケナイ。

ダッテドリピスハボクノセイデ……

アレ?ボクノセイデ?ボクノセイデドリピスニナニガオキタンダー?ワカラナイナ、アハハハハハハハハ。

「ドルピス‼︎」

アア、ゴメンネドリピス。ボーットシテテ。スグイクカラサ。

「ドルピス‼︎ドルピス‼︎キイテキイテ‼︎」

ドリピスガヤミイロニキラキラシタメデコチラヲミテクル。

「マジョサマガニンジンクレタ!」

マジョサマ?マジョサマッテダレダロ。アソコニタッテルオンナノヒトカナ?

「やっほー、サルクちゃんことサルクダリアちゃんだよぉ」

サルクチャン。

「マジョサマって呼んでもいーよ?」

ジャアマジョサマデイッカ。

「ねえねえ、白ウサギちゃんにお願いしたいことがあってぇ。ちょっと白ウサギちゃんを借りてっていい?黒ウサギ君」

カリル?ソレッテボクカラドリピスヲハナスッテイウコト?ソレハ…

「ダメダメマジョサマ!ドリピスハボクガイナイトオカシクナルンダカラ」

ボクハプンプントオコリ、マジョサマヲポカポカタタイタ。マジョサマハクスグッタカッタノカ、クスクストワラッテイタ。

「うふふ、不思議ー。××前の事でも感覚的には覚えてるんだぁ。面白いねー。これはペルーノちゃんも期待かな」

…?

マジョサマノコトバハスベテイミガワカラナカッタ。

『感覚的には覚えてるんだ』

ナニヲオボエテルノ?ボク。

『ペルーノも期待かな』

ペルーノ?ダレ?ソレ。

「……」

マジョサマハニヤニヤトワライ、クチヲヒライタ。

「じゃあさー、黒ウサギ君もくる?」

「…イク!」

アタリマエダヨ。ドリピスハボクガイナイトオカシクナル。モトカラオカシイケド、サラニオカシクナルンダカラ。イロンナヒトタチニメイワクガカカル。

「やったー!サルクちゃんうーれしい!」

マジョサマハウレシソウニピョンピョントハネタ。

「デ、マジョサマー!オネガイッテ?」

ドリピスガマジョサマニトウ。

「えっとー、んっとー、」

マジョサマハワザトラシクイウコトヲタメラッテイル。ココハボクノデバンカナ

ディスクロージャー‼︎」

ボクハチカラヲツカイ、マジョサマノココロノナカノホンネヲイワセタ。

「『黒ウサギ君と白ウサギちゃん可愛いなぁー‼︎キュートだよー!』」

ホラデテキタ。ホンネ。デモ、コレダケ?コレダケ?ナンダカアッケナイナァ。

「うふふ、呆気ないって思ったでしょ!」

ワァ。ココロヨマレタ。イガイトマジョサマハスルドイナァ。イヤ、タダタンニボクガタンジュンナダケカァ。アハハ。

「ふふ、だってわざと力を使わせ…」

マジョサマハブツブツトアヤシゲニナニカヲツブヤイタ。クスクストワライナガラ。

「ああ、ごめんねー、黒ウサギ君!独り言だから気にしないでー!

ムー。ソンナイイカタサレルトキニナルジャナイカ。

ボクハマジョサマニシツコくキイタ。ダガデテクルコタエハアヤシゲナワライ声ダケ。ボクノチカラヲツカッテモワライ声シカデテコナカッタ。

「あははー、黒ウサギ君ー、しつこいってばー!」

「ドルピスー?ダイジョブ?」

ドリピスガシンパイソウナメデボクヲミテクル。アア、ゴメンネ、ツイコウフンシチャッタ。キミノノゾムトオリオトナシクスルカラサ。ユルシテ。

「もー、拗ねないで黒ウサギ君!じゃあ独り言の内容をちょっとだけ教えてあげるからぁ。」

ホントカナ?マタワライ声ダケシカデテコナインジャ………

 

 

 

 

 

 



「あなたのその心をバラす力、あなた自身の存在意味を消しているとは思わない?ねえ、探偵ピエロちゃん」

…タンテイ…探偵ピエロ?なに?探偵ピエロって……?

痛っ…な、なんで頭痛が…!あ、あア、いつのまにか糸が外れてる。戻さないと、戻さないと。ドリピスが。ああぁぁぁぁぁ。

「探偵が超能力に頼っちゃうなんて。サルクちゃん呆れちゃうー」

探偵?探偵ってなぁに?ねえ教えてよ魔女さま。

「教えてよ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」

僕は声が枯れるほど大きな声で叫んだ。

「…なるほどぉ、妖精はNGワードやその他諸々に関する事を言うとおかしくなるってのは本当なんだねぇ」

「なんなんですか⁉︎なんなんですか‼︎さっきから‼︎⁉︎ねぇ‼︎あははははははは‼︎⁉︎」

「ドルピス?ネェ、サッキカラダイジョブ?」

ごめんドリピス、今は君の言いなりになれそうにない。さっきから全身の痛みが止まらないんだ。まるで5本の凶器を体中に刺されたかのように。あははははは。あはははははは。

「マジョサマー!ドルピスニナニシタノ‼︎」

「ん?なにもしてないよっ!なんにも!」

「ム‼︎デ、デモドルピス、グアイワルソウ‼︎タスケテアゲテヨ‼︎」

「えー?じゃあ白ウサギちゃん、お願いがあるの。この青い液体が入った瓶をとあるペンギンちゃんに渡してあげてほしいの。ここからだと場所はかなり遠いけれどぉ」

「ワタセバイインダネ‼︎ワカッタ‼︎…アー、デモ、ドルピスト、ハナレタクナイ‼︎イヤイヤ‼︎」

「黒…いや、ドルピスのため、だよ?ねぇ?このままじゃドルピス、死んじゃうかもしれないよー?」

「ドルピスノタメ‼︎…ワカッタ!ソレナラチョットデモガマンスル‼︎ジャアイッテクル‼︎」

「バイバーイ。頑張ってね!」

…ドリピスはそう言って、僕を心配そうに見ながら走り去って行った。

…ああ、待って。行かないでドリピス。キミは…僕から離れてしまったら…おかしくなってしまう。駄目だ、駄目だよ。行かないでドリピス。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…

…瞼が重くなる。体も痛い、…眠くなってきた。…死んじゃうのかな。僕。…そういえば昔、こんなことがあった気がする。

何者かに体中に5本の凶器を刺されて、苦しくて、誰にも助けて貰えなくて…

…いや、気のせいか。そんな出来事僕の記憶にない。僕はドリピスとずっと一緒だった。それ以外の記憶なんて空想上の出来事。そう、そうさ。




「…ふふふ。」

…魔女さまは僕を見ながらあざ笑っていた。そしてこう口を開いた。

「…依存してるのはどちら様、かな。」

 

…?……依存してるのはドリピスの、方さ。見ればわかるでしょう。鋭いあなたなら。わかるでしょう。

 

「…ふふっ、愚かな探偵さん。」

…僕はそれを聞いた瞬間すぐに意識を落とした。…そして、空想上の出来事の”悪夢”を見た。

『とあるところに、1人の探偵が……………