探偵ピエロは今日もおかしく
「あははははハハ‼︎」
僕の妹、ドリピスは、今日も面白可笑しく笑っている。
「…あはははは。」
僕も妹と一緒におかしく笑う。
…自覚はあるんだ。妹に操られているって。
だけどその糸は案外簡単にほどけたりするんだ。
ドリピスは異常な程に僕に依存している。…少し前、色々あって。
ドリピスは僕がいなくなるとすぐに無関係の人たちを『
言い方が悪いけど、ドリピスは別に嫌いじゃない。
…僕たち兄妹は物心ついた時から荒れた高原で暮らしていた。
どこで生まれたのか、どこから来たのか、
でもそんな僕たちにはちょっと不思議な力があった。
僕には心をバラす力。…
妹は心を操る力。自由自在に人の心を操る事が出来る。
後は、僕たちは動物の姿に変幻できるということ。僕は黒ウサギ、
「アハハハハハハハハ‼︎ドルピスー‼︎
ああ、またドリピスが呼んでいる。アソバナキャ、アソバナキャ。
ドリピスカラハナレチャイケナイ。
ダッテドリピスハボクノセイデ……
アレ?ボクノセイデ?
「ドルピス‼︎」
アア、ゴメンネドリピス。ボーットシテテ。スグイクカラサ。
「ドルピス‼︎ドルピス‼︎キイテキイテ‼︎」
ドリピスガヤミイロニキラキラシタメデコチラヲミテクル。
「マジョサマガニンジンクレタ!」
マジョサマ?マジョサマッテダレダロ。
「やっほー、サルクちゃんことサルクダリアちゃんだよぉ」
サルクチャン。
「マジョサマって呼んでもいーよ?」
ジャアマジョサマデイッカ。
「ねえねえ、白ウサギちゃんにお願いしたいことがあってぇ。
カリル?ソレッテボクカラドリピスヲハナスッテイウコト?
「ダメダメマジョサマ!
ボクハプンプントオコリ、マジョサマヲポカポカタタイタ。
「うふふ、不思議ー。××前の事でも感覚的には覚えてるんだぁ。
…?
マジョサマノコトバハスベテイミガワカラナカッタ。
『感覚的には覚えてるんだ』
ナニヲオボエテルノ?ボク。
『ペルーノも期待かな』
ペルーノ?ダレ?ソレ。
「……」
マジョサマハニヤニヤトワライ、クチヲヒライタ。
「じゃあさー、黒ウサギ君もくる?」
「…イク!」
アタリマエダヨ。ドリピスハボクガイナイトオカシクナル。
「やったー!サルクちゃんうーれしい!」
マジョサマハウレシソウニピョンピョントハネタ。
「デ、マジョサマー!オネガイッテ?」
ドリピスガマジョサマニトウ。
「えっとー、んっとー、」
マジョサマハワザトラシクイウコトヲタメラッテイル。
「ディスクロージャー‼︎」
ボクハチカラヲツカイ、
「『黒ウサギ君と白ウサギちゃん可愛いなぁー‼︎
ホラデテキタ。ホンネ。デモ、コレダケ?コレダケ?
「うふふ、呆気ないって思ったでしょ!」
ワァ。ココロヨマレタ。イガイトマジョサマハスルドイナァ。
「ふふ、だってわざと力を使わせ…」
マジョサマハブツブツトアヤシゲニナニカヲツブヤイタ。
「ああ、ごめんねー、黒ウサギ君!独り言だから気にしないでー!
ムー。ソンナイイカタサレルトキニナルジャナイカ。
ボクハマジョサマニシツコくキイタ。
「あははー、黒ウサギ君ー、しつこいってばー!」
「ドルピスー?ダイジョブ?」
ドリピスガシンパイソウナメデボクヲミテクル。アア、ゴメンネ、
「もー、拗ねないで黒ウサギ君!
ホントカナ?マタワライ声ダケシカデテコナインジャ………
「あなたのその心をバラす力、
…タンテイ…探偵ピエロ?なに?探偵ピエロって……?
痛っ…な、なんで頭痛が…!あ、あア、
「探偵が超能力に頼っちゃうなんて。サルクちゃん呆れちゃうー」
探偵?探偵ってなぁに?ねえ教えてよ魔女さま。
「教えてよ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
僕は声が枯れるほど大きな声で叫んだ。
「…なるほどぉ、
「なんなんですか⁉︎なんなんですか‼︎さっきから‼︎⁉︎
「ドルピス?ネェ、サッキカラダイジョブ?」
ごめんドリピス、今は君の言いなりになれそうにない。
「マジョサマー!ドルピスニナニシタノ‼︎」
「ん?なにもしてないよっ!なんにも!」
「ム‼︎デ、デモドルピス、グアイワルソウ‼︎
「えー?じゃあ白ウサギちゃん、お願いがあるの。
「ワタセバイインダネ‼︎ワカッタ‼︎…アー、デモ、
「黒…いや、ドルピスのため、だよ?ねぇ?
「ドルピスノタメ‼︎…ワカッタ!
「バイバーイ。頑張ってね!」
…ドリピスはそう言って、
…ああ、待って。行かないでドリピス。キミは…
…瞼が重くなる。体も痛い、…眠くなってきた。…
何者かに体中に5本の凶器を刺されて、苦しくて、
…いや、気のせいか。そんな出来事僕の記憶にない。
「…ふふふ。」
…魔女さまは僕を見ながらあざ笑っていた。
「…依存してるのはどちら様、かな。」
…?……依存してるのはドリピスの、方さ。見ればわかるでしょう。鋭いあなたなら。わかるでしょう。
「…ふふっ、愚かな探偵さん。」
…僕はそれを聞いた瞬間すぐに意識を落とした。…そして、
『とあるところに、1人の探偵が……………