出来損ないのキチガイピエロは嗤う
どこへ行ってもそう。
私はおかしい奴。
例えるならば多数決で必ず1人だけ除け者になるくらいおかしい奴
私の考え、思考はいつだっておかしい。狂ってる。
…って、みんなが言う。
正直言って私のどこがおかしいんだろ。
虫の××で遊んだりワンちゃんを××××
ガラクタで遊ぶ事にどんなおかしい事があるんだろうか。
あー。わからないわからない。
答えがわからないならもういっそのことみんな私と同じようにおか
と、ふと思ったらなんか不思議な力を手に入れたよー?
人の心を操る力を手に入れちゃったー。
これでみんな私と同じになれるね。
あはは。これでみんなおかしい。私と一緒だよー。あははははは。
×××して遊ぼうね
×××××して遊ぼうね
みんなで楽しいタノシイおままごとしようね
あははははは。楽しい楽しい。
………………あー。
何だか楽しくなくなってきた。
みんな私の思い通りにしか動かない。まるでお人形さん。
飽きた。飽きたよ。
でも操りでもしないとみんな私の事おかしいおかしいって言うんだ
そしたら誰も遊んでくれない。嫌々。イヤイヤ。
ひとりぼっちはさみしいもん。さみしいんだもん。
あっれれー?目から赤い液体がでてくるよー?なにこれー。
「ひとりにしないから」
黒いウサ耳が生えた”お兄ちゃん”
あれあれ。私今誰かを操ってるっけ。あはははは、
「許して…」
お兄ちゃんは私を抱きしてきた。で、『ごめんなさい』『
お兄ちゃんの涙も絵の具の匂いがした。涙の色は白はだった。
「君がこうなったのは僕のせいだ。
お兄ちゃんはグスグスと泣きながらこう言った。
助ける?助けるってなにかなお兄ちゃんはなんにもしてないよ。
…うーん。なんだろ、
「うっ…うぅっ…うぐ…」
よく見るとお兄ちゃんもなにかの痛みに苦しんでいた。
面白……い。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
お兄ちゃんはもがき苦しみながら私に何回も謝ってくる。
……………………。
お兄ちゃんも苦しい。私も苦しい。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
しつこいよお兄ちゃん。もういいって言ってるよね。
「…いい加減にしないとお兄ちゃんまで操るよ?いいの?」
いつもおかしく笑っていた私は初めて怒った。
「…いい、よ。君が望むなら、赦してくれるなら、
そう言うとお兄ちゃんはついに息絶えたかのように気絶しちゃった
お兄ちゃん。
私の事を思ってくれるの、お兄ちゃんだけなんじゃないかな。
…じゃあさ、お兄ちゃん。なんだってするって言ったよね?
あはははははハハハハハハハハハ。
…気がつけば、私はお兄ちゃんの心を無意識に操っていた。
…私は彼の記憶も私自身の記憶も全て操った。
「ドルピスー‼︎」
「ドウシタノドリピス‼︎」
ルンルン、キョウハソラガクモッテテイイテンキダナ!
「ニンジンヒロッタ!タベヨウタベヨウ!」
「タベヨウタベヨウ!」
もぐもぐもぐもぐ。
ウン!ヤッパリオイシイネ‼︎サッパリニンジン‼︎
「アー、オイシカッタ!」
「ドルピスタベルノハヤーイ!」
サスガドルピスー、オンナノコノミーニニテルトハイエ、
「アハハハハハハ‼︎」
「…アハハハハハハ」
ソレニシテモキョウハナニシテアソボウカ?タマノリ?
ンー。ヨシ!キョウハタマノリノキブンダカラタマノリシヨッカ!
「ドルピスー‼︎タマノリシテアソボーヨー‼︎アハハハハハ‼︎
ウーン!タノシミダナ!アソブノ!…ン?アソコニヒトガイル。
「やっほぉ白ウサギちゃん」
白ウサギチャン。ミーカナ?
「ハイ、このニンジンあげるー」
ワー‼︎シラナイヒトカラニンジンモラッター‼︎ワーワー‼︎
「うふふ、喜んで貰えてよかったぁ。あ、私はサルクちゃんー。
マジョサマ‼︎ミリョクテキナヒビキ!スゴイスゴイ、
ハヤクドルピスヨバナキャ。コノヒトショウカイシタイ!アレ?
「ドルピス‼︎」
ミーハオオゴエデドルピスヲヨンダ。ドルピスハスグキテクレタ。
ドルピスハミーノイウコトナラナンデモキイテクレルカラネ!
ダケド、キイテクレナイトキガアッタ。ソウ、
「なんなんですか⁉︎なんなんですか⁉︎さっきから‼︎ねぇ‼︎
ドルピスハミーガワラオウッテイッテモイナイノニクルッタヨウニ
…この狂った笑い声には聞き覚えがあった。まるで昔の私。
シンパイシテモシンパイシテモ、
マジョサマ、ドルピスニナニシタノ。
「なにもしてないよっ!なんにも!」
ウソダ。マジョサマガ「探偵ピエロ」ナンテイウカラドルピスハ…
…ピエロ?…聞き覚エがあるヨウな。
ダ、ダメダメ、ソンナノキニシチャ。
「ム‼︎デ、デモドルピス、グアイワルソウ‼︎
ミーハマジョサマニヒッシニポカポカタタキナガラオネガイシタ。
「んむー、出来損ないのピエロちゃんはブラコンちゃんだねー、
…?イマナンカイッテ……
「えー?じゃあ白ウサギちゃん、お願いがあるの。
マジョサマハナニゴトモナカッタカノヨウニハナシヲツヅケタ。
ミーハマジョサマノオネガイヲウケ、ハナシデキイタペンギンニ、
…………………
「んむー、出来損ないのピエロちゃんはブラコンちゃんだねー、
ペンギンニアイニハシッテルナカ、
なにかに押しつぶされているような感覚だけだった。