ダンガンロンパR Despair city ≪序章-3≫
※※これからはわかりやすいようにセリフに生徒には名前つけておきます!(例 樹力→樹「」)
『うぷぷぷぷぷ!』
煙が晴れて笑いながら、ぽよよーん、と間抜けな効果音と共に現れたのは、二足歩行の白と黒の可愛いデザインのクマだった。
『ぶひゃひゃひゃ!オマエラ!おはようございます!』
入「ヾ(^∇^)オハヨー♪」
樹「なに普通に挨拶してるの入菊君!?」
何も驚きもせずに平然と挨拶している入菊君にツッコミを入れる。それと同時に板是君までノリに乗ったかのように挨拶する。
密「ママ、なにあの変な生き物…人間でもないし、動物図鑑にも載ってないし…。」
『コラー!変な生き物とはなんだ!ボクはモノクマ!オマエラのだーいすきな希望ヶ峰学園の、学園長なのだーっ!!』
密「わっ、びっくりした。ねえ、怖いよう、ママー。」
『もー!!ママママうるさいな!そんなにうだうだ言う子は、取り上げるぞー!!』
密「ちょっと…!?ママとパパを返して!!」
モノクマと名乗るクマらしきものは、密美津さんと一緒に話していた虫かごをあっという間に奪う。密美津さんはわんわんと泣き出していた。
『もー、最近の子供はしょうがないなあ。話が終わったら返してあげるからー。』
密「ぐっ…ひっく」
密美津さんは泣き出したまま泣くのを辞めない。ど、どうしよう…
宝「で?話ってなに。さっさと終わらせなさい。ここはどこ?あんたは一体何者?あんたみたいなのが学園長だなんてありえないわ。さっさと答えなさいこのノロマ」
空気を変えるように冷たい口調で宝錠さんが言葉の棘を刺す。の、ノロマって…初めて会った人に…いや、人ではないな。クマらしきものにためらいもなく悪口言うなんて、やっぱり、ある意味さすがだなあと思う。
『うぷぷ、罵倒された上に質問多いなあ。そう急かさないでよね、せっかちだなあ。えー、希望ヶ峰学園の入学生の皆さん、ようこそ!ノルンシティへ!!オマエラにはここで永久的にここで暮らしてもらいまーす!!』
樹「…えっ?」
ちょ、ちょっと待って。最初からツッコミ所がありすぎるよ!?ノルンシティってなに!?しかも、永久的にって!?どういうこと…?話についていけないのは私だけ、かな?一般人でモブ存在の私が突拍子のない話についていけないのは当たり前なわけで…み、みんなはどうなんだろう。周りの人たちの表情を確認しようと目だけを動かす。すると、中には私のように驚いて唖然としている人や、口をポカーンと大きく開いている人や、ぐすぐすと泣いている子や、興味なさそうにボーッと突っ立っていたりする人、他、様々な表情をしていた。ただ1つ、喜んだ顔をしたものは、誰もいなかった。
私は、すぐにでも冗談だと確認したかったが、私より先に青い髪の自衛隊さんが、静かにゆっくりと口を開いた。
蓮「…すみません、永久的にとは、つまり、いつまで…でしょうか?」
ここでやっと、にこやかに笑う者が現れた。しかし、この笑顔は喜びによるものではないと、鈍感な私にもすぐ理解できた。
『ちょっとちょっと、蓮楼寺クン、話聞いてなかったの?永久的にって死ぬまでずーっと!てことだよ!もう!小学生から勉強やり直してきたらー?』
蓮「…すいませんね、何分、国語は苦手なんですよねー。ちなみに、中学時代、国語の成績はずーっと2でした!」
府「Oh!意外だNA!ユーはテストとかバリバリ得意なんだと思ってたZE!低いんだNA!」
蓮「ええ、本当に苦手なんですよ…情けないです。2位なんて…」
府「What!?」
ズ「…自慢か?」
蓮「え?自慢?一体なんのことですか?こんなの自慢にならないですよ?2位なんて情けない順位じゃないですか…1番になり損ねた出来損ない…ですよ?」
ズ「…」
その言葉、1位にも2位にもなれない私に深く深く、グサグサッと突き刺さった。例えるならまるで心臓を包丁で2、3回以上刺されたように。…私にはいいから、全国の2位以下の学生さんたちに謝った方がいいんじゃないかな、蓮楼寺さん…。
宝「…話を戻すわよ」
キッ、と宝錠さんが目を細め、威圧を放つ。すると、仲良く会話していた板是君や蓮楼寺さんはあわあわしたりしながら黙り込んでしまった。
宝「あんたの話が本当なら、どうして私、いや、私たちがこんな場所で…永遠に過ごさなければならないの?理由を教えてもらえるかしら。」
『うぷぷぷぷぷ!ざんねーん!それは教えられません!でも、どうしてもここから出たいと言う人のために、いい方法があるよー?』
いい方法…?……なんだろう、すんごく嫌な予感がする。聞いてはいけないような、けど、聞かなきゃいけないような。でも、聞く事を迷っていても、どうせ聞かなければならないんだろう。私は唾を飲み込み、ぐっと体中に力を入れながら耳を立てた。どうか物騒な事じゃありませんように。
『実は、どうしてもこの大都市から出たい人の為に、『卒業』という特別ルールが存在するのです!では、この特別ルールについて、説明していきましょーう。オマエラには、学園内での゛秩序゛を守った共同生活が義務付けられた訳ですが…もし、その秩序を破った者が現れた場合…その人物だけは、ここから出て行く事になるのです。それが『卒業』のルールなのでーすっ!』
輝「…その秩序とは、いったいなんなのだ?」
『うぷぷ、それはねー?』
モノクマはもったいぶって中々それを言おうとしない。言うなら言うで早くしてほしいけれど、それが言った言葉は私のほんのちょっぴり抱いていた希望を見事に打ち砕いてくれた。フラグを立ててしまったと言うべきだろう。
『それはー、人が人を殺すことでーす!』
樹「っ!?殺す!?ちょっと待ってよ!どうしてそんな!?」
『殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺…殺し方は問いません。『誰かを殺した生徒だけがここから出られる…』それだけの簡単なルールだよ。最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください。』
無視!?ひ、ひどくない!?ううう…
宝「…だから、どうして私たちが…」
『殺せとは言ってないよー?やるかやらないかはオマエラ自身が決めることだからね。』
飛「け、けど誰かを殺さないと…その、出られないんだろ!?」
『さっきからそう言ってるじゃーん、何度言ったらわかるの?』
飛「な、なんだよそれっ…!!ふざけんな!!」
『失礼な!ボクはいたって真面目だよ!』
墨「っ…!出来る訳ないでござろう!…ぜぇ、出会ったばかりのクラスメイトたちを殺すだなんて!ぜぇ、せっかくこれから仲良くやろうとしているのだぞ!!」
一「そうだよ!」
村「あ、あの、僕も人、殺したくない、です…」
『あれあれ、みんな乗り気じゃないねー?』
一「当たり前でしょ!殺人だなんて!出来るわけがない!!誰かを殺すくらいなら、ここで一生暮らした方が大分マシだよ!」
樹「や、八夂ちゃん!?」
一「だ、だって!殺人だなんて!私嫌だよ!?樹力ちゃんだって嫌でしょ!?」
樹「た、確かに嫌だけど、でも…」
ここで一生を暮らすなんて…ずっと此処に縛られて生きていくなんて…此処以外もうどこにも行けないなんて…、それも、嫌だ。
『本当に無理なの?』
一「無理だよ!!」
『あれあれー?いいのかなあ。』
ズ「…図々しいんだよ、もったいぶってないで、言いたいことははっきり言え。耳障りだ」
『しょぼーん…さすがのボクもそんなに悪口言われちゃ凹みますってー。』
宝・ズ「早くしなさい/しろ。」
2人揃って、同時に鋭い声で言う。怖い人の威圧、しかも2人同時にはやっぱりビビってしまう。
『えー、実はというと、オマエラは入学生だけど入学生じゃありません!!』
樹「…こ、今度は何?」
…もう、これ以上きても何が驚かないよ。ここで一生を暮らせ、とか、ここから出たければ殺し合いをしろ、とか、これ以上どんなことで驚けと言うのか。いや、ないだろう…
『オマエラは希望ヶ峰学園で過ごした記憶を失ってるんだー!』
「「…!?」」
…驚いてしまった。、驚いたのはやっぱり私だけではない。先ほど永久的に暮らせと言われた時のように、みんな焦った顔をしている。けれど『冗談』だと苦笑いしている人も多々いる。記憶を失っている?私たちが?希望ヶ峰学園での生活を?揃いもそろって?
伊「…夢でも見てんの?俺」
輝「残念だな、伊瀬。生憎これは夢ではない。明晰夢という意識も感覚もはっきりしている夢は存在するが、たった今頬をつねっても目は覚めなかった。古典的な手法だが、これで目が覚めなかったとは恐ら…いや、そもそも何故頬をつねるだけで夢から目が覚めると思うのだ?痛みを感じるからか?なら手のひらを叩くでもなんでも良いだろうに……」
伊「し、知るかよ。」
『うぷぷぷぷ!信じるかどうかは、オマエラ次第だよ!んじゃ、オマエラに電子生徒手帳を配っておくね。』
モノクマに配られた、もとい、押し付けられたのは、電子生徒手帳と呼ばれるカードのように薄いなにかだった。八夂ちゃんのスマートフォンに若干似てるな…。色々いじると、私の名前や個人情報が表示された。うーん、参ったな、私、こういう機械っぽいもの苦手なんだけどな…。
『これに校則とか色々のってるから、詳しくはこれ見てちょーだいな!んじゃ、バイバーイ!!あ、そうそう、この建物にはオマエラ全員の個室があるから、ちゃんと使ってちょうだいな!じゃあねー!』
樹「あ…」
モノクマは再び、間抜けな効果音と共に、姿を消していった。
…屋上に沈黙が流れる。ボソボソという小言も聞こえる。
府「…なんか、とんでもないことになったNA…」
輝「…全くだ。」
針「…あの、本当なのですかね?殺さないと…って。」
門「…!お前、まさか殺す気じゃないだろうなあ!?」
針「な、なんでそうなるのですかね!?私は、そんなつもりはないのででしてね!?」
門「ふん!おめーらだって!!ここからでようとなんか企んでるんだろ!!俺様にはわかるんだからな!!」
府「モンキー!だいたい、そういうユーはどうなんDAチェケラ!!」
門「誰がモンキーだ!!」
板「飛丸くん、ちょっと落ち着いて…」
門「るっせー!!」
板「うわっ!?」
樹「ちょ、ちょっと!!」
ああ、もう!あのクマがあんなこと言うから、みんな疑心暗鬼になって、更には飛丸さんがまた喧嘩腰になってる…!どうしよう!私なんかが仲裁したら、板是君みたいに『黙れ』とか『うるさい』とか言われて即アウトだろう。一体、どうすれば…?あ
一「喧嘩はダメ!!ストォォォォップ!!」
八夂ちゃんが、門起さんたちの間に大声で構えながら仲裁に入った。飛丸さんは一瞬怯えたが、すぐにまた喧嘩を売ってしまっている。
門「…っ!んだよ、お前!確か…やちたに!!」
一「あってるけどあってないよ!一谷!もしくは八夂!門起君、今はそうやって、誰にでもあたればいいってわけじゃないよ、わかってるでしょ?誰かを殺せ、なんて言われて怖い
気持ちはわかるけどさ。」
門「べ、別に怖くなんてねーよ!!俺様は無敵だからな!!人を殺すなんて、簡単だってーの!!」
針「っ…!?」
一「…ほら、そうやって、怖いという気持ちをみんなに見せるのが怖くて、ソウちゃんに当たって、見栄を張って、自分の気持ちを誤魔化してるんでしょ?…本当は人なんて殺せないくせにさ」
針「あ…そうなのでしたのね」
門「う…うぐっ!?」
門起さんは銃で胸を貫かれたように顔を歪ませ、ほんの少し涙目になっていた。図星のようだ。こうして見るとお母さんと息子のお説教の場面を見ているかのようだ。
一「怖いのはみんな同じなんだ。だから、いっこくも早くなんとかして、ここからでようよ!ここでごちゃごちゃ考えてちゃしょうもない!それに、もしこんなとこでうだうだして何もせず踏みとどまっていたら、あのモノクマってやつの思惑どおりじゃない?そんなのムカつくでしょ?ね?」
八夂ちゃんは飛丸さんに一喝を入れた後、私を含めみんなに向かって、一斉に声を挙げた。その八夂ちゃんの言葉は、どうしよう、どうしようと頭がぐちゃぐちゃになっていた私に、ほんの少しだけれど光を与えてくれた。
伊「…なんとかって、なんだよ」
一「そ、それは、まあ、後々考えるとして…」
先ほどまでのすごい気迫はどこにいったのか、伊瀬さんに睨まれると、八夂ちゃんの目線は魚のように泳いでいた。
蓮「…とりあえず、その『なんとか』をしてみましょう?」
一「…!蓮楼寺さん!!」
わあ…すごい嬉しそうな顔してる…。わかりやすいなあ…。
蓮「先ほどモノクマに配られた電子生徒手帳。色々書いてあるから見ろ、と言われましたし、そしてノルンシティと呼ばれるこの場所のことも、探索していけばなにかわかるかもしれません。一谷さんが言っているとおり、このまま何もしないよりは大分マシでしょう。」
蓮楼寺さん、みんなのまとめ役、指揮をする人に向いていると、この時思った。そりゃあ自衛隊だもの、生きてきた経験が違うというかなんというか…うん、言いたいことを簡単にまとめると、一般人の私にとっては恐れ多い人だなと言うことだ。
輝「…まあ、その通りだな。では、まず…入菊」
入「(・∀・)?」
輝「今まででてきた情報をまとめてくれないか。読者にもわかりやすいように。貴様は新聞記者だから、情報整理は得意だろう?」
入「('◇')ゞラジャ」
樹「真ん中あたりにメタい発言でてきたよ!!?」
入「……できましたどうぞ」
樹「そして早いね!?さすがは記者さん!!」
府「樹力、ツッコミおつかれだYO…」
入菊君は、ポケットからだしたメモ帳をビリっと破ると、それをみんなに見せた。
『モノクマという希望ヶ峰学園学園長を名乗る謎の生き物が現れる。そのモノクマは自分たちにここ(ノルンシティ)で一生を過ごせ、と言う。けれど、ここから出る方法ならあるとも言う。それは人を殺すこと。記述者である自分は殺人など絶対にしたくないが、モノクマは更に、自分たちは希望ヶ峰学園で過ごした記憶を忘れているという意味深な言葉を告げて、去っていった。』
入「今わかっている情報はこちらのとおりです他になにかわかったことがあったら随時追加していくのでご了承くださいどうでしょうか自分なりに簡潔にまとめたのですがわかりましたかね」
板「うーん、僕はちゃんとわかったけど、読者さんたちには伝わったかなあ?」
樹「だからメタいって!!」
板「あはは、ごめん。ごめん。」
墨「むむむ、にしても、本当なのでござろうか?我らが希望ヶ峰学園で過ごした記憶を失っているとは。」
確かに、信じがたいよね、私や、恐らく音々ちゃんや八夂ちゃんも、入学式のために学校に入る記憶はあるけど、それ以降の記憶はないし…。心当たりというものも、今のところないし。うーん、頭の引き出しを探っても探ってもなにもでてこない…。やっぱりあれはモノクマの嘘だったり?
村「…そ、その、記憶っていう曖昧なものから調べるよりも、今は確実にわかることから調べた方がいいと思うんだ。ほら、電子生徒手帳とかさ。」
伊「…ああ、これか。これ、俺の名前と校則(ルール)ってのが書いてあったぞ」
村「ひぐっ!あ、そ、そうなんですか!!!ぼ、僕まだちゃんと見てなかったです!!!ひぃぃ!!」
…?まただ、また村田さん、尋常じゃないほど慌ててる…。いったいどうしたんだろう。伊瀬さんが怖いのはちょっとわかるけどさ。
村「う、ううう…」
入「公太君女性恐怖症なんだってあと背の高い人も」
村「わー!!わー!!わー!!入菊君言わなくていいですから!!!」
入「…<m(_ _)m>ゴメンネ」
村「あ、謝らなくても、いい、からっ!!」
村田さんは涙目になって入菊君の口を塞ぐと、屋上の隅っこに移動してOrzのポーズをしてがっくりしていた。
…女性恐怖症だったんだ。どおりで、あの時あんな反応したわけだ…。
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白い髪の人は私たちに目をそらしながら、逃げるようにさよならー!!と言って門起さんと同じようにどこかへ行ってしまった。けど、
「ちょっと待ってよ、せめて自己紹介してよ。あなたも同級生なんでしょ?」
「な、なななななななな!!?」
八夂ちゃんは、ガシッと白い髪の人の服の襟を掴み、逃げるのをとめた。すると、白い髪の人は手や足をバタバタさせて、首を縦に何回も振っていた。八夂ちゃんは申し訳なさそうに服の襟をはなしてあげていた。
「む、村田 公太…です。よよ、よろしくお願いします…」
名前からして男の人か…髪の長い人って初対面じゃ男性か女性かわからなかったからな…それにしても、この人、今にも泣きそうだ。なにがそんなに怖いんだろう?もしやコミュ障だったり…?でも、それにしては怯えすぎているような…?
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入「…説明しておいた方が公太君のためにもなると思って言ったのが逆に悪かったみたいだ申し訳ない本当に」
村「…いや、いいんだよ、ぐすっ、うん…。」
…だ、大丈夫かな、あの2人、仲悪くならないといいんだけど…。
府「んで?校則ってなんDAなんDA?」
樹「えーと…あ、でてきた」
『1 生徒達はこのノルンシティだけで共同生活を行いましょう。
共同生活の期限はありません。
2 夜10時から朝7時までを”夜時間”とします。
夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。
3 就寝はノルンホテルに設けられた個室でのみ可能です。
他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
4 希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。
特に行動に制限は課せられません。
5 学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。
監視カメラの破壊を禁じます。
6 仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、
自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
- なお、校則は順次増えていく場合があります。 』
宝「…ふーん、殺人をしてもいいようなこの空間にも、ちゃんとルールってやつはあるのね。」
墨「そういうところはキッチリしてるのでござるな…。はあ。」
府「ふむふむ…んむ?ノルンホテルって、どこDA?」
蓮「それなら、この建物だと思われます。先ほど、モノクマがここに僕らの個室があると。…あと、実はここに来る前、僕と板是君、入菊君で屋上に来る前に途中にあった1、2、3、4階を調べたのです。」
一「おお!さっすが蓮楼寺さん!!」
板「ええ、ぼ、僕は!?」
蓮「それで、」
板「スルー…!?」
あはは…ドンマイ、板是君…
蓮「各階には、4つづつ、僕たちの名前が表記されている個室がありました。けど、僕の名前が書いてあった部屋は、鍵が閉まっていて開きませんでしたが、代わりにカードキーのようなものがドアに設置されていました。未だに、その鍵は見つかっておりませんが。」
伊「…この電子生徒手帳とやらじゃねえの?ほれ、カードっぽいじゃん、これさ」
輝「ふむ、あり得るな。これは部屋の鍵としても使えるかもしれない、ということか。」
入「部屋を調べた時の部屋順は覚えておりますのでどうぞこちらをごらんください」
入菊君は再びメモ帳をビリッと破り私たちに見せた。そこには私たちの名前とこの建物のようなものが書かれていた。ざっと見ると、どうやら私は3階にある部屋らしい。隣の部屋は…げっ!?
宝「…」
ほ、宝錠さんがお隣…!?うわぁぁ…この人苦手なんだよなー…でも、隣ってだけで、特に何も話すことないだろうし……大丈夫だよね?…大丈夫だといいけど。
宝「…なに?チラチラこっち見てきて。気持ち悪いのよ。変態?」
樹「す、すいません!!」
ほら!!すぐそういう悪口言う!鑑定家っていうか毒舌家だよ!この人!!超高校級の毒舌家なんじゃないのこの人!!
蓮「では、皆さん、とりあえず自分の名前が書いてある部屋へ行ってみてください。そして、何か報告があれば、誰かが誰かにお伝えください。では、後程。」
そうして、みんなはそれぞれ足速に探索へ向かっていった。私も、早く行こう。3階…確かソウちゃんも同じ階だったし、早く追いつこうっと。
樹「…あれ?」
…そういや、何かを忘れてるような気がする。…なんだっけ?……まあ、いいか。今は調べる事に集中しよう。