読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マイ ネーム イズ マイ

不定期更新しますですー

すべては無から始まった 前編

※展開が早いです。グロテスクで鬱・暴力表現アリでシリアスで意味不明な文章です。OK?((




グサッ・・・

「・・・」

肉の斬られている音がする。どこから聞こえるか。自分の腕からだ。

何で自分の腕からそんな音がするか。それは自分の腕が斬られているからだ。

一体誰に?・・・人間にだ。

「フンッ!役立たずが!生かしてもらっているだけでも感謝するんだな!!」

よく聞く言葉。人間は僕をこきつかって斬った後必ずその言葉を吐く。




・・・どうやら僕は人間じゃないようで。「魔族」という化け物のようで。

「魔族」はこんな生活を送らなければならないようで。


斬られた腕を見る。紫色の液体が流れている。この紫色の液体は、人間が怪我をしたときに流れる血というものだ。腕から血が流れる。そして傷が塞がっていくのを、僕はじっとみている。

・・・人間から流れる血の色は赤だ。そして僕は紫色・・・もう、この時点で人間じゃないことは確かだ。しかも傷は、少し放っておけばすぐ塞がるし。

「おい!何をしている!魔族!早く部屋に戻れ!!」

・・・まずい、早く戻らないと、今度は心臓を刺される。

「・・・わかっ」

ザシュッ

「あがっ・・・!?」

痛い。痛い痛い痛い。心臓・・・刺された。痛い痛い痛い。とにかく痛いという言葉しか思い浮かばない。

「私語を慎め!『はいわかりました人間様!』だ!わかったか!」

痛い痛い痛い痛い・・・けど、我慢して言わなきゃ。また心臓刺される。

「・・・はいわかりました人間様」

「・・・ケッ、魔族は感情がないのか!これだから・・・まあいい。早く戻れ」

「がっ・・・」

人間は、僕の体を蹴飛ばし、牢屋に閉じ込めた。

刺された場所が猛烈に痛む。腕のほうの痛みは、心臓の痛みの方が強いので、腕の事は気にならなかった。

僕は胸を抑えながら、目を瞑って静かに横たわった。体中の紫色の液体をこぼしながら。



・・・大丈夫。魔族はこんなことじゃ死にはしないんだ。

・・・大丈夫。こんなのいつものことだ。この痛みが当たり前だと思えば。

・・・大丈夫。慣れれば、大丈夫。慣れれば。



・・・人間の奴隷として生きる事が、当たり前って・・・思えば。
こんなの、大丈夫だ。大丈夫。


・・・そういう風にいつも自分に言い聞かせている。





しばらく時間が経ち、目が覚める。ここは窓がないから朝か昼か夜かわからない。

牢屋の前に人間がいる。人間は牢屋の鍵を開けた。ああ、労働か。と心の中で溜め息をつく。

仕方ない、と思いながら僕は立った。そして人間にグイッと手を引っ張られる。

「・・・」

休んでいる余裕はない。人間の機嫌を損ねたら、何をされるかわからないんだから。



「ふざけるなよっ!!どうして僕がっ!!」

「・・・?」

騒ぎ声がした方をみる。すると、銀髪の男の子・・・いや、女の子・・・?・・・遠くの方にいるからよくわからない。まあ、性別はどちらでもいい。その子が手を縄で縛られて連行されていた。

ああ、新しく見つかった魔族だな。あれは。

「離せ!!離せよ!!」

その子は動けない手の代わりに足で人間を攻撃した。だけど、人間の持っている武器・・・ナイフでその足は斬られてしまった。

「ぎゃあああああああ!!」

その子はけたたましく叫び、その場に倒れてしまった。

「・・・フン、どうする?こいつ」

「・・・仕方ない。引きずって牢屋にぶち込め!」

「わかった!」

その子はずるずると引きずられていき、牢屋の中へ投げ入れられてしまった。

・・・ああ、可哀想に。と、思う。・・・でも、自分も同じ立場だ。何も言えないな。



どうして僕・・・いや魔族はこんな日々を送っているか。何故魔族は人間の奴隷として生きなきゃならないか。簡単な話だ。

むかしむかしのその昔。魔族という化け物達は、理由は不明だが、人間を滅ぼそうとした。人間は半分以上滅ぼされたが、少し生き残った。多くの人間が滅ぼされたことに怒った神様は、魔族に罰を与え、滅ぼし返したという。だけど魔族も少し、ほんの少しだけ生き残りがいたようで、魔族はまた増えていった。けど、増えた魔族はほとんど子供。子供の魔族は成人の魔族より力がなく、人間にやり返す力はない。
それに気づいた人間達は、仲間を滅ぼされた恨みとして、魔族の子供を捕らえ、こんな事を言い出した。『魔族は、私たちの仲間を奪った詫びとして一生私たちに尽くせ』と。そして人間は魔族を自分達の奴隷とした。

それが、何千年、何百年、何十年経った今でも続いているようで。

そう、僕は魔族の生き残り。いや、正確にいうと、魔族の生き残りの子孫・・・らしいけど。

魔族の生き残りの子孫は、現在もたくさんいるが、魔族の生き残りは1人も、もうこの世にいない。「魔族」は成人になる前にとある方法で処刑されるから。とある方法とは、僕にもわからないけれど、処刑されるときに知るんだろう。

・・・僕は、大人になることも出来ず、何も得られないままここで一生を過ごすんだ。

・・・・・・いいんだ、別に。僕はそれでも。僕は魔族。魔族は幸せになっちゃいけない運命なんだ。・・・それなら、その運命を貫き通すまでだよ。

・・・でも、少しだけ、幸せとはどういうものなのか、感じてみたかったかな。・・・でも、無理だろうね。




1日の労働が終わった。町に入ってくる魔物を討伐したり、作物を収穫したり、色んな作業させられたな…いつものことだけど。次は八つ当たりされる時間だ。八つ当たりの内容はナイフで腕や足を刺されるか、心臓を刺されるかだ…大抵は。酷い時は……想像したくないな。

僕としては心臓を刺されるより腕や足を刺されるほうが、多少はマシだ。心臓はとてつもなく痛いから嫌だ。腕や足も痛いけどね。刺されると。

「・・・・・・」

人間は僕の胸ぐらを掴んだ。そしてナイフで僕の腕を斬って、ナイフをしまう。よかった。今日は軽い方だ。いつもの人ならザクザク刺すか心臓を刺すかだし。

・・・でも、その人は僕を蹴飛ばして牢屋に入れる。

「ぐっ・・・」

「・・・悪く思うな、魔族の子よ」

・・・他の人間と違って、この人間はほんの少し情があるみたいだ。・・・少し安心。


「・・・」

人間は言葉は残し、その場から去っていった。

「・・・よし、寝るか。」

・・・疲れたし・・・・・・視界がぼやけてきたし、身がもたないし。

「おい!」

「・・・?」

隣の壁から、男の子のような、女の子のようなどっちか判別つかない声が聞こえた。

「お前、ずっと前からこの牢屋にいるのか!?」

・・・この声は、聞き覚えがある。さっき見た、新しく捕まった子か。隣の牢屋にいたのか。

「・・・うん。いるよ、・・・物心ついたときからね。」

「おい!じゃあ状況を教えろ!どうして僕は捕まったんだよ!いきなり人間に『魔族は幸せになっちゃいけない』とか『魔族は一生人間に尽くせ』とか言われるし!もうわけわかんないよ!」

・・・まあ、そりゃそうか。捕まったばかりだから何も知らなくて当然か。

「・・・キミは自分が「魔族」だってことはわかってる?」

「・・・知ってるよ。死んだ親から聞いた」

「・・・なら、「魔族」が起こした出来事は知ってる?」

「・・・なにそれ、僕が何をしたっていうの?」

「・・・いや、君は何もしてないよ。」

「・・・は?」

僕はあの子に話した。「魔族」が人間を滅ぼそうとしたこと、「魔族」は人間の奴隷として生きねばならないこと。

「っ!なにそれ!!僕は悪くないし、しかもそれって何千年前のことじゃんか!!」

「・・・仕方ないよ。人間は何千年もの前の事を今でも恨み続けてるんだから」

「はあ!?冗談じゃないっっ!!どうして何千年前も昔のやつの恨みを、全く関係のない僕が買わなきゃいけないんだ!!ふざけるな!!」

・・・うるさいなぁ。仕方ないんだ。人間は僕らを恨み続けてる、怒ってるんだ。仕方ないんだ。昔の魔族が引き起こしたとはいえ、同じ魔族がやったことなんだから。

「・・・よし、脱出してやる!お前も協力しろ!!」

「・・・いやだ」

「はあ!?なんで!?」

「・・・逆らったら、罰を受けるから。」

「・・・いいのかよ!?お前はそれで!?このままだと一生こきつかわれて、殺されるんだぞ!?僕は嫌だね!!絶対に!!」

「・・・・・・」

僕は銀髪の子の言葉を無視した。

「・・・っ、この意気地なし!」

・・・「意気地なし」・・・「意気地なし」ってどういう意味だっけ。多分悪口なんだろうな。

でも悪口だってわかってても怒るに怒れない。そういう感情が込み上げてこない。・・・僕には人間に言われたとおり、感情がないんだろうな。きっと。



カシャンッ!

隣の牢屋から鍵の開く音が聞こえた。・・・人間がまた来たのかな?と、思ったら、銀髪の子がやってきた。・・・あれ?どうやって牢屋から脱出したんだろう。

「おい、脱出するぞ。意気地なし」

・・・え


その子は鍵をいじくると、また「カシャンっ!」という音が聞こえた。そして部屋に入ってきて、僕の腕を掴んで走っていった。

「は、離し・・・」

「やだね!意気地なしの言う事なんて誰が聞くもんか!!」

その子は僕を無視して、どんどん出口へと進んで行った。

「人間の警備なんて薄いから軽い軽い!」

と、調子に乗っているので、不安しか残らない。

・・・ああ、きっとたくさん痛いことされるだろうなぁ・・・どうしよう。・・・でも、もう牢屋を勝手に出てるから・・・。反逆罪で・・・きっと今までより酷い事されるんだろうなぁ。




「よし!脱出!!」

・・・もう牢獄施設の外に出てしまった。ああ、どうしようか・・・。

「・・・ねえ、キミ、どうするの・・・これ、絶対見つかって罰受けるよ・・・」

「キミじゃない。僕はロンジェ。・・・お前って本当意気地なしだよね。見つからなきゃ罰は受けないんだから、問題ないよ。それに、魔族といっても人間の姿になっていれば、魔族ってバレないバレない!」

・・・確かに、僕たち魔族は人間の姿と変わらない。いや、正確には普段は人間の姿に化けているんだ。でも、この子はああ言ってるけど、バレないとは限らない。魔族には人間に化けれても隠せない特徴がある。それは・・・

「大変だ‼︎魔族が脱走しているぞ‼︎」

「捕まえろ‼︎」

「げっ‼︎なんで脱出早々見つかったの⁉︎ありえないから!」

人間たちが僕たちの方へ向き、目を鋭く尖らせながら、走って追ってくる。

・・・魔族には隠せない特徴がある。それは・・・目。魔族は目の色が真っ赤なのだ。人間の血のように。目の色だけは、化けることができないんだ。

「逃げるよ‼︎この町の外にね!」

銀髪の子は、僕の腕を引っ張って、人間たちから逃げた。僕も仕方なく一緒に逃げた。





「ぜぇ、ぜぇ・・・疲れた」

僕たちは、人気(ひとけ)のない洞窟へと逃げ込んだ。

「ふんっ、ここは魔物が多いんだ。人間共は絶対にここへ来やしない・・・よ」

・・・いや、魔物くらい、人間だってなんとかできるし・・・・・・・
銀髪の子は、自信過剰なのかな。

「・・・それにしても、何で人間の姿をしているのにばれたんだ・・・?」

「・・・目だよ。魔族はみんな、目が赤いんだよ。」

「・・・なるほど・・・それで。ま、いいや。人間がこの洞窟あたりから退くまで、避難するか・・・」

「・・・」

ここまで来てしまった。・・・もうなにがどうなってもいいや・・・。

・・・それにしても、これからどうしようか。仕方なく一緒に逃げたものの…どうやって生活していけばいいのだろうか。僕は物心ついたときから奴隷として生きてきたんだ。それ以外の生き方なんて、知らない…よ。

「ところでお前、名前は?」

「・・・え」

「『え』じゃないよ、名前は?」

「・・・」

・・・困った。名前・・・ない。僕に名前なんてない。今まで魔族としか呼ばれてなかったから・・・困ったな・・・

「・・・ない、名前、ない。」

「はぁ⁉︎」

・・・そりゃ、驚くか。この子はちゃんと、名前あるんだもんね。僕と同じ魔族なのに。

「・・・そうか、お前、物心ついたときから、魔族を奴隷としているあの町でこきつかわれてたんだっけ?ふーん、だから名前ないんだ。哀れだね。お前」

「・・・」

銀髪の子・・・いや、ロンジェさんは、僕を馬鹿にしたかのように静かに嘲笑した。

「・・・な、なんだよ、なんで怒らないんだよ・・・」

「・・・え」

どうやらロンジェさんは、僕が怒ることを期待していたらしい。・・・だけど、残念。僕にはどうやら感情がないようだから、怒ることができないんだ。

「・・・っ、ま、まあいい。じゃあ適当に『お前』って呼び続けることにするよ」

「・・・うん」

「・・・はぁ・・・。ん?・・・ねぇ、お前さ、ずっとあの町にいたってことは町の外にはでたことないんでしょ?

「・・・うん」

「じゃあ、今日が初めてだろ?外にでるの」

「・・・うん。」

「・・・じゃあさ、今、外にでてどういう気分?」

「・・・特に何も思わなかったよ?」

「・・・っ、ちょっとは感情表現しろよ・・・」

「・・・え?」

「もういいよ!」

・・・ごめんなさい、感情がなくて。・・・怒ったかな・・・殴られるのかな。

「・・・お前、何で僕についてきたんだよ・・・」

え・・・何でって・・・

「・・・そりゃあ、君が引っ張ってきたから・・・仕方なく。」

「仕方なく?じゃあ引っ張った時、ちょっとは抵抗すればよかったじゃないか。お前、一切抵抗してなかったよ。」

「・・・そっか。」

・・・抵抗してなかったんだ。わからなかった・・・。ああ、多分、僕は今まで色んな人の言うことを聞いてきたから、この子にも逆らえなかったんだろうな。

「・・・はぁ・・・」

ロンジェさんは、僕の感情のなさに呆れたのか、溜息をついた。・・・ごめんなさい。ロンジェさん。感情がなくて。


・・・名前すら持ってなくて。


続く。

よし、とりあえず終わりました( ̄▽ ̄)
じゅりちゃんたちの話を書くのをサボって、今回はファンタジーのほうのストーリーを書きました。このお話はそんなに長くないので多分中編、後編…って感じで終わるかと。飽くまで予定ですけどw

いつも新しく登場したキャラはキャラ紹介してますが、今回のお話ではしません( ̄▽ ̄)でも名前だけ書いときますねっ。登場したキャラは、名無しの少年(主人公)とロンジェです。ロンジェは成り茶の方でたま〜〜に成るので多分知ってる人いる・・・はず。((
名無しの少年は・・・どうでしょうね!((
ちなみにこのお話での2人の年齢は、名無しの少年は6歳、ロンジェは7歳です。

ではでは!最後までみてくださってありがとうございました!