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不定期更新しますですー

バカペンギンと猫と羊と魔女様と

※ちょっとグロ入ってます!大分お話をカットしているのでわからない部分とかあるかもしれません!すいません!ではでは!


昔、昔、ペンギンの妖精さんがいました。

ペンギンの妖精さんの名前はペルーノ。

ペルーノはいつも元気で、マイペースで、騙されやすい性格をしていて、妖精のみんなから「バカペンギン」だとか、「バカ正直」と言われていました。


「ヨーグルト美味い!」

「食い過ぎにゃアホ‼︎」

「アホはカーネだろ⁉︎」

「にゃぁぁぁあ⁉︎」




「よお、ナイメア‼︎」

「ナイメアってなんだよ⁉︎つうか何でいつも俺様のところに来るんだよ。」

「へへ‼︎今日もイタズラしに来たぜ‼︎」

「堂々とイタズラ宣言してんじゃねーよ‼︎」

彼の中で最も仲が良かったのは、アh…ピンク色の猫の妖精カーネと、はぐれ者の羊の妖精、ナイトメアでした。

カーネとペルーノは、いつも一緒…というわけではありませんが、カーネとペルーノは結構仲が良い友達です。

ナイトメアはいつもペルーノのお節介に手を焼いています。更にはイタズラもしてくるので、少々参っているらしい。


「…へへっ」

ペルーノは2人の親友と呼べる友達がいて、とっても幸せでした。
でも、その幸せな日常は、馬鹿な彼の馬鹿な行動により、崩れ去る事になってしまいました。

ある日の事、ペルーノはいつものようにナイトメアにイタズラをしに行こうとした時、白いウサ耳の女の子、恐らくペルーノと同じ妖精が話しかけてきました。

「ん?誰だお前。」

白いウサ耳の女の子は、ペルーノが知らない妖精さんでした。

「ミーハドリピスダヨ!アノネ、アノネ、ペルーノクンニイイモノアゲル!」

ドリピスと名乗った妖精が取り出したのは、青いなにかが入ったガラス瓶でした。

「何だコレ?」

「コレハネー、ブルーベリージャムダヨ。ヨーグルトニカケルトオイシインダヨ!ミーモヨーグルトスキナンダー。」

「まじか‼︎わぁぁあ‼︎」

ペルーノはドリピスの言葉に、何の疑いもせず、その瓶を受け取りました。

「ジャアネ!」

ドリピスは、黒いウサ耳の、ドリピスにそっくりな妖精のもとへ去っていきました。



ペルーノは、さっそく家へ帰って、ヨーグルトを食べようとしました。ですが、せっかくなのでカーネとナイトメアとも一緒に食べようと思い、2人を誘いました。

「なぁんでこんなペテン羊と‼︎」

「ケッ、そりゃこっちのセリフだってのー。」

カーネとナイトメアは、ちょっとした因縁があるらしく、会うとすぐに喧嘩をします。

「まあまあ、今日は仲良く食べようぜ!たまにはさ‼︎」

けれど、それをいつもいつもペルーノがとめています。

「…むぅ。…ところで、そのブルーベリージャムとやら、どこで手に入れたんにゃ?」

「白いウサ耳の女の子から貰った!多分オイラたちと同じ妖精だと思う!」

「ちょ、それ、怪しくないかにゃ?知らない奴から貰ったものを…

「大丈夫だって!ヨーグルト好きに悪い奴はいないからな‼︎」

「えぇ…」

「あー、無駄無駄。バカペンギンは疑う事を知らないからな。」

「バカペンギン言うなー!」

ペルーノは先ほど貰ったガラス瓶のフタを開け、ヨーグルトにドバドバと入れました。
ブルーベリージャムは、ジャムというよりドロドロとした謎の液体に近かったのです。だけれどその液体は、ブルーベリーの程よい香りがしていました。

「ますます怪しいにゃ…本当に大丈夫かにゃ?食べない方が…」

「大丈夫大丈夫!いただきます‼︎」

ペルーノはガツガツとヨーグルトを一瞬で全て食べました。

「なんっっだコレ‼︎超美味いぞ‼︎コレ‼︎カーネもナイトメアも食べてみろよ!」

「い、いや、遠慮しとくにゃ。怖いし」

「ハッ、ビビりだな!」

「うるさいにゃ‼︎だいたい、そう言うならお前が食えにゃ‼︎」

「残念、俺様の分はバカペンギンが全て食っちまったぜ」

「あ、お前‼︎こっそり自分の分をペルーノに分けたにゃろ!相変わらず卑怯なヤツ‼︎」

「ケッ、何のことだか。しらねー」

カーネとナイトメアは再び喧嘩が始まってしまいました。
……いつもならさっきのようにペルーノが喧嘩を止めるのですが、何故かペルーノは俯いていて、なにも喋っていませんでした。


「ムキー‼︎………って、あれ、どうしたにゃ?ペルーノ。まさか腹でも壊したかにゃ?ったく、怪しいもん食うからにゃ。」

…返事はありません。

「…お喋りなこいつが黙ってるなんて、嵐がくるぞ…。…おーい起きろバカペンギン」

ナイトメアはペルーノの肩を乱暴に揺さぶりました。でも返事はありません。

「ちょ、ちょ、ヤバイんじゃないかにゃ⁉︎これ⁉︎ナイトメア、悪夢でもみさせて無理矢理起こすにゃ‼︎」

「は⁉︎やだよ、俺の力は他人を苦しめる以外に使いたくねぇもん‼︎」

「くだらないプライドにゃね⁉︎」

またまた喧嘩が始まってしまっいました。もう終始がつかなくなってしまった時、ペルーノは席からフラフラと立ち上がり、家から出て行きました。

「ペルーノ⁉︎どこ行くにゃ⁉︎」

ペルーノはフラフラと歩いていますが返事は返ってきません。

いつもなら話しかけたらちゃんと返事をするのに。これはおかしい、とカーネとナイトメアは思いました。2人は、ペルーノを追いかけました。



ペルーノはどこかの森へ入り、奥へ奥へと進んでいきました。フラフラと。

森の奥には、人間がわんさか集まっていました。なにかお祭りをしているようです。ペルーノは人間の集団を見ると、ピタッと足を止めました。

そして

「…あははは」

ペルーノは無機質な声で笑うと、人間共を襲い始めました。

「あ、あいつなにして⁉︎」

「…」

カーネはペルーノを止めに行こうとしましたが、白と黒のウサギに足止めされてしまいました。

「ダメダヨ!」

「イマテストチュウダカラ!」

「なっ⁉︎」

ウサギたちは、ぴょんぴょんと跳ねながらカーネをペルーノのもとへ行かせまいと、通せんぼしました。

そして気が付くと、ペルーノは人間たちを血まみれのドロドロにしていました。

ペルーノはカーネとナイトメアの方に振り向きました。2人に写るペルーノの姿は人間の血のせいでなにもかも真っ赤に染まっていました。そして、ペルーノの目は虚ろで、ペルーノの目には何も写っていませんでした。

「…あ、カーネ!よう!」

ペルーノはいつもの馬鹿面でニコニコ笑っていました。でも2人はその笑顔に恐怖を感じました。

「…なにしてんだお前w」

ナイトメアは、恐怖という感情を隠しながら、いつも通り接しました。

「え?魔女様が、人間を殺せって言った!だから殺した!」

「…はぁ?」

馬鹿で正直者で、マイペースで、イタズラ好きだけど、情が厚くてお節介なペルーノから、あり得ない言葉が出てきました。『人間を殺した』と。

「魔女様が言ったんだって‼︎人間を殺せって‼︎だから殺したんだ‼︎わかれよ‼︎」

「…いや、わけわかんね」

今度は狂いながら『魔女様が…』と叫び始めました。

「ナイトメア、魔女様ってなんにゃ?わけわからんにゃ」

「安心しろ俺様もだ」

「自慢気に言うなにゃ」

てへぺろ

「魔女様は魔女様だ‼︎」

ペルーノは魔女様魔女様、と何回も言うが、その魔女様というのは一体何者なのか説明してくれませんでした。その時です。木の上から、愉快愉快と嗤っている人間の女の子が飛び降りてきました。

女の子は真っ黒なとんがり帽子で顔を半分隠していて、真っ黒なローブをまとっていて、まさしく魔女、というような格好をしていました。この人物が魔女様なのでしょうか。

「マジョサマー!」

「サマー!」

ウサギの妖精たちは、その女の子の元へ駆け寄り、女の子に抱きつきました。

「に、人間か?お前はなにものなのにゃ⁉︎」

「えー?さぁー?なにものかなぁー?ヒントはサルクダリア教にあるよぉー!」

「…サルクダリア教ってなんだよアホ猫。」

「確か、あの神様方を祀っている宗教というやつにゃね。何千年か前にサルクダリアという人間が作った宗教だと、ラアム様は仰っていたがにゃ。だがそれとこいつに一体何の関係が…」

「ふふー、どんな関係だろうねー?さぁーて、テストは一旦終わったから帰るー!ドリピスー、ドルピスー、ペルーノ、かーえろぉ!」

「「ウン!」」

「はい!」

「ま、待つにゃ‼︎テストって何にゃ⁉︎それに帰るって⁉︎」

「質問が多すぎだよー。もぉー。しょうがないなぁ。私はペルーノを試すためにー、人間を殺させたの!」

女の子は血まみれになったペルーノニヤニヤしながら見て、そう言いました。

「へへーっ!今日からオイラはこのお方の手下になったんだ!」

「て、手下って…え…えぇ……」

状況がついていけないカーネは、焦りと恐怖で涙がでそうになっていました。

「ふふー、また別の場所でテストするんだぁ。人間を殺す…ね。」

「⁉︎ふ、ふざけた事ほざいてんじゃねぇぞ人間がw。このバカペンギンが人間を殺すだなんてそんな事するわけねーだろうが。」

「…ふふ?羊くーん。見てなかったのぉ?今の光景を!」

「…チィッ‼︎」

「お、お前がペルーノに何かしたんにゃろ⁉︎…あ!」

カーネは先ほどペルーノが食べていたヨーグルトを思い出します。思えばあのブルーベリージャムを入れたヨーグルトを食べてからペルーノはおかしくなりました。やはりあのブルーベリージャムになにかしら仕込まれていたんだ、とカーネは確信しました。

「ペルーノ!目を覚ませにゃ‼︎お前はあのジャムのせいでおかしくなってるんにゃ‼︎」

「はぁ?なに言ってんだよ。オイラは…」

「友達‼︎友達にゃろ‼︎あたし…達‼︎その友達が起こしてやってるんにゃ、だから目を覚ませにゃ‼︎」

「……」

友達という言葉に、ペルーノはピクッと反応し、そして、口を開きました。

「…魔女様の敵はオイラの敵。お前らは魔女様の敵。お前らはオイラの友達じゃない。」

「「…⁉︎」」

カーネとペルーノとナイトメアが出会う前。カーネとナイトメアは、元々は今よりもっと仲が悪かったのです。だけれどペルーノはそんな2人と友達になり、カーネとナイトメアの友情を繋いでいたのです。

そんなペルーノから、無表情で、『お前らはオイラの友達じゃない』…と。

「な、なに言ってるのにゃ。ペルーノ!おい!」

ペルーノはカーネを無視し、魔女と名乗る女の子の元へ行き、虚ろな目で笑いながら『帰りましょ!』と言いました。

「うん!そうだねぇー。話す事は話したもんねぇー。じゃあね、猫ちゃん、羊くーん」

女の子はホウキに跨がって、ホウキにドリピス、ドルピス、…ペルーノをホウキに乗せ、どこかへと飛んでいきました。





カーネはそれを追いかけようとしましたが、カーネは空を飛べないので、追いかけられるはずがありません。カーネは泣きじゃくって倒れてしまいました。

「あ、あの時、あたしが止めていればっ、あいつはっ…あいつはっ…!」

「…」

ナイトメアはただただそれを見ているだけで、何もしませんでした。





ペルーノが魔女とどこかへ行ってしまったあの日から、ペルーノを見かけることはありませんでした。

そして仲が悪いカーネとナイトメアを繋ぐ者は、いなくなってしまい、2人はペルーノに会う前の様に、壮大な喧嘩をするようになってしまいました。

「お前、また人間に悪夢を…‼︎」

「ケッ、俺様がなにをどうしようと自由だろうが。あん?」

いつもなら2人の喧嘩はペルーノが止めます。だけどペルーノはもういません。

あのマイペースで正直者で優しいペルーノは、もう、いなくなってしまったのです。

ー終わり。

はい、今回は珍しく単発です!本当珍しいよ、うん((

新キャラ紹介のため、新キャラのストーリーをかきました!ペルーノというペンギンの妖精です!オスです。性格は簡単にまとめるとマイペースで騙されやすい(ここ重要)といったところです!

あと紹介してないキャラで魔女ってのもいますがそれはまた後ほど…((

ではでは!最後まで見てくださってありがとうございました!